劇場公開日 2022年1月21日

「誰か、乙女の意味を教えてください。」真夜中乙女戦争 スカポンタン・バイクさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0誰か、乙女の意味を教えてください。

2022年1月22日
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鑑賞方法:映画館

難しい

※ネタバレはできるだけしない方向でいきますが、人によってはバレる可能性があるので、映画をご覧になってから読んでいただいた方が良いかと思います。

本作のレビューを書いてたら、いきなりブラウザが落ちて一から書き直し。泣きそうです。

なので、もう。ザックリ感想をとりあえずまとめます。

...よく分からなかったです。あと、つまらん。

はい。ザックリ感想終わりです。

ちなみに原作は未読なので、その辺との比較はできないです。できれば、原作読んでる人とかは、この映画の「乙女」って何なのか、教えてください。

とりあえず良い所から。
一つ目は永瀬廉くんが出ていることです。アイドル映画として、これが良いことなのは大前提でしょう。
二つ目は映画っぽいルックです。昨日「新解釈 三国志」を観た私としては、ちゃんと映画な感じがあるだけ、あれより救いがありました。
良い所以上!もうね、一度データ飛んだから、前バージョンよりも雑ですね。そこまで思い入れを込めてレビューしたい作品でなかったというのも大きいですね。

ここからは、まだ書いてなかった所なんで、少し真剣にします。

まず、この映画の予告を観て、観たことある人だったら「あ、「ファイトクラブ」みたい」って思う人は多かったんじゃないですかね?私も、「ファイトクラブみたいなものを邦画でも観れるなら楽しみかも」みたいな感じで珍しく邦画を映画館で観るに至りました。
実際見てみると、起こること、メインキャスト3人の関係はほとんど「ファイトクラブ」でしたね。ご覧になっていない方はこの機会に是非。凄い作品です。
しかし、本作は話がよく分からないんですね。
「じゃあ、その、なんだ。ファイトクラブってのと話一緒なら分かんないとかないだろ?もしくは単に、ファイトクラブも訳わかんない映画なんじゃないの?」
と思われる方も少なからずいるかと思いますが、「ファイトクラブ」はクセの強い部分はあれど分かるように作られています。型にはまった主人公の精神問題、その原因の根底にある資本社会、それを救うきっかけとなる男ブラピ、取り戻される男性性とその過激化。と、こんな感じに書ける程度の理解はあると思っていただけると嬉しいです。

では、本作の話に戻りますが。
まず、分からないのは主人公ですね。これが最大の原因だと思っています。というのも、彼がどういう人なのか全然分からないんです。私も陰寄りな人間ですから、彼の唱える時間の価値みたいな理屈っぽい所は飲み込める部分ではあるんです。教師に納得できない事も多々あります。しかし、それと、奨学金の申請をちゃんとするとか学生をやれる範囲でのバイトを選択するとかの実生活面の人間性は話が別だと思うんです。だって、何故大学入ったんですか?彼はどうやら奨学金を自分で払うパターンですから、そんなに家庭が裕福とかではないんでしょう。大学に通うのにそれなりのお金が掛かる事は高校でも何度も話をされるわけですから、知らない事はないはずなんです。つまり、その辺の現実的な危機感が全然感じられないんです。そこに現実感を持てない人なら、別に黒服がいなくても1人でなんでもやっちゃうと思うんですよね。だって、やっぱり一線を越えられない理由って、現実のルールとかモラルとかを考えてしまうからだと思うんです。この辺を考えちゃうから、スタバ破壊シーンは楽しいんです。
そう考えていくと思えてくるのは、この映画で語られている事は、(特にファイトクラブと比べると余計に)切実さに欠けてるって事なんです。メタ的な話になりますが、要はこの映画の監督はここをそんなに切実に考えてないんじゃないかな?って思っています。
話がそれますが、この監督の前作「とんかつDJアゲ太郎」も映画館に行ってるんですが、DJを切実に描いた映画ではなかったです。まぁこの映画に関しては、別の所でイラッとしたんで、切実どうこうの問題ではないんですが。ちなみに、星をつけるなら1ですかね。イラッとさせられたんで。w

話を戻します。
次によく分からないのは、黒服でしょうか。何が分からないって、彼が資本最大の敵って所ですかね。何故って、彼って凄いお金持ちなんですよね。しかも、アプリとか作って稼いだんですよね?なんであんなに有名な感じしないの?主人公1人知らないぐらいあっても、大学にいたら注目の的、YouTubeのサロン参加者もいっぱいいる、みたいな感じはありそうじゃないですか?それって、凄い資本側じゃないですか?少なくとも、主人公のダークサイドではないし、社会で酷い目に遭った人たちがやり直すための転職先でもないと思うんですよね。まぁ、それで成功する人もいるでしょうが、それって結局資本側ですよね。だから、物語上の反体制としては、黒服はどうしても不適格な感じがしてしまいます。「ジョーカー」のジョーカーが凄い大量のお金の力でピエロ軍団を率いてたら、なんか違うと思うんですよね。

こんな感じで、まぁ型としてはよく似てるのに、どれも絶妙にピントが外れてる感じがした映画でした。
この監督の映画としては、とんかつと比べて怒りはなかったですが、とんかつ以上に圧倒的に虚無かったです。この監督作はもう、相当何かない限りは多分観ないですね。
というわけで、ここまで読んでくださりありがとうございました!(YouTubeだったら、ここでチャンネル登録を〜とか言うんですかね。)

スカポンタン・バイク