「ラストが秀逸」クレッシェンド 音楽の架け橋 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストが秀逸
帰国便を待つ空港ロビーで、イスラエル側とパレスチナ側を隔てたガラスの間仕切りを挟んでのボレロの協奏。
イスラエル側のリーダー格・ロンがバイオリンを弾き始め、それにパレスチナ側の急先鋒・レイラが呼応し、次第に周りの面々に広がっていく。
タイトルそのままのこの場面がこの作品の全て。
二千年の怨讐を抱えるユダヤとアラブの問題という政治的メッセージをこの尺で描くことなど土台ムリ。
『音楽は世界の共通語』ということで押し切ったこの内容で良かったのだと思う。
欲を言えば、それぞれのメンバーがオーディションに申し込むまでの前日譚が描かれていれば良かったのにな、とは思った。
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