鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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醜悪
「ゲゲゲの鬼太郎」は子供の頃にテレビアニメを見ていたものの、最近の作品は見ていません。
この映画もさほど興味はなかったのですが、評判を聞いて観てみようと思ったものです。
戦争の影が色濃く残る時代、異様な因習のある村、陰惨な殺人事件、横溝正史のようなテイストで予想以上に暗く不穏な空気。
戦時中の人体実験を連想させるような場面もあり、戦争の残酷さ、大義名分をかざして命を蔑ろにする権力者の醜悪さ、そういったものをきちんと突き付けてくるストーリーはとても良かったです。
興味本位の軽い感じかと思っていた記者が、報道魂を持っていたのも好感が持てます。
現代日本の姿、子供の未来に対する真摯な想いも伝わりました。
子供たちが理不尽な目に遭うのはやはりやるせないです。
アニメーションの面では、昔のテレビシリーズを見ていた者としては、猫娘の、今風というか萌えというか、このデザインはちょっと苦手な感じで、絵柄も全体的に子供向けのキャッチーなものであまり好みではないのですが。
テラスでの鬼面集団とのバトルシーンなどは見応えがありましたが、急に線のタッチが変わったな…とも思いました。
この絵柄なので、逆にシュールで醜悪さやグロテスクさが際立ったのかも、という気もしますが。
惨殺場面なども予想以上に陰惨な描写で、鉄パイプの描写など、かなり悪趣味(誉め言葉)だなと。
とは言え、こういう物理的なグロ描写よりも、権力者や集団の理不尽な抑圧がよっぽど醜悪でグロテスクだと感じさせられました。
期待しすぎた…?
SNSで大盛り上がりしていて気になり、ワクワクでほぼ満席のなか座席をゲットし見に行ってきました。
テンポはいいし、バトルシーンもかっこいい、鬼太郎ってこう生まれたのか〜ってのがわかる。けど、私にはそれだけでした…
映画の時間の中で説明するのは無理でしょうが、あの一族の成り立ちや、それぞれの人物の心情を掘り下げてくれたらもっと面白かったなと。
パンフレットは買えてないのでそこに解説とかあったらいいな…
乙女様の亡くなり方、狂骨に村人が殺されるシーンもただ人を殺してるだけというか。そりゃ恨みもあるかもしれないけど人殺しシーンをエンターテイメントにしてるのかなぁ捻くれてるかもしれませんが感じてしまいました。
紗代さんも救われはしなかったけど最期くらい少し救いがあっても…
水木とゲゲ郎のアツい絆というか、そういうのは良いですが…うーん…物語の作りは子供向け、表現は大人向け(グロテスクさ、近親相姦など)と感じました。
私は考察厨なので、登場人物ひとりひとりにどんな人生があったか考えるのが好きですがそれを考えるにも情報量が少ない(次女、三女とかはモブ扱い?)のと、殺し方が雑すぎる、意味のないグロテスクさを出しているところにうーんといった感情を抱いてしまいました。
難しいかもしれませんが当主がなくなるまでの一族の生い立ちを書いたスピンオフ小説とか出ませんかね。そしたらもっと奥行きが出ると思います。
人間の所業
鬼太郎誕生までの経緯を人間のもつ恐ろしさを絡め描く。
上昇志向の強いサラリーマンの目を通して、閉鎖的な村で起こる人間の欲望のとてつもない深い闇に触れることで観てる観客にその恐ろしさと底知れぬ欲望を、目を逸らすことなく描き切る。
そしてゲゲゲという語源もさらりと語られる点も心をくすぐられる。
アニメホラー😨
見ようか迷ったけど見て正解👍面白かった〜😁。
鬼太郎の世界感によううまく金田一耕助の犬神家を混ぜ込んだな〜っと感心して➕見入ってしまいました😶。あのドロドロの家系に世界感のマッチッング良かったわ〜。
