「正直ナメてた」クレッシェンド 音楽の架け橋 ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
正直ナメてた
正直、どこの国の映画かもよく分かっておらず、ナメてた。すいませんでした…
大変な作品でしたし、しっかりとしたちゃんと映画らしい映画でした。
イスラエルとパレスチナから若者たちを集めてオーケストラを作り演奏会を開く、という一見無謀に思えるアイディア。その設定自体が小賢しい映画かなと疑わせてたわけだけど、実際にそれをやっているのだとは知らなかったし、この映画ではそれはナチ(ドイツ)とユダヤ人との問題にも地続きになってゆく…
どちらの問題も、若者たちにとっては誰が始めたのかも知れぬことながら、自身のバックグラウンドに深く刺さっている問題でもある。それは今も彼等の生活を脅かす「今ここにある」問題なのだ。
だがそれを、他ならぬ若者達自身が解決してゆくのだと、その困難さとともに語るこの作品は、未来を諦めない羅針盤のようだ。指揮者不在でガラス越しに演奏されるラヴェルのボレロは、それを端的に現しており、それだけにとても感動的。
素晴らしい作品でした…
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