劇場公開日 2022年2月25日

「もっともっと多くの人に観てほしい」Ribbon Motokaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5もっともっと多くの人に観てほしい

2022年3月22日
iPhoneアプリから投稿

3/22、テアトル新宿で観てきました。東京でもこの1館のみで、しかも午前中1回だけの上映です。みぞれ混じりの冷たい雨の降る平日の午前ということもあってか、観客は20人足らずでした。

あまちゃん以来ののんのファンであり、本欄の好意的なレビューである程度期待していたとはいえ、この圧倒的な熱量に心から揺さぶられました。単純なストーリーで2時間ですが、まったく退屈しませんでした。親友、両親、妹、中学生時代の同級生らとの交わりが、丁寧にまたコミカルに描かれていて、感情が伝わってきます。体当たりの演技だけでもアカデミー賞ものだと思うのに、脚本や監督までもこなしてしまうとは。怖ろしい才能の誕生だと思います。

あえて言えば、美大生の娘を持つ母親が、娘の作品をゴミだと思って勝手に捨ててしまうというのは、主題にも関わる重要なシーンですが、ちょっと無理な設定だと感じました。(のん以外の配役もとてもいいと思いますが、母親役が小泉今日子だったらなあと。)

もっともっと多くの人に観てもらいたい。本当にそう思って、初めてレビューを投稿します。願わくば、世界中の人に観てもらいたい。コロナ禍に真正面からぶつかった作品を他に知らないし、コロナ禍の世界中の人に共通するテーマだし、さらに言えば、コロナ禍でなくても、表現者の思いは理解されると思います。

舞台は武蔵美でしたが、最後のクレジットに奈良美智が出てきたのは、びっくりしました。主人公の作品の制作に奈良さんが協力したのでしょうか???

Motoka