ちょうど最近、石坂浩二の犬神家の一族見てたからなんとなく家系図の事がすんなり入りました、最後のあたりはすごく党首に悪い気分😡になりますが、しっかりと物語として終わって、鬼太郎の誕生につながるので良かったー。
予備知識で鑑賞前に見ておいてもよいですね、「金田一耕助の犬神家の一族」を👍
23年の冬映画は戦争時代の物が多くてなんかみんな同じ時間軸の出来事で繋がってたら面白いかな(笑)、ゴジラと鬼太郎、トットちゃんとあの花みたいな、なんてね😉
731部隊を彷彿とさせる秘話
おどろ、おどろしい。戦争中の731部隊やナチの人体実験などの犯罪を彷彿とさせる。そこに、鬼太郎の誕生秘話をリンクさせて大人も納得の作品に仕上がっている。
村の少年と少女の運命が悲しくて、救われない。
個人的には、彼女が猫娘に転生するのかなと勘違いしてましたが、悲しくて救いがないのがたまらない。
人気がでてロングランになるのも納得です。
好みの要素が満載
『ゲゲゲの鬼太郎』は、アニメ4期と5期を昔に観ていたかもしれないごく薄い記憶がある程度。
漫画『鬼太郎の誕生』のみ読んでから映画を観ました。
分かりやすくテンポ良く進むストーリー。
細かい動作含めずっと素晴らしい画。
(推しは)死なない血みどろアクション。
悪は滅ぼす。
切ないながらも希望のある最後。
めちゃくちゃに好みでした。
目玉が飛び出たり首が飛んだり血がたくさん出ますが、画に下品さはありません。グロさはあります。
怖くはなかったですが、戦中戦後の時代だからこその描写や、閉鎖的な村独自の倫理観を感じる場面は多々あるので、その辺りの気持ち悪さがあります。
『鬼太郎の誕生』を読んだ後に観たので、EDから心拍数が跳ね上がりました。
ラストで水木が鬼太郎を抱きしめたとき、この世界の3人の未来には希望があると感じられたので、気持ちの良い余韻に浸ることができました。
個人的に、やれることは十分やりきっての結末だと納得できたので、全ての要素でお気に入りの映画です。
(蛇足)
レビュー時点で4回観ていますが、見るたびに、野心のある仕事ができる村に染まらない(染まらせてもらえない)普通の人では?と克典社長が気になります。
(2024/01/13 タイトル変更。内容微修正)
カランコロン
水木しげるさん生誕100年かぁ。
昭和31年、龍賀一族の謎を解くべく水木がとある
村に入村し、ゲゲ郞と出会い共同してその闇とゲゲ郞の妻を探して行くお話。
水木は戦争体験者で目の辺りには傷がある。
自分が感じていた感覚が一般の人々と違う何かを
持っていたのかもしれない。
12歳以上からの鑑賞可能映画。昔からの名家、各地に残した悪しき習慣を原作者へのオマージュとして提示されていた。
人間のおぞましさを感じつつ、かなり憎んでいたゲゲ郞が水木と手を組んでいくのが良い。
ゲゲ郞が『何を見ても逃げるでないぞ』と水木に伝えた約束。
これは人間が起こした証拠。その本質から逃げずに向き合って欲しいとの願いだろう。
その怨念が狂骨と化けるのだから。
原作者水木しげるさんの実体験が多々反映されて
いるのが分かる。人間の恐ろしさが。
ちゃんちゃんこが幽霊族の愛と憎悪が練り込んであるとは……。知らなかった。
村の結末、水木とゲゲ郞の関係、ゲゲ郞夫婦の壮絶な形が悲惨であったが墓場から産まれてくる鬼太郎でこんなに救われるとは。
水木が鬼太郎を抱き上げるシーンはジーンとくる。鬼太郎の親父の格好良さと性格、母親の優しさと人間に対する思いにより、何故鬼太郎が人間を救い愛するのかを理解した。
カランコロンの歌を聞きながら家族愛が
詰まった映画だなぁとしみじみ感じました。
終盤の水木へ
余韻が残る映画。
私が観に行った映画館は基本ガラ空きなので、話題のゲゲゲといえど10人いくか、いかないかくらいの観客数。
そしてその全員が、映画が終わってもすぐに席を立たなかった。私自身、終わったときはすぐに立てなかった。
圧巻された…という派手さではなく、ただ呆然としてしまった。
もしかするとみんなそうだったのかもしれない。
