「70分、己の限界が試される作品」最後にして最初の人類 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)
70分、己の限界が試される作品
写真家の瀧本幹也氏が「コヤニスカッツィを思い出した」と仰っていましたが、コヤニス~の方が圧倒的に観やすいです。まだ人の営みの風景もあるし、場面も動くので。
20億年先の未来人から現代人にテレパシーで警鐘を鳴らす、という内容。
20億年先の未来人、なんで英語使ってんすかっていう私みたいなリアリストは、この映画には合いません。Don't think!Feel、です。
この未来人の役をティルダ・スウィントンが演じているのですが、実体がない(白目)。
マジでこの映画、人っ子ひとり出てきません。
じゃあ何が出てるかと言うと、巨大なモニュメントの映像のみ。
ラストで若干山とか建物っぽい景色とか出てきますが…。
このモニュメント、遺跡かと思ったら旧ユーゴの戦争記念碑らしいです。『スポメニック』。
それがクローズアップされてるということは、さて20億年後はどんな未来が待っているんだろうか…といったところでしょうか。
他の方も「意識飛ばした」と書かれてらっしゃるのと同じく、私も途中で意識飛ばしました。
基本的に起承転結があって無いようなもんです。
それに、ティルダ演じる未来人はよく『人類』とか『太陽系』とか壮大な単位で物事を語るので、今晩の飯は何にしようとか、明日の仕事めんどくせえとか考えてる私のような卑小な人間に、この映画は合いませんでした(2度目)。
ただ、もしこれがオーケストラを従えた生朗読であれば(元々はこの形式だったと映画.com速報さんが書いてる)、ティルダとオケのビジュアルも楽しめるので、そっちの方が面白かった気がするんですよね。激重い内容からの逃避という観点で。
監督ご逝去後の映像スタッフさんの計り知れないご苦労には申し訳ないですが、70分間、延々とモニュメントの映像を拝見してるのはちょっとしんどかったです。