鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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レビューの評判を見て観に行ったものの。。。
自他共に認める水木しげるファンです。
アニメは第4期からはほとんど観ていません。
但し深夜に放送していた「墓場鬼太郎」は原作の世界観を忠実に再現していて大好きでした。
本映画については、当初は劇場で鑑賞するつもりは全くありませんでしたが、
絶賛されている方が多かったので、それなら観てみようと思い出かけました。
結論から言うと、テレビで観ればいいかなという出来でした。
決してつまらないわけではないのですが、面白くもないのです。
ダークでグロイという評価もありましたが、そこまで振り切れていない。
第2期アニメの「足跡の怪」の表現の方が余程グロイです。
線や色彩が綺麗すぎるのも一因だと思います。
ストーリーは既視感はあったものの、抵抗なく受け入れられましたが、
ひとつ疑問が。
鬼太郎の母はどんな理由であの村に行ったのでしょう。
そして、血を採ることが目的なので、手も足も切り落とすと言いながら、
捕まっている幽霊族には手も足もある。
時々、モヤモヤする場面がありました。
決定的だったのは、本編ラストからエンドクレジットを経てのラストです。
本編は、墓場鬼太郎ゼロの位置付けだと思いますが、
墓場鬼太郎原作への繋げ方が甘すぎます。
本編ラストで記憶を失った水木がどうして鬼太郎父母と再び結びついたのか。
バディを組む間柄だったのなら、
記憶を失った水木が来た時点で
鬼太郎父からそれを思い出させるアクションがあったのではないか。
原作冒頭に繋げることを考えすぎて、逆に話が破綻してしまったのが残念でした。
最後に。
鬼太郎と猫娘は無理矢理登場させなくてもよかったのになと思いました。
山田もどきもいらないです。
評価が難しい…
ゲゲゲの鬼太郎は名前くらい知ってる作品ですが
しっかり観たことはなく、評価が高いということで視聴。
うーん、確かに鬼太郎ファンからすると良い作品であるというのもわかるし、映画単体で観ても救いようのないストーリーだが心打たれるものがあった。
だが、最近では朝に放送していた作品だけあって子供が見る内容として考えるとやりすぎではないかと思う。
小さい子が観るのであれば正直最期の展開は救いがあってほしかった。
単体で観れば星4で、作品背景を考えるのであれば星3.5が妥当かなぁ
ホラーなのに涙が出るほど感動
ゲゲゲの鬼太郎…なんて子供向けかな?と思い付き添いで見に行ったらPG12となってるしコレは完全に大人向けです。
水木は水木しげる本人を描いているのか?
自身の戦争体験、時代背景も昭和31年?電車内でもタバコを吸っていたり今ではあり得ない時代背景の描写が良いです。
目玉親父…鬼太郎の父ことゲゲ郎がとにかくカッコ良いです。冷静で不気味な佇まいなのに戦闘シーンがカッコいい。
お風呂のシーンなんて目玉の親父になる前からお風呂好きだったのね。
関さんの話し方が渋くセクシーで魅力的なキャラにハマってしまいました。
水木とゲゲ郎2人が村の秘密を暴こうとアニメなのにサスペンス映画です。
人間の醜い欲望を妖怪の力を利用していている。
妖怪よりも人間のほうが狂っている事が恐怖です。
ゲゲ郎の気持ちになればなるほど感動して涙がでてしまいました。
この映画はただのアニメでは無く色々考えさせられる映画で是非見てほしいです。
墓場鬼太郎の謎解き
昔、フジテレビでやってた墓場鬼太郎が大好きだったので年甲斐もなく観てきました。
ストーリーは往年の古谷一行の金田一耕助シリーズを彷彿とさせるものでなかなか好み…だけどトレースするばかりで意外性がない、これは残念。
