「全然普通じゃないし、冴えないオヤジでもない。ビックリ展開【悪い意味で・・】」Mr.ノーバディ 満塁本塁打さんの映画レビュー(感想・評価)
全然普通じゃないし、冴えないオヤジでもない。ビックリ展開【悪い意味で・・】
90年代のマイケル・ダグラスの「フォーリングダウン」。筋違いなハンバーガーショップとかへのみみっちい怒りの大爆発。
そもそも「本当の巨悪」へそのチカラ行使しろよ、と思った記憶が蘇ってきた。
しかしこの映画は、事前のリーフレットや広報とことごとく異なり、かなりブッ飛んだ人物の破天荒な展開。
簡単言えば、ロシアンマフィアとの銃撃戦、カーチェイス。ただそれだけ。本当にそれだけ。
そもそも金型工場勤務って言っても、ブルーカラーの工員ではなく、部屋を与えられている管理職風。そこそこ立派な家に住んでいるし、車ももちろんある。妻ともセックスはご無沙汰とは言え、冷え切ってはいないし、反抗期と思われる息子は犯行の片鱗すら見せていない。
まあ最初の夜間、自宅への強盗が息子に覆い被さっているのにゴルフクラブを持ちながら、敵を叩きつけないのは確かにヘタレだけれども。
そもそも入れ墨を手がかりに強盗犯、明らかにコモノを追及する点から尋常じゃないし、バスで大したことないちょっとしたインネン、ゴロツキのインネンに殺人レベルの暴行爆発は、もはやぜんぜん素人ではない。明らかに、そのスジの人。
アクション映画ならそれはそれで暇つぶしに良いのだけれども、主人公の背景、経緯、なぜそんなに強いのか?なぜ別に家族殺されたわけでもないのに、ロシアンマフィア殲滅へ徹底攻撃するのか?とにかく繋がりを欠く。爺さんと義弟らしき人物の動きもよくわからないし。マフィアの収益構造もよくわからない。それが気になって銃撃アクションが入ってこない。
そもそもオフィスの自分の部屋の通信機器が誰と交信してるかわからない。暴漢たちもろとも自宅を燃やしてしまうのも意味不明。何人殺害したかわからないくらいなのに、その後は平和に物件探しって・・・
前述の「フォーリングダウン」の方がまだ事前広報どおりでマシだったよ。