「漫画の連載開始が2001年、映画の最終章公開が2021年12月、実...」ARIA The BENEDIZIONE yuriさんの映画レビュー(感想・評価)
漫画の連載開始が2001年、映画の最終章公開が2021年12月、実...
漫画の連載開始が2001年、映画の最終章公開が2021年12月、実に20年にもわたり愛され、様々な人の手によって紡がれてきたのだと月日の長さかみしめて思います。
2008年に原作漫画が完結した時は、13年後に新作映画を映画館で観れる未来がくるとは思いもよりませんでした。年月が経っても、世界観が古くはならず、登場人物たちが全く風化せず、物語の軸も変わらないのは、20年間に原作者の天野先生が最初にAQUAという物語を生み出した、そこに揺るがないものがあったからこそで、流石だなあと思います。
映画は、水先案内人大手(業界No2のお店)である姫屋の後継ぎである藍華、その先輩である晃、そして藍華の後輩であるアズサ、3人の心模様を中心に藍華の葛藤、成長、決意が描かれます。
思春期の反抗心や周囲と比べての劣等感に溢れ自分のことを[粗悪品]という藍華、そんな藍華を見ながら、どんな藍華でも受け止めたいと想い、勇ましく凛々しく、そして格好良く藍華を愛する晃。
「綺麗なものが多いARIA」の物語の中で、生々しい(どちらかといえば負の)感情を描きながら、「優秀でしかも努力家」なのではなく、「努力するから優秀」なんだと自身の生き方を信じる域まで到達した姫屋の二人の姿が描かれていました。
現実の私たちが生きる上でも似たような劣等感を感じることあると思うのですが、だからこそより姫屋チームの生き方が迫ってきます。
オレンジプラネットやアリアカンパニーとはまた違う、「生きる強さ」を姫屋に感じました。
また映画の中では、灯里、藍華、アリスがどんどん成長し、大人になっていっているのを感じます。後輩チームから頼られる灯里、操舵や案内技術を感心される藍華、先輩として尊敬されながら(忘れた水筒を)後輩から手渡されるアリスの描写などが映画の中で見られると、見ているこちらまで嬉しくなるというか…。
今回の映画が最終章ということですが、今回の青のカーテンコールシリーズで、灯里、藍華、アリスの成長がそれぞれ描かれ、先輩組(アリシア、晃、アテナ)の弟子への思いも描かれきったと思うので、灯里、藍華、アリスが今度は先輩側として、アイちゃんたち後輩3人を思う姿も見たいなと願っています。
また何年かかっても、三大妖精となった灯里、藍華、アリスを見るのが夢です。三大妖精となった3人が相談しながら、ヴェネツィアの行事を成功させる姿とか。
末永くこれからもARIAが愛されることを願いながら、応援しています。