「【”人生は短くて、理不尽だ・・。”邦画界で独自のポジションに立つ、二宮健監督独自のスタイリッシュで、極彩色に彩られたアナーキーで蠱惑的な世界観に魅入られた作品。】」真夜中乙女戦争 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人生は短くて、理不尽だ・・。”邦画界で独自のポジションに立つ、二宮健監督独自のスタイリッシュで、極彩色に彩られたアナーキーで蠱惑的な世界観に魅入られた作品。】
ー 御存じの通り、二宮監督は若干25歳で「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ」で、商業デビューした才能溢れる監督である。
その後「チワワちゃん」でも、前作と同路線のスタイリッシュで、極彩色に彩られ、クラブミュージックが大音量で流れる映画を制作した。
私には上記2作品は、蠱惑的ではあったが、余り響かなかった。
だが、二宮健と言う監督の名は脳内に強烈に印象付けられた。
次作「とんかつDJアゲ太郎」も観たが、更に響かなかった。(個人的意見です。)
で、今作。
期待と不安が綯交ぜになりながら劇場へ足を運んだ。-
◆感想
・二宮監督にしか出せない、スタイリッシュで、極彩色に彩られた、アナーキーで蠱惑的な世界観が大きくスケールアップしていた。
・焦燥感と、倦怠感と不安感を抱えた大学に入学した”僕”が漂わせる孤独感を永瀬廉が笑顔無き演技で魅せている。
- あの講義が終わった後に先生(渡辺真起子)に、理詰めで抗議するシーンは見事である。
”貴方の講義にN‥の三か月分の価値はありますか・・”-
・”僕”が惹かれた”先輩”を池田エライザが、前半は妖艶且つクールに、そして”僕”と親しくなっていく後半は、善性ある女性を時に不愛想に、時に無邪気に、時に妖艶に演じている。
・”僕”を危険な世界に導いた常に黒い服を着用している”幼い頃から、様々なツールを作成し、一生働かなくても生きていける”アナーキーな映画好きな男を柄本佑が、観る側を流石の演技で怪しげな世界に連れて行く。
<監督・脚本・編集を手掛けた二宮健監督の復活作である。
ラストシーンは、賛否が分かれるであろうが、私は”是”としたい。
エンドロールで流れる、ビリー・アイリッシュの、前半は美しきメロディに気怠い歌声を乗せ、後半はディストーションをかけたロック調になって行く”Happier than Ever"も作品の趣を高めている。
邦画界の中では、独自のポジションをキープする二宮健監督の復活を、素直に喜びたいと思った作品である。>
NOBUさん、共感&コメントありがとうございます。
そうなんですよね。映画の感想は、大げさに言えば観る人の人生を反映していると思うので、人によって様々なのは当たり前だと思います。また、そんな様々ある感想を知るのも、映画の楽しみ方の一つだと考えています。ですから、本作では、若い方たちの感じ方が気になりました。
NOBUさんのレビューもいつも楽しく拝読しております。作品愛と造詣の深さに敬服しております。