謎解きもよくある仕掛けで、あんまり捻りがない。すごく素直。でももしかしたら実写でやったら分かりやすくて結構良いのかも?と思ってみたり。
色んな水木作品と昭和の名作、最近流行りの超能力バトルもののパッチワークで一本映画を作るのは凄いなと思いました。
個人的には墓場鬼太郎で凄く人柄の良かった鬼太郎の両親が再び動く姿で見られて、これはこれで満足です。
鬼太郎誕生!大人向けかなと、、、。
野沢雅子さんが鬼太郎>目玉おやじですもんね。
これは、最終版なのかな。
全体的に飽きることなく、最後まで観れました。
少し残念なのは、鬼太郎が生まれるところ、目玉おやじの登場もあったけど、ちょっと端折ってしまったので、そこも丁寧にしてくれてもよかったかな。
小さなお子さん多かったけど、ちょっと刺激的だったかも。。。
いいと思う
第6期の鬼太郎はアニメでも一回も観たことなかったのだけど、今回観れて良かった。良いところでいうと、丁寧にまじめに作ってるなーという、感じ。残念なところは、初期の鬼太郎にあった、いい加減さというか、のんびりさというか、独特のユーモアみたいなものが無いなー、と思った。
<良かったところ>
・かなり強引ではあったが、原作のエピソードにつながる話になっていた。
・作画がとてもきれい
・原作や水木しげるへのリスペクトが感じられた
・最初の方の犬神家っぽい感じが良かった。面白くなりそーな雰囲気ばしばし
<若干、あれ?と思ったところ>
・これ子供向けかな? 子どもにとって前半はそうとうきついと思う。
・逆に終盤の展開は雑すぎ。前半は何だったんや…、って感じでちぐはぐ。
・水木しげる自身の戦争体験を描いた漫画も融合してる点は良かったんだけど、水木しげるだったらこういう話は作らなかっただろうな、ということも思った。戦争ものにありがちなんだけど、今の倫理観や常識で戦争中の価値観を批判している、という安易さが感じられた。
・鬼太郎のお父さんをヒーローにするなら、もっとヒーローっぽい活躍をさせてほしかった。終盤は狂骨が強すぎて活躍する余地がなくなってる。
・ちゃんちゃんこができる経緯が雑すぎる。なんで自動的にちゃんちゃんこの形になる? 普通に幽霊族に代々伝わっているもので、霊毛で編んだものってことで良かったと思う。
エグすぎる
評判良さそうだったので、見てきたらとんでもないものをお出しされました。人間の恐ろしさがすごく良くかけてました。ですがこの作品の真の恐ろしさは穢れにあると思うのです。あまりにおぞましい行為は容易く人を妖怪以上に見にくく変貌させる。今回の加害者は間違いなく哀れで痛ましい体験をしていました。もし殺していなければ誰もに同情されるかわいなキャラクターでした。思うにかのキャラクターは一族の禊をさせられていたと考えてます。彼女に罪はなかったけれど積み上げられた業はもはや悪人が裁かれるだけでは収まらない。役目を放棄した結果呪いが溢れて村は壊滅しました。それでも収まらないからゲゲゲ郎が人柱になってそれでも収まらない怨念はさらなる禊を求めました。あの村でもっと罪のない多分もっとも無垢なものが責め苦を最後まで受けることで70年かかってようやく終わったのです。あまりに深い罪深い業は悪人への因果応報だけでは終わらない、誰かが禊がなくてはならない。そんなお話
ファンはクスリとする
水木しげる作品はだいたい読んでいますが、原作の「輸血した患者が幽霊になる問題について調査するよう会社命令を受けた血液銀行勤務の水木はミイラ男とお岩さんのような幽霊夫婦が貧乏ゆえ血を売って生計を立てている事実を知る、その後夫婦は餓死して哀れに思った水木が土葬をすると土の中から鬼太郎が生まれる、子のためにミイラ男の遺体から目玉が落ちて目玉おやじになる」
