「抽象的な事を言いたくなる年頃」真夜中乙女戦争 タカシさんの映画レビュー(感想・評価)
抽象的な事を言いたくなる年頃
舞台挨拶付きを品川で観たが、私を除いてほぼ女性で、女性限定上映なのかと何度か確認した。主演の永瀬廉さんのファンの方なのかな。私は舞台上の永瀬さんだけ知らず、他は皆知っていたので、不思議な感覚がした。昨年の恋する寄生虫でも、東京爆破計画があったので、それと比較して観た。
テロを首謀するには、不十分な動機過ぎて評価しづらい。史実のテロを私は「ミュンヘン」や「KCIA」、「パラダイス・ナウ」などで観てしまっているので、ちょっと未来に不安を抱えている大学生ぐらいになびく気はない。じゃあ日本にテロが全くないのかというとある。電車で女性を切りつけたり、受験当日に門の前で切りつけたりしている。上の二つは普遍性という面で評価できないが、はっきりとイデオロギーの元に犯行している。そんなテロがある社会に生きている私には、こんな曖昧な動機の爆破を評価できない。この作品の元ネタのファイトクラブも下らない作品だと今では思ってしまう。
柄本も空しい奴だ。アプリ開発で金に困ってなく、経験の浅い大学生にチョッカイを出して、「初めての体験です。」という言葉を待つのは空しい。何より、デカいホームスクリーンを私は映画館として認めない。自分でリモコンをコントロールできるスクリーンを映画館として認めない。
私がテロに興味がありすぎんでしょうが、内ゲバもどうして起きているのかがわからない。エライザを攻撃しているわけでもない。そんなテロについて語りながら、エライザに実をいうと彼氏居るのと言われても、だからなんなんだ?としか思えない。
映像は凝っているが、そこもテロをネタにしている不誠実な作りに思えてしまう。変に爆破なんてせずに、東京タワーに電飾をつけるぐらいでも良いのでは。これに比べれば、閃光のハサウェイは素晴らしいテロ映画だった。虐殺を舐めていると思ってしまった。用賀に花の市場があり、学生の時にバイトしたなぁと思い出した。エライザの友達で内定取り消された友達とは、同性愛の関係を匂わせているが、それでも反革命分子として潰されてしまったのかな。予告でもでていた、池田エライザの「大学って遊びまくって恥かくための場所だよ」って台詞は、たまにいるやけに自覚的な方から全く同じような言葉を聞いたことがある。