あしやのきゅうしょくのレビュー・感想・評価
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市政記念作、なり。
まじめな食育映画。大きな事件は何にもおこりません。バランスが取れて子供たちに美味しい学校給食を提供する新人栄養士さんと料理する人達、それに関わる豆腐やさんや肉屋さん、あとは今どきな宗教料理にアレルギー話とかとか…問題発生すれど心静かに解決します。ほっとできる作品だけど給食ってこんなに美味しそうになってるのかしらん。
食べることは生きること
ただ、美味しい給食にする。ではなく、きちんと、子どもたちの学習に繋がっていていいなと思った。
一人ひとりのことをきちんと理解して、寄り添っていてとても大事なことが詰まった映画だった。
野菜ちゃん奮闘記。
兵庫県芦屋市を舞台に地元の小学校で働き始めた新人栄養士のお話し。
ベテラン栄養士の退任に伴い就職した1年生栄養士が、生徒たちに寄り添いながら仲間たちの力を借りて奮闘するストーリー。
遥か昔自分が通っていた小学校ではこの作品と同様に学校内で給食を作っていたけど、給食室の方々と話をしたことは無かったけど…厳しい予算の中でやり繰りされていたのは変わらないのだろうなあ…と。
誰一人悪い人は出てこず、子供たちとそして食と向き合い、美味しく健康的な給食を食べて貰いたい、笑顔になって貰いたいという思いをド直球にぶん投げ捲るEテレドラマも真っ青な展開で、兎に角優しく温かく、幸せな作品だった。
直接的には本編と関係ないけれど、舞台挨拶の際の話で、子供たちにいつも通り給食を食べてと言ったら、みんな黙って食べたというのが印象的だった。早く楽しい食事時間が帰って来ますように(-人-)
個人に向き合う優しい給食
芦屋小学校に赴任した新人栄養士・野々村菜々は、退任する栄養士からレシピなどを引き継ぎ、調理師たちと協力して小学校の給食の献立を作っていった。予算、宗教、アレルギーなどの問題に対応しながら、美味しい給食を子どもたちに食べてもらおうと頑張る話。
イスラム教徒向けのハラル料理や、卵アレルギー向けの湯葉のオムライスなどすごいなぁ、って思った。
芦屋市の取り組みが素晴らしいと思った。
地味ながらいい出汁使っている煮物のような映画
2022年劇場鑑賞57本目。
芦屋小学校の実際の給食に対する取り組みをドラマとして映画化したと思われる映画。
小学校の給食センターの話なので、思った以上に大事件とかは起こらないのですが、卵アレルギーや宗教上の問題、予算との戦いなど現実に即した話になっていてあっという間に終わりました。
ただ、具体的にハラルフードが出てくるのですが、豚を調理したことのある器具で調理してもいけないということなので、そもそもどんなメニューを作っても給食センターで作った時点でアウトな気もするのですが・・・。大げさと思われるかもしれませんが、我々だって一度ウンコを煮た鍋をキレイに洗ったので問題ないでしよ、と、使われるようなもので、イスラムの方にとって結構大事な事だと思うのですよね。
ゆめがかなう卵
「余命10年」「映画ドラえもん」と大作が2つも公開される今日。余命10年は試写会で見たし、ドラえもんはレイトショーとかが人少なくていいかなと思い、映画館で予告を見て気になった本作を鑑賞。予想通り、心温まるいい映画でした。
短いながらにストーリーは割としっかりしていて、給食を通して人の温かさが感じられ、給食を作る上で携わっている全ての人へ感謝を伝えたくなる映画。子どもたちの悩みを解決していく形で話が進んでいき、上手いことまとめていてとても見やすかった。給食がめちゃくちゃ美味しそう!あの三角形のクッキーみたいなの、みんなそれぞれ付けたのかな。
主人公の菜々先生演じる松田るかがとても良かった。賭ケグルイの時から思っていたけれど、この人の演技は絶妙。賭ケグルイではイライラさせる役だけど、本作では周りの人達を明るくさせる心優しい先生役。子どもたちの笑顔が見たい一心で行動する彼女の姿にとても癒されました。
マイ給食文化は芦屋では本当にあっているのかな。子どもたちは忘れることない思い出になる上に、栄養について考える学習の場としてもすごくためになる行事だと思った。マイ給食のシーンは非常に心が温まった。
ただ、ちょっとチープな作り。
全体的に安っぽいし、結構話も飛び飛びで丁寧さはあまり無い。演出もかしこまった感じで、この映画はそういう点では結構雑。あまり深いことを考えずに気軽に見るべき映画だなって感じ。お母さん、全然前に進めてないし。
映画館で見るほどのものではないけれど、小学校や中学校の家庭科の時間とかにこの映画を見ると良いかも。それも、給食時間前に。生きることは食べること。子どもたちにぜひ見せたい作品だなと思いました。
【”食べるは生きること。そして、懐かしくも愛しき皆で笑いながら食べた給食を思い出す。”現代の学校給食に携わる人々の苦労、仕組みを知った作品。給食の多人数分を調理するシーンに引き込まれた作品でもある。】
ー 全く知らなかったが、兵庫県芦屋市は学校給食において各校での調理や専属栄養士による献立に力を入れているそうである。(他市もそうなのだろうか・・。)ー
◆感想
・驚いたのは学校給食において、限られた予算の中、アレルギーを持つ児童用に特別食を用意したり(今作では、卵アレルギーを持つ少年への配慮にフォーカスされていた。)、宗教上肉が食べられないために”ハラルフード”を弁当で持参している生徒のために、ハラル食を提供したりと、様々な課題に挑戦する新任栄養士野々村菜奈(略して野菜・・)(松田るか)の奮闘ぶりである。