今の時代餓死や血液銀行なんて分からない人が多い点について映画では上手い具合に改作されています。
映画を見る前は正直、鬼太郎の父親をイケメンにしすぎだろ。猫娘と同じく若いファンに媚びるのかと敬遠していましたが、レビューを見てみると大人向けとのことで試しに見てみると原作の夫婦(死ぬ寸前)が見るに堪えないブサイクだった理由付も出来ていますし、素直に楽しめました。
妖怪について教えてくれた水木のおばあちゃんの話題(のんのんばあ)、水木の兵隊時代の回想で水木の横でいつも酷い目にあうメガネのトロい男(総員玉砕せよの水木しげる本人)などカメオ?出演のように別作品を知っていたらクスリとするような要素も盛り込まれていて、この映画を面白いと思ったらぜひ別作品も見てほしいです。
ただ、今テレビで鬼太郎を見ている小学生位の子が見てもほぼ意味不明だと思うし、近親○姦や血液牧場のような描写もあるので、PG12でほんとにいいの?って引っ掛かりはしました。
ラスト号泣でした
アカン。子供とか赤ちゃんとか本当アカン。
こんなの泣かずにいられなかった。
鬼太郎父さんの過去がほとんどなかった中で、水木の過去(おおよそ戦争体験)があちこちに散りばめられているのは、水木先生の戦争体験本をいくつも読んでいる身としては納得感強目でした。水木しげるってこうだよな…って。
今度は鬼太郎父の物語があるといいな。
人間の残忍さはおぞましさ、裏切りや恨みで随分こんがらがってしまったなかで、鬼太郎父さんのしなやかさがなんともいえず「品」の良さをまとい素敵な父さんなのねと鬼太郎羨ましかった。笑
妖怪や恨(ハン)について無知な自分では理解できない部分があったのですが、公開数日でパンフレット完売してて意味不明点がポツポツあるのが悔しい。
パンフレット再販しないかなぁ。涙
鬼太郎父さんの戦うシーンがカッコよかったので
久々に映画リピートしたいと思います。
満席続いているのでしばらく待ちかな。汗
ゲゲゲの横溝正史?
水木しげる生誕100周年記念作品。
通常スクリーンで鑑賞。
原作マンガは未読、
テレビシリーズ第6期はつまみ食い程度に視聴済み。
閉鎖的なムラ社会。古い因習。名家に秘められた謎。人の情念。奇怪な連続殺人。これほどまでに横溝正史テイスト全開とは思っていなくて、最高の鑑賞時間を過ごしました。
ゲゲ郎さんと水木氏のバディ物の側面も面白かったです。次第に絆を深め、クライマックスには共通の目的のために一緒に駆けていく。「俺の相棒はしぶといぞ」的なゲゲ郎さんのセリフには水木氏への強い信頼が感じられ、胸が熱くなりました。
妖怪とのバトルも迫力があり、ゲゲ郎さんがカッコいい。ラスボスのエゲツなさも素晴らしかったです。鬼太郎お馴染みのアイテムのオリジンに驚き。見事なエピソード0でした。
※修正(2024/06/24)
妖怪よりも人間のほうが怖い作品
戦争帰りの水木が
血液製剤の秘密を得るために
懇意にしている社長を跡継ぎにしようとして
龍賀一族の醜い跡継ぎ争いに参加をした
そして、龍賀一族が次々惨殺される
殺され方がグロいというよりも
わざとグロく演出している感じがする
目玉がつぶれたりする
妻を探している鬼太郎の父と出会い
村の秘密を暴こうとする
アクションヒーロー的な作品ではなく
全体的にサスペンスっぽいが
妖怪が怖いというよりも
村の人間が狂っているように感じることが恐怖
人間の醜い欲望とか村での因習などで
妖怪を利用していて
妖怪よりも人間のほうが狂っているように感じる
時貞が自分の子供たちは頼りないので
国家のために妖怪の力をつかって
孫の体を乗っ取ったのとか
近親相姦をしていたとか
グロい描写以外でも全体的に子供向けじゃないので