とにかく、誰もすぐに席を立たなかった。10人いくかいかないかの少人数とはいえ、すごいことだと思う。
本編の話。
映像は個性を出しすぎず、潔さを感じるほど万人が観やすいという印象。妖怪たちもオドロオドロしさよりキャッチーさが目立つ。子供も怖がらず見れる妖怪だと思う。(話の凄惨さは別として)
話自体の凄惨さや残虐さも映像と演出でかなり緩和してると思った。
ストーリーはシンプルだし飽きない。ただ説明シーンが少ないため、キャラクターの強さや背景がよくわからず、結果的にご都合主義にみえるところもあった。とはいえ考察できる方や、モチーフ・背景を知ってる方にはご都合主義ではなくスマートな進み方なのかもしれない。そこらへんは妖怪にも鬼太郎にも物語のセオリーにも詳しくない私にはわからなかった。
終盤の水木が、泣きながら沙代に謝るシーンは何に対しての謝罪だったのだろう。
鑑賞中は沙代の思いをバカにして真面目に受け取らず、利用しようとしたことへの謝罪かと思った。
しかし鑑賞後、あまりにもうまく行き過ぎる展開について考えた時、水木は何に対して沙代に謝ったのか?という疑問がでてきた。
沙代が暴走する最後のトリガーは水木のセリフだった。
「お前らのせいで(沙代さんは)妖怪に憑かれた」(要約)という水木のセリフ。
知られたくなかった自分を、水木に知られていたという絶望?をトリガーに暴走した沙代は、水木とゲゲ郎の敵を一掃。そして自身も死ぬ。
これは、水木が考えたシナリオだったのではないだろうか。沙代を最後まで利用するシナリオ。だからあの時泣きながら謝ったのか?と思えてきた。
もしそうなら、というかそうですよね?考えすぎか?でも、さすがにそうじゃないと水木が無謀すぎるしご都合主義すぎる。いや、まあ知らんけど。
それはそれとして、沙代の搾取され続けた人生はあまりにも…。村に囲われ、尊厳を踏みにじられ、なにもできない沙代には、東京からきた水木がさぞかし魅力的に映っただろう。運命の人だという極端な発想になるのも、あの状況下なら理解できる。むしろわかりやすく狂ってない沙代はかなり強い人間だったと思う。
個人的にはゲゲ郎の奥様が、沙代との比較対象に見えた。2人は同じく搾取された側でありながらも明確に違う。
奥様にはゲゲ郎との絆という確かな愛があったし、鬼太郎という愛をのこすこともできた。
対して沙代は、利用価値のある物として扱われるか、同情や哀れみを受けるかのみ。そして愛どころか、亡骸すら残らない。ただ、ときちゃんだけは例外で純粋に沙代を慕っていたように見えた。
でも、地獄からの希望に見えた憧れの人からも利用され、あげく憐れまれるというのは、従弟との絆すら断ち切るほどの絶望だろう。そんなの大人だって耐えきれない。
沙代が「東京もここと同じだと知っている」と言ったのは、水木を通して見えたものだったと思う。
かける言葉がない。
最初の水木の回想で兵士たちがバタバタと死んでいくシーンを観て、なんて無意味な死なんだろうと。兵士たちは何を言われたら救われるのだろう、という気持ちになった。なにもわからない。でも、そのシーンだけで作品への信頼度がものすごく上がったし、実際に最後まで手に汗握りながら観れた。
すごい映画でした。
もう一回観たい。
噂通り、面白かった。以下、難点
主人公のトラウマの重厚感やサンスペンス調の展開の面白さは他の方の言うとおり、最後まで惹き込まれた。
1日経って、ん〜?ってところが出てきたので、メモっとく。(重箱の隅)
リアルと虚構のバランスも良かったと思えたが、各キャラの強さの格付けが、チグハグ。
ラスボス爺さん>狂骨操り孫娘>陰陽師>ゲゲ郎>会社員(人間)
シンプルに上記だと思うのだが、ラスボスは人間に簡単に武具を壊され、あっけなくやられる。途中の、狂骨孫娘vs陰陽師も同様な幕切れだった。(術対術のあとのブスリ)また、あれだけの妖術を使えるのだったら、爺さんvs孫娘どっちが強いのか?
