「ディープ・インパクト以来の隕石パニックの傑作 ついに爆誕!」グリーンランド 地球最後の2日間 saporiさんの映画レビュー(感想・評価)
ディープ・インパクト以来の隕石パニックの傑作 ついに爆誕!
まず一言、最高です!
ディープ・インパクトやノウイングが好きな方なら絶対嵌るはず。
隕石衝突系のsfパニック好きにはたまりません。
ストーリーは至ってシンプルですし、ご都合主義もあるでしょうが、いいんです。
そしてシンプルだからこそすごく考えさせられます。
製作者がそこまで意図していたかは置いといて、生きるか死ぬかの状況で現れる人間の本性、何気ない日常のありがたみ、そして最後は運!ということをしみじみ感じました。
1、生きるか死ぬかの状況で現れる人間の本性
ご近所家族からの「子供だけでも助けて欲しい」との懇願を断るものの、アクシデントで家族とはぐれ、今度は自らが人々に無理な懇願をする主人公、基地に我が先にと押し寄せ暴徒と化す民衆、母子を助けたかと思ったら自らの命欲しさに負けて子供を誘拐する老夫婦、どれもものすごくリアルでした。彼らを非難する気は微塵もありません。僕自身を含め、生きるか死ぬかの瀬戸際では、自分と家族が最優先、その他の人は全て二の次になるでしょう。そういうところを変な綺麗事で済ませず生々しく描いてくれたところが個人的には大変素晴らしいな、と思いました。
ただ一方で、そんな状況においても他人のための優しさをまだ持ち合わせている方々を描いてくれていた部分も素晴らしいと思います。こういう人々は実際の緊急事態においてもいると思いますし、本当に尊い存在として敬意を表したいです。
2、何気ない日常のありがたみ
僕たちは普段、面倒だな〜と思いながら仕事に日々勤しみ、なんとなく日常生活を送り、当たり前のように家族、恋人と一緒に過ごすことができています。そこに対して、ありがたいとか、幸せだとか感じられることはそんなに多くありません。それが「普通」のことだと思っています。
でも明日世界が滅びるかもしれない、となった時、初めてそれまでの日常、「普通」が、いかに幸せであったかに気がつくのではないでしょうか。今はようやく落ち着いてきましたが、コロナが世界で猛威を振るい、飲食店も娯楽施設も全て閉鎖され、地域によっては暴動も起こっていた時、僕たちは普段の日常のありがたみを初めて感じることができたように、この映画を通じて、なんの変哲もない、至って普通の生活をこうして送ることがいかに幸せなことなのか、強く再認識することができました。
3、最後は運!
主人公家族が政府からの避難命令を受け取り、途中はぐれたのに合流し、飛行機に乗ることができ、シェルターに間一髪で間に合って、3人とも助かることができました。そんなの無理だろう、ご都合主義もすぎる、そう言いたくなる気持ちもよくわかります。でも一か八かの緊急事態で生き残る人達ってそういう豪運の持ち主なんじゃないでしょうか。よく飛行機事故なんかで数百人中1-2人だけ助かることがありますが、彼らが助かった理由を調べると、そんなことあるの!?、と首を傾げてしまうぐらい「ご都合主義」な生還の仕方をしています。僕に緊急事態で生き残る豪運があるのか、定かではありませんが、少しでも生き残る確率が上がるように普段から善行を積んでおこう、と思いました。でもおそらく極秘の避難命令は来ないので、来なかったら家族と黙ってくたばりますが・・・笑
いろいろ書きましたが、隕石衝突系のsfパニック好きには最高の映画なので一度は見てみることをお勧めします。CGや音響、迫力もこれまで観てきた同じようなジャンルの映画と比較して一番だと思います。
ぜひ本作を通じて、普段の日常のありがたみと人間の生々しさ、主人公の豪運の凄さ(笑)を感じてください!
おまけ)本編途中で申し訳程度に東京の崩壊のニュースラジオを入れてくれてたけど、せめて最後のでっかい隕石で崩壊して欲しかったなあ(泣)
まあ日本のような小さな島国じゃあ、どっちにせよ300mの津波でプレートから剥がされて終わりだと思うけど・・・