全体的に大人向けの作品に見える
結局、因果応報なのか
村の住人は全員亡くなって村は壊滅してしまう感じだった
ねずみ男はコミカルで作風が
作品が違う感じに見える
「大儀」や「国家」を掲げる
お偉いさんは嘘くさいと水木は
戦争で思い知らされたことは
原作者の水木しげる先生の体験が影響しているのかなと思った
ノイズの少ない良質な、胸のすききらない作品
「胸のすく思い」という言葉は使ってきたが、「胸のすききらない思い」は人生で初めて使った気がする。
原作はおろか過去のアニメ作品も子供の頃見たような気がする程度。登場キャラクターをふんわり知っているのだから人生のどこかで触れたことがあるだろう、くらいの知識の乏しさ。
鑑賞のきっかけは、因習村だという感想を見かけたため。
きちんとした因習村は不気味な題材としてとても好きだが、雑な因習村はコントだと思っている。
作品冒頭。新聞社のデスクが並ぶシーンで、部屋が白んでいた。
この描写に、現代にそれっぽいものを描く昭和レトロ物語ではなく、昭和の物語なんだ、とハッとした。
昭和という時代は、男女共に煙草をどこでも吸うのが当たり前で、人が集まる部屋は煙で白む。
私たちが生きていてほぼ見ることの無いこのような光景は、しかし空想のファンタジーでは無い。描写に正解はある。
こういった丁寧な描写は、作品に没入するにあたって作品の外側を思い出すようなノイズが、この作品に無かったことの証のように感じる。
物語舞台は、因習村だった。
因習村作品に求められているもの、外的要素はもちろん、作品から受ける印象、陰鬱であったり不気味さや胸糞の悪さ等、そういった要素がきっちり盛り込まれていた。
こういったものは、ホラーのような耐性が有る無しで分類されると思う。
そういった意味では、子供向けでは無いと思う。そもそもPGもあるが、「人間の醜さ」みたいなものを含んだ作品を子供に積極的に見せたい人は少ないだろう。
そういった要素に抵抗の無い人であれば、そういった作品に求めているものがちゃんと入っている作品だった。
ホラーと同じでそういった物に特化した人はもっとおどろおどろしいものを求めてしまうのかもしれないが、この作品はちゃんとそれはただの舞台装置であり作品が描きたいメインテーマではない、というところもしっかりしていた。
物語としては意図的に特定の登場人物1人に感情移入して見て欲しい、という作りはしていなかったように思う。
たまたま誰かと感性が近くてそのキャラクターに移入してしまう、というパターンはあるかもしれないが、それほど移入はしないんじゃないか。と思ったが、エンディングで涙している人の気配を劇場内に感じて驚いた。
あるいは、登場人物に前持った思い入れがあり、自分の中で積極的に移入する対象があるのかもしれない。事前に登場人物を自分の中にインストールしていたら、物語はひどく重く心にくるだろう。
まず終わり方としては、特定の登場人物に感情移入を積極的に行っていなくても、まるで晴れない気持ちにさせられる。BADエンドでは決してないが、ハッピーエンドと評することは絶対に無いだろう。
そういった終わり方もまた1つと楽しめる人は、オススメ出来る作品だと思った。
”救われて欲しかった”
ストーリーは全体として後味の悪いものだった。だが、それが良かった。
「龍賀紗夜が時貞のお気に入りであったことがわかった時」「時貞が時弥の魂を追い出し、体を乗っ取るシーン」では特に悲しくなった。
龍賀一族の中で、好感の持てた龍賀紗夜と長田時弥には救われてほしいと願った。しかし、結局報われなかった。
龍賀の業「M」の製造の背景には、日本の敗戦がある。
自国の敗戦について、もっと知らなくてはならないと思った。
邪悪で楽しめたが、ヒロインの結末は雑に感じた!!