確か、陰陽師も孫娘も爺さんも似たようなガイコツの意匠の妖術のため、もうちょっとデザインが違えば、良かったかな〜。
それと群像劇あるあるだけど同族で似たような名前が分かりづらかった。
と、孫娘だけど、会社員に連れられ逃げたいっての、惚れてる描写が再三描かれていたが無理を感じた。それはそれで利己的な印象が拭えなかった。
予備知識なしでも楽しめる映画
鬼太郎世代ではなく、なんとなーく目玉親父は死体から落ちてきた目玉…というのは知っていたのでそこへどう繋がるのかが凄く気になって観賞。
エンドロールで漫画として一コマずつ描かれているのが何か新鮮でとても良かった。気になっていた部分もそこで分かったし。
それまでの本編も面白かったけど、何となーく誰が悪いのかが分かってしまうような作り方。わざとなのかな?
今の日本の状況を鬼太郎が伝えるところは皮肉ってて良かった。
会社の同僚に『みんな何回も観に行ってるくらい面白い!』と聞いてたので、期待値が上がりまくってしまっていたので逆に『何回も観に行くほどか?』と思ってしまい星は一つ減で。
何も聞いてなく観に行ってたら星4.5だったかな?
大人向けなのか子ども向けなのかよく分からなかった
序盤〜中盤は大人向け。
村の因習、殺人事件の謎、立ち入ってはいけない島…
謎の薬「M」はなんなのか?ドキドキ。
村社会を描いた作品は何度か触れているので、あの少女はきっと村の因習で爺さんとの子作りを強制されてるんだろう…というのは予想がついた。
殺人犯はオーソドックスにこの少女か?それともまだ見えてない村の秘密があるのか?
さて、ここからこの少女をしがないサラリーマンがどう救うのか?展開に期待した。
そんな期待があったが、後半の回収は急に雑。
想いを寄せた水木に事実を知られた時の少女の絶望には同情するが、そこまで彼女の苦しみを描きながら、よく分からない陰陽師に刺されて終わり。
ラスボス的な爺さんはあまりに分かりやすい悪役キャラ。
急に子ども向けにしてきた?これまでの大人向けな世界観から急に小学校低学年向けの、あまりにわざとらしい悪役キャラとのバトルになって困惑した。
逃げ切った水木が記憶喪失になっているのもがっかり。
そこで経験して変化した水木の想いは何だったのか?水木に想いを寄せた少女のことは?相棒との絆は?
エンドロール後に少し思い出したようなシーンがあるが、記憶喪失エンドを挟んだのには裏切られたようながっかり感はあった。
「テンポ感が良くて、退屈しない、面白い映画」と知人は評価していたので、普段映画が長くて苦痛な人には良いのかもしれない。
自分は後半ももっと丁寧に描いて欲しかったかな……
(^-^)v すごい作品、上映期間延長でしょ、コレ。
『犬神家の一族』などの角川映画を彷彿させ脚本のしっかりした見応えたっぷりの映画でした。11月からやっていたんですね。イヤーーー、早く観れば良かった。名作。
辻褄が合わないよくある安いアニメとは違って煉にねった脚本なのでとても見やすく見入ってしまった。当主があんな可愛い子を手込めにしているなんて、、、、。幽霊族がカブトガニみたいに血を取られているなんて、、、、。まさかお前らが犯人だなんて、、、、。
ちょっと意外でしたわ。
そしてとても絵がきれい。ジブリとか新海監督のとは違う味わいがある絵だったかなぁ?
