アメリカン・ユートピアのレビュー・感想・評価
全114件中、101~114件目を表示
至福ではないが最高でした。
トーキング・ヘッズなんか知らんけど、
デビッド・バーンも知らんけど、
アメリカン・ユートピア?
45年前に観たロッキーホラーショーように、
これは一生もんやね。
究極の「バーン様式」完成
「ストップ・メイキング・センス」の衝撃から37年。あちこちで熱いコメントが上がっているので僕からはひと言。トーキング・ヘッズを好きな人もそうでない人も、デヴィッド・バーンを好きな人もそうでない人も、今すぐに家を出て映画館で観るべき映画。全編とおしてバーン節炸裂、究極の「バーン様式」完成。これを観ずして2021年の年越しをしてはならない。できれば良い音響設備が整えられた映画館での鑑賞をお勧めする。
帰りはチャリンコで
ショーも後半、ジャネール・モネイの曲を披露する中で犠牲になった黒人の人々が映し出される演出描写、ここにスパイク・リーが関わる意味があったのかと。
デビッド・バーンの14年振りになるアルバム「AMERICANUTOPIA」を原案に"TalkingHeads"の曲を含めた様々な国籍を持つメンバーを従え、六十も後半とは思えないデビッド・バーンの素晴らしいショーを堪能出来る。
シュールでコミカルにも思える演出やダンス、合間に入るデビッド・バーンの小話など知らない曲でも飽きさせない舞台演出は映像としても映える、舞台監督の手腕かスパイク・リーの成せる技か?
社会問題を提起したショーである事は後半に連れて強くなり、さすがに「PsychoKiller」をやる雰囲気ではないか!?
TEDトーク調で始まり、祝祭的空間で宗教を感じて、最後やっぱりスパイク・リーだったのだと思う。
先入観、予備知識なしに見た。ライブそのものを、(おそらく全編)テンポよく、小気味良いカメラワークで魅せてくれる。シンプルな歌詞も字幕で確認できるので、ある意味日本の映画館で見られることの幸せを感じた。
今日的なポリティカルなメッセージあり(アメリカの田舎の方では大統領選挙の投票率が20%って、しかも平均年齢57歳って、不都合な真実だよね)、一方でデヴィット・バーンがネトフリのドラマに出てきそうな現代的新興宗教のクールな教祖に見えないこともなかった。
ともあれ、コロナ以前にこの密な空間をフィルムにできたのは本当にラッキーだったと思う。
ラストでやっとお外に出れて、NYの街に行きたくなるけど、そういえば多様性のある面々を集めたと紹介していたバンドメンバーにインド系もアジア系も一人もいなかったなあと思った。
【不完全で窮屈だけど、希望のある僕達の世界】
デイヴィッド・バーンや、トーキング・ヘッズのファンじゃなくても楽しめる圧巻のステージ。
これを映画として残そうと考えた、スパイク・リーにも拍手を送りたい。
トーキング・ヘッズが解散してから30年ぐらい経過すると思うが、まあ、インテリ感あふれる風貌を嫌う人もいるスノッブなバンドだった。
トーキング・ヘッズの音楽はずっと変化しっぱなしだったが、メンバーの方向性の違いが鮮明になり、僕の好きなヴィム・ヴェンダースの作品「夢の涯てまでも」に楽曲を提供して解散したことで、更に強烈に僕の記憶に残っている。
今回のステージは、メッセージ性が強い。
脳の神経細胞が成長するに従い減少していくのは、人間が大人になるとバカになってしまうということなのかというテーゼからスタートし、多くの楽曲を通じて、多様性の重要性や既成概念からの脱却の可能性を示唆し、余計なものを削ぎ落し、僕達は成長しているのだという方向性を、つまり、それがアメリカン・ユートピアではないかというメッセージに繋がっているように感じる。
人種や国籍、ジェンダーが異なる世界中から集まった多様なメンバー(多様性)。
そして、固定されず、ひとところに止まることのない楽器をもったままで歌い動くメンバー(既成概念からの脱却)。
目指すものはアメリカン・ユートピア。
僕達の住むこの世界は、実は、不完全で窮屈だけど希望のある世界なのだ。
それが、タイトルロゴの逆さになっているUTOPIAの文字に示されているのではないのか。
だから、これをひっくり返したら良いのではないのか。
選挙、投票率の話が出てくるが、アメリカでは、昨年の大統領選の後も、有色人種有権者(特に黒人有権者)の選挙登録をしにくくする試みが共和党の右派から行われている。
それが、最後のメッセージにもなっている......が、
それにしても、やっぱり、なんといっても、音楽とステージが素晴らしいのだ。
いつまでも若いし、成熟している。
デイヴィッド・バーンはトーキング・ヘッズやソロのアルバムを何枚か聴いた程度で、それほど強く好きだったわけでもないのだけれど、本当にセンスのある人だと思う。この映画はデイヴィッド・バーンによるブロードウェイのショーを、スパイク・リーが監督を務め映画化したものだが、69歳のデイヴィッド・バーンはすっかり白髪になっているけれど、声も若々しいし、舞台のパフォーマンスが活き活きとしている。コードやケーブルを舞台上から排除し、ワイヤレスの状態で、様々な国籍を持つ11人のミュージシャンやダンサーとともに、バーンは舞台上を縦横無尽に動き回り、様々な詩的な言葉を歌に盛り込んでいる。この言葉の一つ一つにセンスと熱量があり、同時に、彼の音楽同様、微妙な外し方の技法に満ちている。セットや衣装は地味なのに、11人のミュージシャンは縦横無尽な動き方に終始圧倒される。最後にかかったTalking Heads時代の名曲、”Road to Nowhere”は観客に混じっての演奏だったし、素晴らしかった。80年代に聴いていた頃の音楽とはまた違った、「成熟」を感じさせるものがある。じっと座って映画を観ていられる状態ではなく、体が自然とリズムをとってしまう映画。ジャネール・モネイのプロテストソング「Hell You Talmbout」でBLMを訴えたのも、厭味のない演出でよかったと思う。老若男女を問わず、是非多くの方に映画館で観てもらたいなと思った。
映画としては期待してなかったけど、最高の映画だった!
