「 映画の形をした映像」真夜中乙女戦争 はなもさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の形をした映像
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『先輩』はバーに『私』を呼び出す。そのシーンを見て、地方から大学に入学した頃の自分自身のことを思い出した。
服装がダサくてイケてない私、垢抜けて見えた東京の子たち。しかも その子のお小遣いが、私の仕送りの三分のニだと知ってたまげた。所得格差って言葉をしみじみと感じた大学生の私。
そして『黒服』にとらわれていく様子は、地方出身の同級生が、韓国に本部を置く 壺を売る教団にとらわれていったことと重なった。破壊計画は、かつてあった『大地の牙』の様な過激な赤軍派を思い起こさせた。
なんだか訳のわからない映画だったけれど、すりガラスをバックにした大写しの『先輩』と『私』の横顔は影絵の様で 主人公の永瀬は、頭の形がとても良く、横顔が美しかった。その後のシーンも、ベットに横たえてお互いが上下になり竜の落とし子の様な形を上からのショットはハッとさせられた。
そして最終 東京乙女戦争という爆破行為がなされる。東京タワーの回りは オレンジ色の炎があちこちで噴き出す。見応え有りの映像だが、壊して良いのは自分の考え方や自分自身の物だけだ。壊された元には、必ず人の営みがある。『他人の誰か』ではない。ちょっと短絡的な映画だと思った。
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たなかなかなかさんのコメント
2022年2月5日
はなもさん、コメントありがとうございます😊
この監督さん、20代から活躍しているという点では凄いと思うのですが、肝心の作品がこのレベルでは…。
この先、成長してくれることを一映画ファンとして願います。