「暴れん坊将軍が峰打ちじゃなく全部斬っちゃうみたいな」Mr.ノーバディ 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
暴れん坊将軍が峰打ちじゃなく全部斬っちゃうみたいな
今週「2」が公開だってんで、
日本では2021年公開の「1」を観てみた(アマプラ)。
そしたらこれが、めっちゃ面白かった。
退屈で弱っちく見える中年男が実は……
というプロットだけ見ると、ありがちな話に思える。
そして、
バイオレンスアクションはホラーの次に苦手なワタクシ。
ジョン・ウィックも、劇場は回避したし、配信でも序盤で断念したくらい。
なのになぜ、めっちゃ面白かったのか。
理由その1。
笑える要素が多かった。
爆笑、ではないけど、ニヤリ、とさせられる台詞と演出がたんまりで、
これは大好物。
理由その2。
立ち回りがチャンバラ映画の殺陣のようで、リアルすぎなかった。
(ちょっと目を背けたところはあるけど)
もちろん使うのは銃器と爆発物と素手であって刀ではないんだが、
まるで「36人斬り」「48人斬り」の類を見ているようだった。
つまり、完全な娯楽に振り切っている。
理由その3。
悪役が、とことん悪い奴で同情の余地がない、
にもかかわらず、弱い者いじめはしてない。
悪さをしようと思っても完遂できないし、
罪のない子犬を××したりはしないんである。
だから逆に、
観ていて「死んでしまえ!」と思う時にも、
こちらにはドロドロした気持ちは何もないんである。
たとえて言うならば、
暴れん坊将軍が、斬られて当然の連中を
峰打ちじゃなくて全部斬っちゃう映画、
って感じなのでありました。
そして冒頭、
タイトルの出るまでがカッコいい。
今週公開の「2」にも、
期待大。
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