鬼太郎のご両親の悲壮感溢れる戦いと、龍賀爺のこの上ない邪悪さを楽しめました。種崎敦美さんのお淑やかな演技が上手く、沙代さんから恋愛関係なくこの人だけは守らなければと思わせるものを感じましたが、退場の仕方が雑すぎて何かガッカリしました。何でもかんでも狂骨にして安く感じました。例えば、「私は水木さんと幸せになるのよ!」と爺に特攻するか、隠れて最後一緒に脱出できたが龍賀は呪いで村から出れない為、水木が気が付いたら居なかった、等で良かったのではと思います。水木は観客視点のキャラだと思いますが、口数が多くあまり魅力を感じませんでしたが、真夏にスーツ・ネクタイ姿を貫き、また物理攻撃が強くて少し笑えました。サバイバルホラーで大人の男性は子供を庇護する役割があると思いますが、沙代さんの事は特に何とも思っていないように感じて物足りないです。水木しげるさんの着想を上手く膨らませたストーリーにしていますが、龍賀兄妹の中には有名声優なのにモブキャラに感じる人物も多く、またゲゲ郎と目玉の親父はキャストが違う事もありキャラの断絶というか別人に感じる為、練り直す余地があると思います。また、個人的には「傷物語」の時のシャフトの絵柄と演出で本作を観てみたいと妄想しました。結論としては、「М」の謎を解き、ゲゲ郎の奥さんを探し、沙代さんを東京に連れて帰る、の3つのミッションをどう達成するのかを考えながら観ていた時は、小説みたいで楽しかったです。沙代さんのようなきれいな言葉遣いでお淑やかな女性は絶滅危惧種だと思います。前半、皆口裕子さんの声がエロかったです。
6期の鬼太郎の誕生秘話?
映画を見終わった感想はこれでした。
ゴジラ、翔んで埼玉、鬼太郎のうちどれを見ようかと悩んだ末に選んだのが鬼太郎です。
翔んで埼玉はそのうちテレビでもやるかもしれないけど、皆さんのレビューを見る感じだとこの作品がテレビ放映されることはもしかしたらないかもしれないと思いまして。
ゴジラも評判は良さそうでしたが、考えてみたら元々あまり興味ありませんでした。
6期鬼太郎の怖いパターンの話のような進み方でした。
もういい大人なので、これを見ておしっこをちびるようなことはないくらい、の怖さと言ったところでしょうか。
ただ他の方も言っているように、子供に見せるにはいささかショッキングなシーンもあります。
怖がりの人が見るなら覚悟はした方がよろしいかと。
鬼太郎のパパは家族思いのイケメンでしたよ。
ただ、6期鬼太郎のオープニングに繋がるパパの最後のシーンはちょっと無理やり感を感じました。
あくまでこれは6期鬼太郎の前日譚、だというならアリかと思います。
エンディングテーマがBUCK-TICKのRONDOだったら泣いてたかも。
妖怪よりも人間の方が怖い
最近のテレビアニメの鬼太郎は『悪の妖怪を倒す正義のヒーロー』になってしまった。
まぁ、その設定自体を否定するつもりはないが、往年のファンのなかには受け入れられなかった人もいたと思う。
今回の作品は登場人物の殆どが金の亡者で『触らぬ神(妖怪)に祟り無し』という禁忌を侵して妖怪を利用し、制御出来なくなって悲惨な末路を辿る。
本来の水木先生のコンセプトを踏襲したシナリオだったと思う。
そうした意味ではこの作品を作ってくれたスタッフの鬼太郎愛を感じるな。
安直なヒーローものを期待して観に行くと「なんじゃこりゃ」になるかもしれないが、
本来の鬼太郎はこんな話が多かった。
戦争で地獄の体験をした水木先生は妖怪よりも人間の方が怖いってことを知っていたんだと思う。
期待して見たらつまらなかったです
鬼太郎のテレビシリーズが好きなのでとても楽しみにしていたのですが、モチーフばかり重くてストーリーは子供向けというか子供騙しの内容でがっかりしました。