舞台的なコンサートを撮影した、よくある何かを映画というフォーマットにしたもの。だから、それほど期待せず、スパイク・リーだしデビッド・バーンだから見ておくか、という半端な気持ちで観賞。
出だしの音響に、少し期待が─。シンプルな美術・衣装、シンプルなマテリアル、シンプルな照明─、それらが自由自在に絡み合い、単純ならざる見事な演出に昇華。
これまで見たコンサート映画で自分史上最も感動した作品でした。
音楽的にも派手ではないし、決して斬新でも新しくもない。昔の音楽満載の半ば回顧的な様相も─。しかし、歌の構成、動きの構成、光の演出等々、様々な要素が緻密に計算しつくされていて(←勝手な妄想)一見シンプルで自由な舞台が、終わってみると、まさにユートピアという名の小宇宙と化していた。
トーキングヘッズをよく知っていればしびれるだろうなーという浅はかな思い、終いにはこれは普遍的なメッセージだと思うまでに─。
映像も素晴らしくて、会場全体の臨場感とともに、舞台上を(はたまたその裏側までも)詳細に切り取ってくれて、これは会場にいる以上の楽しみを味わえているのではと本気で思ったほど。
音響も終始素晴らしかったし、このレベルだから録音疑惑が生まれるのだろうという納得感。
これから音源を探ろう。恐らくBlu-rayは買っちゃいます。
デビッド・バーン好きなら満点になる
デビッド・バーンといえばトーキング・ヘッズだが、実はあまり聴いてきたバンドではない。ポップなのだが若干アーティスティックか感じがして馴染めなかったのだ。評論家や通が好む音楽という印象。
それでもこの映画を観ようと思ったのは予告編がよかったから。実際にブロードウェイで上演していた作品を映画にしたものなのにミュージカルというよりデビッド・バーンのライブに近い。でも普通のライブとはかなり異なる。
バンド?のメンバーは立ち位置が決まっていないし、マーチングバンドのようにフォーメーションを変えながら踊ったりするし、演奏する楽器はコードに繋がれていないし、ストーリーがあるわけではないのに流れがあったりするし。
デビッド・バーンの飄々とした感じで語るMCもジョークを交えながらきっちりメッセージを含んだものだったりする。そりゃスパイク・リーが監督するわな。
で、演奏する曲もトーキング・ヘッズ好きでない自分でも知ってる曲がちらほら。聴いたことあるなーと思い、後で調べたらBPA(ファットボーイスリムのノーマン・クックが作ったバンド)の曲だったりして。デビッド・バーンのボーカルもとてもよかった。こりゃトーキング・ヘッズやデビッド・バーン好きなら満点をつける映画だ。
一生に一度の体験!