映画館席が半分埋まってました。上映期間延長を進言します。
これでも推敲しました
長文です。
鬼太郎はたぶん第4期を何度か見た程度で、数年前まで目玉おやじは最初から目玉なんだと思っていました。
そもそも、当初は映画の存在すら知らず、話題だし関俊彦さん出るし見ようくらいのノリでした。
今5回目の入村を控えています。
戦後の成長期が舞台ですが、「古き良き時代」的な要素は一切なく、煤煙や煙草の煙でひたすら濁った都会の姿が描かれます。
一方、哭倉村は空気の澄んだ自然豊かな村で(まぁ惨劇の舞台になりますが)、二者の対比が印象的でした。
なお、哭倉村に行く列車内で咳き込んでいた子供は後半で再登場しますが、気付いた時に戦慄しました。
村の異常性、排他性も半端ないです。
水木が入村し、沙代に出会うまではずっと第三者視点(生身の人間ではあり得ない視点からも…)での水木の姿が映っていたり、水木の姿を発見した途端に稲に身を隠す村人など、この村には後ろめたい事がありますよーと言わんばかりです。
実際、龍賀一族どころか村全体がヤバいと後半で判明します。一見ド田舎なのに、あれだけの医療?設備があるアンバランスさは、龍賀一族さえ栄えれば、他の村人の暮らしはどうでもいいという思想の表れなのかなと感じました。
そんなこんなで黒幕は時貞と判明しますが、この世での権力に執着し、孫すら犠牲にする様は本当に見苦しいです。
散々人を食い物にしてきた時貞ですが、最終的には狂骨に咀嚼され、変な玉になって出てきます。まるで排泄物です。お似合いです。
他にも印象的だったシーンをいくつか。
まず何より、おやじが強すぎる(笑)歯で刀身を受け止めて噛み折ったり、太い手摺を素手で折って振り回したり、人外だと再認識させられる暴れぶりでした。
父さん、パワータイプだったんですね…今の見た目からは想像も付きません。敵に回したくないです。
父親の思想に心酔する乙米が、娘である沙代の秘密を嬉々としてみんなの前で暴露するシーン。この人は心から父親に賛同しているのか、それとも自分を殺し、狂うしか選択肢がなかったのか…
奥さんがおやじと再会するまで鬼太郎を身籠り守り続けた所は、神宮皇后や葛の葉を彷彿とさせました。
幽霊族の力とはいえ、これほどまでの母の愛に対し「気色の悪い化け物め」と抜かす時貞は本当に殴りたいです。
水木が時貞の野望を「つまんねぇな」と一蹴し、髑髏を斧で叩き割ってからの「ツケは払わなきゃなぁ!」は痛快でした。
村を脱出する時には奥さんにちゃんちゃんこを着せており、あれだけ自分がのし上がる事だけ考えていた水木が…と感慨深かったです。
そういえば、木内秀信さん演じるキャラが変な村で銃をぶっ放すのは2回目ですかね?