また、後の目玉おやじ(ゲゲ郎)がアニメの博識でお人よしな目玉おやじのイメージと結びつかず、私は何を見せられてるんだ?という気持ちにもなりました。墓場鬼太郎のようにアニメシリーズと全く別物として楽しめる内容ならそれもいいのですが、ノリはニチアサなので混乱します。
女の子の設定にしても正直ストーリーに必須とは思えず、無駄に可哀想なことになっていましたし
女性ファンをつけるために男性キャラ2人を仲良くさせるためのダシにされているようで気の毒でした。
創造
鬼太郎シリーズはテレビでやってたものを見ていた程度ですが、今作はPG12指定になってエグさ全開になってると効いたので、これは観に行かなきゃなと思い鑑賞。特典はビジュアルカードでした。
最初は和製ミステリー、中盤からはホラーとグロテスクの応酬、最終的には悪しき文化への絶望と微かな未来への希望が描かれており、今までの鬼太郎とは一線を画す作品に仕上がっており、年齢を重ねた今だからこそぶっ刺さるものになっていました。
裕福な暮らしを求めるため、付き合いのある社長が領主になるかもという情報頼りに哭倉村へとやってきた水木、そこで事件に巻き込まれるが、それには村の文化が関係していて…といった感じのあらすじです。
村で次期領主が殺されたタイミングでやってきた謎の男、名前を名乗らないのでゲゲ郎と呼んでおり、のちの目玉おやじという事が観てる側には分かっていますが、作中の人々はそんなことは知らないのであまり良くない目で見ているのが印象的でした。
最初は互いを信用していない、それどころか互いに人間を信用していなかったゲゲ郎と水木、そんな2人が酒を飲み、タバコを吸い、腹の内を割って話していく内に相棒になっていく過程も推理ものでたる真相に近づく感じがあってとても好みでした。
途中挟まれるアクションシーンが素晴らしくて、ゲゲ郎の身体能力の高さにも目を見張るものがありましたが、一騎当千の如く次々とやってくる敵でさえ全て薙ぎ払い、その場にあるものを全て武器に変えていくスタイルがカッコよかったです。アクションシーンが特別多くない作品だからこそ、このシーンの作画の滑らかさは際立っていました。
展開が一つ進むごとに一族の誰かが殺されるのですが、殺し方が中々にエグくて、PG12指定でもギリギリなんじゃないかってくらいのレベルでした。
時麿は時貞が沙代に体を求めていた事と同じような事をしようとして、妖怪に目玉を貫かれて死にましたし、丙江は時貞と沙代の事を報告しようとしたら、妖怪に連れ去られ、そのまま尖った気に体ごとグサリ、ここでも烏に目玉が食いとられるという刺激的なシーンがありました。
康子は書物をあさっていた沙代を脅したら、首ごと掻っ切られ、そのまま祀られるような状態で死んでいたりと見る人によっては気持ち悪くなるんじゃないかむてレベルにはエグかったです。
図らずしも、鬼太郎や水木たちが助かるはずのシーンでもその惨さは続いていき、部下たちは焼かれ切られのやられ放題、抗った幻治も体を切り刻まれ、乙米は目からパイプで体ごと貫かれ、そのパイプの先端から目玉だけ飛び出て大量出血…もうここら辺は唖然としながら見ていました。
村で時貞がやりたい放題だった事が終盤明かされ、沙代との間に遺伝子を残すために近親相姦をはたらいていたり、時弥の体に魂ごと乗り移って、時弥は地獄の底へ…。妖怪たちの血を「M」という薬品に改良しビジネスとして動かしている裏で、妖怪たちは干からびて息絶えているといった残虐な状態で、それを高らかに笑う時貞はほんまもんの悪でした。
金こそが正義、権力こそが正義と謳う時貞に向かって、お前の人生はつまらないとはっきり言い切って時貞を永遠の痛みに封じ込める事に成功した水木と下下郎の表情は少しだけ明るくなっていました。
