「【”アッシャー家の崩壊・・。”「バスカヴィル家の犬」を見事に換骨脱胎した、子を持つ者には後半の展開が沁みてしまった作品。テンポの良いストーリー展開にいつの間にか、引き込まれた作品でもある。】」バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”アッシャー家の崩壊・・。”「バスカヴィル家の犬」を見事に換骨脱胎した、子を持つ者には後半の展開が沁みてしまった作品。テンポの良いストーリー展開にいつの間にか、引き込まれた作品でもある。】
ー 序盤は、やや単調。だが、後半蓮壁紅(新木優子)及び蓮壁家の秘密が徐々に分かって来ると、面白さは加速度的に上がる。-
◆感想
・地震学の準教授、捨位(小泉孝太郎)が、最初は怪しいが”絶対違う!”と思いつつ、観賞。犯罪捜査コンサルタントの誉(ディーン・フジオカ)の推理もあまり切れがない。
ー だが、”このために地震学の準教授を登場させていたのか!”とラストでは、思ってしまった。-
・序盤は、紅に対する母(稲森いずみ)の態度もフツーだったよなあ・・。
・慇懃な執事、馬場の部屋に飾ってあった幼い子が書いた”お父さんの絵”を観た時に、私は少し感づいてしまったのであるよ・・。
ー けれども、違うかも・・、と思いながら鑑賞続行。因みにこの頃には、物語にドップリと浸かっている・・。-
・誉の前半の謎の行動も、後半キッチリと回収されていくストーリー展開も良い。
・そして、紅の哀しき過去と、その両親(渋川清彦&広末涼子)が漸く、我が子だと”眼”を観て信じたシーンは、母親の凄さを感じると共に、沁みてしまった・・。
ー そして、前半は描かれなかった紅に対する幼き頃からの、両親からの仕打ち。思わず、資産家である蓮壁家の家長を演じた西村まさ彦さんの顔をグー・パンチしたくなる・・。あ、死んじゃってたね・・。-
■今作の見所は、矢張り慇懃な執事、馬場を演じた椎名桔平さんの抑制した演技であろう。深い悲しみと後悔を抱えた人生は辛かっただろう。それが、あの慇懃な表情に繋がっていたのである。
<「バスカヴィル家の犬」を見事に換骨脱胎した、テンポよいストーリー展開についつい、引き込まれた作品。ラスト、紅たち家族3人の最期を、どう見るかは貴方次第である作品でもある。>