狂骨と化した時弥におやじが言った「皆心貧しく苦しんでいる」という言葉。正直、現在の日本の様子は時弥には確かめようもないので、「日本は進歩して豊かになった」と言う事も可能だろうけど、子供だからといってお為ごかしを言わない、おやじなりの誠意だと思いました。
エンドロールは墓場鬼太郎の1話に仕立てられていますが、記憶を失くした水木に「わしじゃ!ゲゲ郎じゃ!」と叫んでいるのが聞こえるようで、切なくなりました。
見れば見るほど気付きがあります。
本作は鬼太郎誕生の前日譚がテーマのため特に描かれていませんが、哭倉村および龍賀一族の興りについても知りたくなりました。また、贅沢を言えばノーカット版があれば見たいです。
時弥君、我々は君の期待に添えなかったようだ、済まぬ。
ゲゲゲの鬼太郎はいかにして誕生したか、その前日談。
キャラデザインが今風だなあと思っていたら、エンディングロールであっと驚く。
初期の水木マンガに寄せている訳ね。
大昔に読んだ「墓場の鬼太郎」につながるのである。脚本お見事。
あの当時の日本の、どこでも喫煙する雰囲気を「煙もうもうな室内」の雰囲気を出しているのがとてもいいです。
G-1.0に欠けていたのはこの喫煙ね。あと、電車の中汚かったのも再現。
お国のためとか大義とかいうやつはろくでもない。
面白かった
大変面白かったです。
水木という名前に水木先生を重ねてしまいます。
先生も鬼太郎パパとこんな出会いをしてたのかな、とか考えながら見ていました。もちろんフィクションなのだけれど。
鬼太郎を抱き上げるシーンでは涙が溢れました。
想像以上に良い作品だったが・・
鬼太郎誕生へつながる物語。
どんな作品なんだろう?と思っていたが、「墓場の鬼太郎」の第一話につながるようストーリーがつながれていた。墓場の鬼太郎を最初に読んだときに、鬼太郎のお父さんとお母さんが何故あんな風貌なのかが気になってはいた。お父さんはミイラ男みたいだったし。それを説明できる話ではあった。
ただし、この映画の「M」とかは原作にない設定なので、だいぶ無理があるな、とは感じた。この設定だと、漫画で鬼太郎のお母さんが血を売って輸血された患者が幽霊化して、それを血液銀行の水木が調査して・・みたいな話と整合性が取れない。鬼太郎のお父さんとお母さんの過去を変に美化しすぎて、いらない設定を追加した結果なんだろうな。。
ストーリー自体は、戦後の日本の醜悪さを描き、今のどうしようもない日本と対比させ、日本があまり変わっていないことを語っていたように思う。龍賀時貞(最初死んだとされた当主)のクズっぷりは現代(特に自民党)の政治家にしか見えなかったし。
しかし、個人的にどうにも鬼太郎が「人間の味方」みたいなヒーローとして描かれるのは違和感がある。墓場の鬼太郎を読むとわかるが、別に鬼太郎は人間の味方ではない。幽霊族は人間によって絶滅しかかっている、という設定なわけだし。人間の愚かさを蔑み、本当に人間ってクズだよね、と妖怪(幽霊族)の立場で眺める傍観者でしかない。本来「狐に化かされる」という感性がないと理解できない存在だ。
鬼太郎は今でもアニメ化されており、反復して子供達が観続ける作品になった。その過程で、こんなヒーローみたいな存在に変化してしまったのだろう。私が子供の頃に観た鬼太郎もそうだったもんな。本来妖怪は、人間の敵でも味方でもないはずだ。時代とともに変にヒーロー化した鬼太郎像を、オリジナルの「墓場の鬼太郎」に接続したせいで、チグハグな存在になってしまっている。
もし、作者の水木しげる氏が存命であれば、この鬼太郎の両親の話をどんなストーリーにしたのだろう?おそらく、こんなストーリーにはならなかったんだろうな、と思う。この作品自体は製作者が力を注いだことがわかる良い作品だったが、鑑賞後に水木しげる氏本人がこの作品に満足するのだろうか、元の鬼太郎(+鬼太郎の両親、ついでに作中の水木)の設定と違い過ぎる存在になっているのではないだろうか、ということが気になった。