少し残念だったのが、最終的に妖怪が巨大化しての決戦になってしまったところです。盛り上がってはいましたし、見応えも十分あったのですが、安易に巨大化しちゃったかーと思ってしまいました。
現世への扉を開いてしまったが最後、閉じ込められていた妖怪たちが村へと飛び出していき、村人を焼き尽くし、考三は克典の乗る車に轢かれ、克典はそのままクラッシュして血まみれに…。外から来たゲゲ郎たちは無事で、悪しき習慣を黙っていた村の人間は1人残らず死ぬという容赦のない描き方でした。
大人子供女男なんて関係なく殺していくので、現代では珍しい平等に殺していくというスタイルは痺れました。
ラストシーン、生まれてきた鬼太郎を抱きしめる水木。怨念を全て受け入れて目玉おやじの姿になったゲゲ郎、彼らが生きる未来を"見てみたくなった"という締め方が姿や感情も相まってジーンとくる終わり方になっていました。
声優陣は全員本職、だからこその喜怒哀楽にダークな世界観が完璧に表現されており、1シーン1シーン毎に感情が突き動かされていました。
ミステリーとホラーの完璧な融合、戦争や人間の愚かさを余す事なく描き、妖怪という存在の脅威をこれでもかと示した傑作でした。
偶然にも戦後の日本が舞台だった「ゴジラ-1.0」と同じく残された者の物語というのもまた良くて、この時代をメインに据えた映画が今後増えていくんだろうなと思いました。当時の事を知らない自分が、こうして作品を通して見識を深められる事が喜ばしい限りです。
鑑賞日 11/21
鑑賞時間 12:00〜13:55
座席 A-1
とてもよかった
横溝正史みたいな雰囲気で鬼太郎ってこんなだっけ? あまりに評判がいいから見た。鬼太郎にはアニメも漫画もあまり親しんでこなかったのだけど、水木しげるさんの戦争体験の自伝本や『河童の三平』『劇画ヒトラー』などは読んだ。またお世話になっている青林工藝舎にも所縁の深い人物だ。
主人公は企業マンの水木で、ラバウルの戦場帰りなのだから水木しげるさんを主役に据えている。ミステリーの構成の物語がとても面白い。昭和30年代の雰囲気と、トンネルを抜けていくとある村に、巨大な湖と島など、舞台が最高でわくわくする。ジムニーで行ってみたい。
娘さんがやけにぐいぐい来るなと思ったら、それなりの事情があって腑に落ちる。しかし、水木は彼女の事情にドン引きで、引かないでやってくれよと思う。ちょっとの付き合いでは人柄は分からないけど、引いてしまうのはかわいそうだ。俺なら同情する。若い時なら無理かもしれない。
クライマックスのバトルが激しく派手で、それまでの不気味な怖さとは真逆な雰囲気のアクションで、しかし映画である以上そうした方が多くのお客さんは興奮して受けるのかもしれないけど、オレには普通のアクション映画みたいで残念だ。
車いすのおじさんをもっと見たい。存在感がすごいのに、ちょっとしか出ない。
横溝正史風
話はそこそこ悍ましいのだけれど、色が明るいというか、作風が明るいというか…。
どうやら目玉親父の若かりし頃を描いているようで、野沢さんが目玉になった親父の声をあててるのが感慨深い。
冒頭、記者の台詞回しが妙に気になる。
語尾を伸ばすような口調で、妙に現代チックだ。同じような台詞回しをするキャラはいなかった。
アレは何か意図でもあったのだろうか。
まぁ、人の所業の悍ましい事ったらなくて…その人を狂わすものが権力と金だった。
ホラーな感じは全然なくて、サスペンス色が強いのかな?ゲゲ郎が金田一耕助に見えたりする。
もっとおどろおどろしい感じでもいいんじゃないかと思うのだけれど…なんかウリが無いようにも思う。
昨今、幅を効かせているコンプライアンスのせいかもしれない。
つまらなくはないのだけれど、面白味も薄いというか…中途半端な印象だった。
全161件中、121~140件目を表示