「この時代に関する朝鮮史の知識があれば楽しめるけど、普通に良い映画。」剣客 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
この時代に関する朝鮮史の知識があれば楽しめるけど、普通に良い映画。
今年55本目(合計121本目)。
案外、日本ではやっている映画館が少なく、大阪市では1館だけ。韓国映画を見たいなら「シネマート心斎橋」さんですね(関係者ではないですよ)。
この映画は最初に「史実に基づく」としますが、どうも調べると「西人の乱」(仁祖反正)という朝鮮史の自国史(ここで言うのは、韓国/北朝鮮視点での「自国史」のこと)をテーマにした実話に基づくお話であるようです(ある程度は着色しているのでしょうが、あることないこと入れたりはしていないはず)。
※ 日本から見た場合の世界史(高校世界史)では掲載されていないようです。
※ ここでは、当時は韓国/北朝鮮が同一の国であったことからこのように表記しているのであり、「朝鮮」という語に差別意図はないことは断っておきます。
それはそれで知っていればお得ですが、知らなくてもそれがわからないと理解できないような字幕はまず出ないし、物語は「不法に居座る悪い人をさっさと追い出して平和な世の中を取り戻す」「妹を取り戻す」というストレートなものなので、実話を知っていればお得なものの、必須でも何でもないと思います(固有名詞もほとんど出ない(地名除く))。
物語として非常にストレートだし、わからない部分も少ない(500年ほど前ですが、お隣の国という事情もあるので、文化もかなり似ている部分もある)し、登場人物は2人くらいしかいないので(主人公と、捕らえられる妹さんくらい。まぁ、しいていえば当時の国王くらいですが、「何でもするから国を助けてくれ」とか言うくらいしか出てこない)そんな感じですので、「誰が誰かわからなくて困らない」ということはまずもって存在しないと思います(そもそも主人公ととらえられた妹なので、様相的にも間違えるはずもない)。当時の韓国の地理を知っていればある程度有利ですが(今では存在しなかったり、名前が変わった地名も多少出る模様?)、それも必須でもありません(最終最後は、敵が居座るところに行って「剣客」らしく戦う、というだけなので、地名がどうのというのは本質論ではない)。
特に減点要素なしかなと思いましたが、下記0.2(0.1)のみ減点対象としました。ただ、大きな傷とは言えないので、5.0まで切り上げています。
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(減点0.1/ないし、減点なし) この映画自体が少し古い映画で、「韓国映画リバイバル」という企画で、シネマート系列(新宿/心斎橋)でやっている映画ですが、そのため多くの映画館でやっておらず、事前に情報を入手するのが難しいです。
また、上記にも書いたように、「西人の乱」というのも一般的な世界史で学習するような範囲でもないので、手作りプリントでも良いので何かしら「当時の背景」ということがあればよかったかな、とは思います。
(減点0.1) 最初に、ハングルでタイトルが表示され、字幕で「剣客」と表示されるだけで、字幕はもちろんでますが、エンドロールの字幕はなし。もちろん、キャストやエキストラなどだと思うのですが、それ以外にも長文も多少出てきます(多分、不正に盗撮しちゃダメよとか、「山での狩り」が出るシーンがあるので「動物は傷つけていません」とか?)。まぁ、どれも常識ラインですが、実はそこに「…といった流れがあり朝鮮は激動の時代を…」といったことがあったとしてもわかるわけもなく(誰でもハングル検定とか持っているわけでもないので)、韓国・中国映画に関しては翻訳は丁寧にしてほしいなぁ、とは思いました(誰でも読めるわけではないので…。しかも推測もできない)。
(※) 中国映画の場合、漢字圏なので、ある程度推測はつく(不正撮影すると罰則があります、とかは漢字で表記されても、まぁ意味はだいたいわかる)ものの、ハングルはそうではないので。
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