「果てぬ渇望、愛しきセンセーション。」真夜中乙女戦争 、さんの映画レビュー(感想・評価)
果てぬ渇望、愛しきセンセーション。
堕落で、ピュアで、憎く愛しき世界。
説得力のある物語です。
私はこの作品以上のものに出会った事がない。
そして今後も真夜中乙女戦争を超えるものに
出会うことは出来ぬと断言出来ます。
青春の渇望、希望、狂おしき愛。
音楽、衣装、セットの断片的な部分にまで
あらゆる枢と仕掛けが組み込まれ、
兎にも角にも拘りに充ちた究極作。
割り砕いたガラスを拾いながら
それらの破片で起こす清き戦争とは。
掬われ、果て堕ち、愛に耽溺し翻弄されゆく私、
つよく儚く愛を性(さが)の如く揺蕩する先輩、
シンボリックに世界を巣食う、果敢なき黒服。
スイッチを切り替える如く激しい場面転換が
原作同様魅力ですが、それらを否応なく
自然に溶け込ませてしまうのが
永瀬廉さん、池田エライザさん、柄本佑さんの
グラデーションのように滑らかに展開される
芝居力の高さかと思います。
敢えて作中の大筋、山となる部分や
見せ場を予告で出してきていたのも
あくまでそれらが作中の場面への
誘導であると感じます。
SNSを使い分けた宣伝力も流石でした。
これは単なる学生だけに向けた物語ではない。
全ての才能が爆弾の如く投げ合われた、
狡いほどに至極の映画でした。大好きです。
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