《つながり》UTOPIA starts with U ( = YOU) 一生に一度の体験!多幸感に満ちた祝祭。様々な問題に言及していく。ただ、憂いて終わるわけではなく、当事者意識を持って変革を望めば、そして何より行動《 = 選挙に行く》すれば世界を変えられるという力強いメッセージ。警鐘と言うよりは自らと約束する宣誓書のように響く。希望を歌う。
Everybody's Coming To My House みんなが僕の家にやって来る。それをあまり心地よく思っていないニュアンスを含んだ、皮肉っぽいものから、もっと純粋な気持ちで来る者拒まず、全て受け入れていく精神・心境の変化へと至る過程。多国籍な裸足の12人の素晴らしいミュージシャン。彼らの一糸乱れぬ素晴らしいパフォーマンスが折りなし奏でる素晴らしい楽曲たち。最初はデヴィッド・バーンしか分からない顔も徐々に一人ひとりハッキリと見えてくるミュージシャンシップ。何かとつながりが希薄になりつつある現代において、コロナ下の今、結果的により刺さるテーマ。僕たちはまだあてどない旅の途中。
デヴィッド・バーン × スパイク・リー = 同じ時代を生きてきた2人の才能。音楽ドキュメンタリー映画史に燦然と輝くジョナサン・デミ監督『ストップ・メイキング・センス』の衝撃から30年超、再びデヴィッド・バーンがやってくれる!見せてくれる。素晴らしい才能の溶け合いとその瞬間を捉える撮影。これは素直に気持ちいいし、見ていて無条件に上がる。フィジカルな体験・興奮、洗練された熱量。本当に必要なものしかないパーティー!これをブロードウェイで実際に見られた人が羨ましい。
映画館の席に座っているだけではもったいない
デビット・バーンは余り知らない。
ふかわりょう なら知ってる。
だけども、69歳。すごい。
7人のパーカッショニストがパートを分担して、ぴったり合わせる。
照明の効果。
パフォーマンスとして、とても楽しめた。
シンプルな舞台装置に、皆同じグレーのスーツなのに、個性的。
それに裸足。
靴下じゃ滑るからだろうけども、裸足の感覚はリズム隊にはかなり重要。
タップダンスができない分、パーカッションを増やして、臨場感を出したと思う。
皆さん、そんなに若くないし、重い楽器を背負ってだし、すごいよ。
身体を揺らしながら見たい人用に、映画館の前の席は取っ払って、アリーナのスタンディングみたいにして、爆音での応援上映にしたらいいんじゃないかな。席に座って、おとなしくマスクしてじゃ、もったいない。
そして、なんか、じわっときた。
Hell You Talmbout
ジャネール・モネイ(去年見た黒人解放の映画、ハリエットの旅籠屋の女主人役)の曲なんですね。
ここにユートピアが在った
これは驚愕のモニュメント。
まさに至福だった。
デイヴィッド・バーンの2019年秋にスタートしたというブロードウェイのショーをスパイク・リーが映画としてパッケージングした。
しかしこの完成度はいったい。
トーキング・ヘッズ時代の代表曲を織り込んだ構成はパーフェクト。そしてデイヴィッドを含む総勢12名のミュージシャンやダンサーたちがステージ上を動き回る姿は圧巻だ。計算され尽くしたフォーメーションの変化はホント凄いと思う。
もちろん音楽ありき。演奏のクオリティーが尋常でなかった。デイヴィッドのヴォーカルも衰えを知らない。緻密な振付があってのこのクオリティーは驚くばかり。
相当アドレナリンが出てたんだろうなぁ。
中盤の”Once in A Lifetime”で早くもイってしまう失態。ライブで一番聴きたい曲なので仕方なしか。
”Blind”から”Burning Down the House”になだれ込む怒涛のクライマックスで2回目の昇天。
椅子から立ち上がれないのはホント酷だった。
”Road to Nowhere”で一緒に歩きたかった。
これはデイヴィッド・バーンの集大成。音楽だけでなく、彼の思想、自虐的なインテリジェンスをもしっかり刻んだ。
反戦、反差別主義を貫いてきたデイヴィッド。この40年で理想の社会から更に遠のいたとさえ思えるアメリカだが、諦めることを知らない男だ。今作でも沈黙する有権者たちに、社会にしっかりコミットした。
やっぱカッコいいよ。
裸足の季節
デヴィッド・バーンはすっかり白髪になってしまったが、ステージの印象は36年前の「ストップ・メイキング・センス」とよく似ていて、だんだんメンバーが増えていくところとか、衣装がモノトーンなところとか。グレーの衣装に統一しているのは、舞台照明の効果を企図したにしても地味になりがちなので、時々は挿し色的に(カーテンの出入りで早着替えしたりして)原色を入れてもいいのになと思った。
ミュージシャンは打楽器奏者が多くて、相変わらずアフロビートの強烈なリズムに圧倒される。少し前からブライアン・イーノとのタッグが復活したらしいし。近作で“Born under punches”とそっくりな曲もあった。途中感極まってちょっと泣きそうにもなった。ショーはラストの“Road to nowhere”で最高潮を迎える。
デヴィッド・バーンはつくづく才人だと感心した。
ちなみに評価は映画というよりはステージ上のパフォーマンスに対するもの。映画としては「トゥルー・ストーリー」の方が面白い。
観てて疲れる
デビッド・バーンが様々な国籍を持つ11人のミュージシャンやダンサーとともに舞台で披露したものを映画化した作品。
現代の様々な問題について20曲以上の歌に込めてシンプルな衣装と裸足、ワイヤレスのマイクと楽器にて訴えていた。
人種差別を無くそうとか、自分の家に他人を呼ぶこととアメリカの移民に掛けて考えさせるとか、言いたいことはわかるが、面白いかと言えばそうでもなく、華やかさも無く疲れた。
デビッド・バーンが60代後半なのに元気だなと感心した。
全114件中、101~114件目を表示