「【”大切な音は、意外と身近にあるモノだ。そして、音楽は一人より、二人で作る方が良い。” 京都を舞台にした音楽ヒューマンドラマ。】」ミュジコフィリア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”大切な音は、意外と身近にあるモノだ。そして、音楽は一人より、二人で作る方が良い。” 京都を舞台にした音楽ヒューマンドラマ。】
ー 冒頭の、京都の様々な音を捉えたショットの数々が良い。
鴨川の潺の音。
賽銭を投げ入れる音・・。
鴨川、(賀茂川の方が好きかな・・。)を渡る細やかな風の音。ー
◆感想<Caution ! 内容に触れています。>
・異母兄弟の朔(井之脇海)と、作曲の才を周囲から認められている、大成(山崎育三郎:この俳優さん、あのような役はバッチリだね!)との関係性は、良くない。
八朔は、母(神野美鈴)の音楽家としての道を断った父(石丸幹二)への想いと、継母が、義理の兄ばかり可愛がって、好きなピアノに触らせて貰えなかった事が、心に引っ掛かっている。
- では、何故朔は、大成の家で育ったのか・・。この辺りの描き方が、粗い。-
・新入生として京都の芸術大に入学した朔。”現代音楽研究会”の変な先輩に捕まってしまい・・。鴨川の河原で音の実験に参加させられる。
その後、河原に置かれたピアノで即興で曲を弾く、朔。
驚きの表情で見つめる、顧問の教師(濱田マリ)と、ピアノ科の凪(松本穂香)。
- このまま、朔の天才的なピアニストの物語になるのかと思いきや、曲作りに悩む大成が、亡き父の曲を盗作した方向に物語は進む。
オイオイ、私は朔と凪のピアノをめぐる恋物語かと思っていたのだが・・。-
・凪を演じた松本穂香さんの唄声が、素晴らしい。
こんなに綺麗な声をお持ちだったのですね・・。
この唄声をもっと、この映画で、もっと聞きたかったなあ・・。
<予想外の展開は、それなりに面白かったのではあるが、途中から軸がぶれ始めてしまったかな、と思った作品。
けれど、亡き父の想いが引き付けた朔と、大成の和解シーンからの連弾シーンや、大成と小夜、朔と凪の今後の明るいと思われる関係性を示唆するラストシーンは、良かったかな。>
<2022年1月9日 刈谷日劇にて鑑賞>
■今作と全然関係ないが、エンドロールのテロップに、”吉田山にある大学の立て看板撤去に反対する”サークル名が出て来て、笑ってしまった。相変わらず、拘っているなあ・・。