- アレルギーを持つ児童用の特別食の提供は、仕組みとして出来上がっていた。敬服である。皆と一緒でないハラルフードを食べる寂しさ故に、校長先生(桂文珍)とお昼を食べていた女の子のために・・。
一食分の経費が250円という事にもビックリである。-
・又、オムライス500人分を作る調理師さん達の手際よさにも驚いたし、画としても面白かった。
- 500枚の卵焼きを一つ一つ焼き、大鍋でケチャップライスを作る豪快なシーン。-
・厳しき舌と誇りを持つプライドの高い調理師を演じた石田卓也さんは魅力的であった。恥ずかしながら初見であったが、魅力的だなあと思ってフライヤーを読んだら、凄い人だった・・。
・“マイ給食”のシーンも良かったなあ。生徒が一人一人食べたいメニューを考え、ビュッフェスタイルで品々を取り、食事後は調理師さん達や、栄養士さんに手作りのメダルを進呈するシーン。
・阪神淡路大震災の際に、自ら被災しながらも店の肉で炊き出しをした肉屋のおっちゃん(赤井英和)や前栄養士(秋野暢子)、老舗豆腐屋の親父さん(堀内正美)も菜奈を応援する。
<日本で育った私にとっては、給食は懐かしき思い出の数々のシーンが蘇る。好きな女の子を笑わせたら、牛乳が噴き出しちゃって、泣かせちゃって、先生に正座させられたり・・。
今作は、派手さは無いが、佳き作品だと私は思いました。>
お腹が減る映画
芦屋市の給食への取り組みが、美味く表現されていたと思う。懐かしさと空腹が押し寄せてくるので、鑑賞後のご飯には感謝の念を抱いてしまった…。美味しさの向こうに、色んな人の想いが感じられる素敵な作品だった…。
心温まる食育映画。関西圏のみ先行上映なのでネタバレ薄目で。
今年32本目(合計305本目/今月(2022年2月度)5本目)。
「大怪獣のあとしまつ」の「精神的なあとしまつ」をしてから、向かったのがテアトル梅田さん。
この映画自体は公開予定日が3/4ですが、趣旨(「あしや」は「兵庫県芦屋市」)から、関西圏では一律先行上映扱いになっています。
タイトルのまま(「きゅうしょく」→「給食」)というより、そもそも
> 特別協力:芦屋市 芦屋市教育委員会 協力:新潮社 森永乳業 芦屋市学校栄養士会
…といった状況で、本映画も芦屋市の市政80年を記念して作られたという事情もあるので、厳密な意味では「純粋たる映画」ではなく、「ある程度は」行政も絡んでいるという扱いになるのではないか…と思います。
逆にその分、描写については極めて正確であり、「あしやのきゅうしょく」、つまり「芦屋(市)の給食」について、現在のコロナ事情や、小学校(この映画で描かれるのは、ある小学校での取り組み)の当事者の「給食に関する考え方の変遷」、さらには、以前は余り考慮されることがなかった「特別な配慮を必要とする児童への配慮」(宗教、アレルギー等)といった内容まで、時間をふんだんに使って描かれていて結構好印象です。
映画のストーリー、「それ自体」は架空のお話ですが、芦屋市がこのようなことに取り組んでいたこと、それ自体はまた事実なので、事実上「準ノンフィクションものドキュメンタリー映画」という扱いなのだろうと思います。
映画の中のキーワード、「食べることは、生きること」。最近は色々食生活が乱れて1日2食にしたり、逆におかしをばりばり食べたりといった状況ですが、それでも日本での標準は「1日3食」です。そして、小学・中学での給食経験は、必ずその子の今後の人生において何らかの意味を持ちます。
このような「地味なテーマ」であるからこそ、「事実上、半分は行政主導」という部分で作られたのであろうという点は理解できるし、決して「誰にでもお勧めできるか?」というとそこは微妙ですが(テーマとしては、やはり地味なのは否定できない)、「現在、2020~2022年における学校教育」(タブレットを使った教育現場など、結構近代的に描かれています)や、私が小学・中学時代だった頃とは全然違う給食像など、「先進的な取り組み」が見られた点においては、このような「決して大ヒットはしないだろうが、ちゃんと心に響く映画」こそ真に評価されるべきだろうと思います。
なお、いくつか減点要素(関西圏で先行公開ですが、関西圏からみた「地方」の方(趣旨的に、東京の方なども含む)だと「関西方言がわかりにくいのでは…」といった点は一応ありますが、それでも「内容としてはわかる」し、「決して地味ではないとはいえない、超地味な内容を扱うことの大切さ」はあると思いますので、減点なしにしています。
※ 映画の趣旨からははずれますが、現在の日本では、給食費を支払うことができない家庭(母子家庭が多い)もあり、特に義務教育である小中では「給食費を出さないなら給食も出さない」という強行対応に出る地域も一時期いくらか検討されたとはされていますが、「いや、それとこれとは別にしないと、無関係な子供がいじめの対象にあうだろう」という論点など、関連するところもあります。ただ、そこまでは拾い切れていません。
いただきます❣️
思った以上に素晴らしい、心温まる作品で、正直、こんなにいいと思っていませんでした。
主題が、給食で子どもたちを笑顔にする、ということに絞られているからだと思います。
主題を絞ることって、大切だと改めて思いました。芦屋市の80周年記念の映画だからか、昨今流行りの、生きづらさの要素がゼロ、それだけで、もう、ほっとするし、嬉しかったです。
松田るかさんが舞台挨拶に登壇され、裏話を聞かせてくれました。とても美しくてキラキラしているのに、気さくで親しみやすい感じで、役の通りの方だな、と感動でした💕
こんなに心のこもった給食を食べられる芦屋市の子どもたちが羨ましいです♪
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