みんなで歌おうゲゲゲのゲ
ゲゲゲの鬼太郎は
小学生の頃再放送?ぐらいで
みていた記憶があります
ゲゲ郎については
鬼太郎に比べて大きく
違和感ありでしたね
鬼の血液とか鬼滅っぽいところや
人生の底辺とかカイジっぽいところ
コナン風なところも有りでした
みにくい遺産相続も最近の映画で
ありましたね(^^)
それでも違和感なしです
(おんっ)の呪文は単純で良しです(^^)
またあの娘が暴れ出すのは予想外の展開
楽しめました
墓から生まれた鬼太郎?!ちょっと無理している展開でしたね
ゲゲゲの歌
みんなで歌おう♪ゲゲゲのゲは
最後まで流れずガッカリしました
全体的にはよくできた作品だとおもいます
犬神家から墓場の鬼太郎へ
美しい農村風景から始まり犬神家の一族家督争いを思わせる凄惨な殺人事件と続く。犯人はやはりあの人だったが。しかし一族皆殺しではあんまりなので、あの昇天シーンがあったのだろう。登場する猫娘とさゆもあの漫画の水木キャラとは異なり可愛いすぎるとは思うが、両者とも怒らせると怖いです。そして、鬼太郎オヤジはともかく水木さんの活躍がすごすぎ、当初ミサンガにすぎない鬼太郎ちゃんちゃんこの出來方もおもしろかった。この映画の背景やアクションシーンもよく作り込まれていて見応えがありました。
沼ると深い
私は横溝小説のファンだし、水木作品のファンだし、鬼太郎(もとい目玉親父)大好きなのでとても楽しめました。…が、レーティングPG12。血は飛び散るし、殺され方もそれなりに惨殺ではあるし、因習もあるので、大人として13歳の甥にはまだ見せたくはないかなーというのが本音。
時は昭和31年。
敗戦の記憶と喘ぎが薄れはじめ「もはや戦後ではない」という高度経済成長期が目前の…そうは言っても清濁合わせ呑んだ日本。今よりも夜や闇が人の近くにあった頃が舞台。
いやはや、かつての親父殿ときたら。
美丈夫だし、身体能力は高いし、情は深いし。
「荒事はやめるんじゃ」
といいつつ、必要ならば大百足を振り回して投げ飛ばすし、裏鬼道を叩き潰す。かと思えば
「人の真剣な気持ちをもてあそぶようなことは…それだけはしちゃいかん」
と水木をさとし、妻を「きれいな女」と思い出してほろほろ涙をこぼす。(泣き上戸)
自身が捕縛されても「儂はどうなっても良いから妻を自由にしてくれ」と言う情の深さ。
かつての経験から、理不尽に虐げられないために、力をもとめていたはずの野心家の水木が目の前に「会社を2つ、3つ持たせてやろう」「もっといい服を着ろ」「御殿に住んで運転手付きの高級車に乗れ」「美酒に美食、美女を味わえ」と力を得ることで手に入るものを具体的に提示されたときに放つ「つまんねぇなぁ!!!」
国が滅ぶ瀬戸際で、人間の国のために、幽霊族のゲゲ郎が犠牲になる必要はない、ほっとけ、という水木に
「生まれてくる息子が生きる世界じゃ、儂がやらねばならん」とゲゲ郎はその身を依代にすると告げて、水木に妻と子を託し「早う行け」と促して水木と別れるから水木は知らないけれど、水木のことを「友」と呼び「お主の生きる未来をこの目で見てみとうなった」と友の未来までもを護ろうとするゲゲ郎のその末路たるや…
もともと、漫画の親父殿の姿を知っていたので、猫娘が猫姉さんに変化したように、親父殿イケメン化かー、と思っていたのですが、ちゃんと原作漫画に繋がったエンドロールで気付いたら良い歳した大人がガチ泣き。その辺を知っているとまた、色々感じ方も変わるかと。
それとは別に、風景の綺麗な映画だと思う。
村へ続くトンネルの暗さ、濡れた土、トンネルを抜けた先の夏の日差し、落ちる影の濃さ、田んぼを渡る風と蝉の声。蜻蛉、なびくとうもろこし畑。螢の飛ぶ水辺。流れ落ちる水。匂いの記憶まで呼び起こされるかのようで。←似て非なる田舎を知っている。
個人的には音声ガイドを利用した観賞もおすすめです。
(専用アプリ 無料 イヤホンは片耳推奨)妖怪の名前などを説明してくれたり隠れ妖怪教えてくれます。
全162件中、41~60件目を表示