鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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日本アニメすごいなあ
不覚にも泣いてしまった。ゲゲゲ誕生にあんな過去が隠されていたなんて。主人公が思いとどまったから鬼太郎は存在してるんやね。
70年後やから主人公はもう生きてはいないと思うけど、としちゃんはずっと彷徨い続けていたと思うと悲しくて涙が出た。日本のアニメはやはりクオリティが高い!
謎のアンプルのなかみは
11月公開のヒット作がそろそろ終映なので、最終日に鑑賞しました。
墓場鬼太郎のニヒリズム的なエッチな映画かと思ったら、全然違った。
お客さんは2、30代の女性が多く、男性は少なかった。
昭和31年、帝国血液銀行の社員の水木が取引先の老舗製薬会社龍臥製薬の会長龍臥トキサダの葬儀に参列して、懇意にしている社長カツノリの当主継承を祝い、血液銀行内での自分の立場を良くしようと夜汽車に乗って山奥の集落にある龍臥一族の屋敷へ向かう。
帝国血液銀行? 帝国臓器っていう製薬会社あったな。血液銀行って、ミドリ十字か?
売血の時代。
村の道端で少女(サヨ)と少年(トキヤ)にあう。
遺言により当主になったのは公家の衣装を着た白塗りの男。時麻呂。トキサダの嫡男。
いかにも岸田森が似合いそうなキャラ。
若い人はわかんないよね~
龍臥家はまるで犬神家の一族。
龍臥家は当主になると一族の娘、孫娘にも子供を産ませようとする。
さらに、当主継承権をもつまだ子供のトキヤとサヨをくっつけようとする。
狗神だ。
気持ち悪い。
夜汽車でみた亡霊の不気味な男(ゲゲ郎)がそこへ現れる。
最後の幽霊族。
龍臥製薬の「M」というアンプル製剤。
マカ?
マムシ?
日清、日露戦争で使われた強壮剤?
リゲインか?
24時間戦えますか?
幽霊族の血が原料。
工場とは吸血病棟。
魔物のキョウコツ。狂骨?恐骨?
もう、わけわかんない。
丸い湖に浮かぶ火山みたいな島の地下で正体を現す時貞。
よく知ってる一族経営の総合病院の我儘な当主にそっくりだった。
ちょっと笑えない吸血病院。
それにしても、ゲゲゲの正太郎も悪魔くんも主題歌で大いに盛り上がった世代でございます。
熊倉一雄、吉幾三、木村充揮(憂歌団)と堪能させていただきました。
リモコン下駄、ちゃんちゃんこはみれました。
猫娘はスラっとしてきれいになりすぎ🤩
時代ですなぁ。
鬼太郎の父がかっこいい
鬼太郎の父がかっこよかった!
浮世離れしている存在のゲゲ郎と、
辛い現実をくぐり抜けて来て、その体験を基に行動している水木とのバディもよかった。
戦争体験者にしかわからない、悲惨さ
が水木の食事シーンなどに、現れていて、そうなんだと、思いました。
残酷描写よりも、
ストーリーが全く子供むけではなく、
大人でもえっ、、、となるような、えげつない衝撃的な内容です。
アダムスファミリーもですが、人間の方が酷く、狂ってます。
ネタバレになりますが、
あの男の子とお母さんだけでも、
社長とあの女の子だけでも、
助かったらもっと良い映画だったのになあ。
星5はゲゲ郎のアクションシーンのかっこよさと、キャラクターへの評価です。
白髪の鬼太郎が目玉親父だった。全然気付かず、老いた鬼太郎だと思って...
白髪の鬼太郎が目玉親父だった。全然気付かず、老いた鬼太郎だと思っていたよ。
結局よくわからなかったな~。
田舎村である哭倉村に龍賀家という大成功した家がある。お金持ちのようだ。
龍賀家の当主が亡くなった。それから当主の息子や娘が次々と死んでいく。
ネタバレを言うと龍賀家一族が次々と死ぬのは、龍賀家長女の娘、龍賀沙代によるもの。彼女は何故か妖怪を操る能力を持っている。(なんで?)
龍賀沙代は可愛い女の子なのだけど、実は龍賀家当主、80代のジジイと近親相姦の関係であった。龍賀沙代にとっては辛い事実。
でも結局龍賀沙代も死んでしまう。
目玉の親父は妻を探して哭倉村に来ている。村には湖があって、湖の中心に島がある。その島の中央には井戸のような穴があり、キュウコツという妖怪が封印されている。
穴の底には血を吸って育つ桜が咲いている目玉の親父の妻はその桜に血を吸われている。目玉の親父は妻を見つけた。妻は身籠っていた。
きっとこの子が鬼太郎なんだろう。
面白かった
子どもの頃テレビアニメ見てた程度の知識ですが、前評判良く気になって鑑賞。私個人としてはとても面白かった。映画館で観る価値はある。
鑑賞前、ストーリーはホラー系の胸糞悪い因習に縛られたものかと思いきや良い意味で期待を裏切られました。
人間と妖怪が混じる世界独特の不気味さはあるものの、一方、爽快なアクションが目を引きラストのシーンに胸が湧き上がり、仕事終わりのレイトショーで心沈むことなく終始楽しめた。笑
思い返せばゲゲゲの鬼太郎はバトル系の妖怪アニメだったような。
水木視点にストーリーが進んでいくのだが、後半に向かうにつれこの男の魅力がどんどん開花されていくのが個人的には気持ちいい流れだった。このキャラクターを初めて知ったが観賞後調べたところ、原作や本編だと少し違った色のキャラクターで興味深かった。
秀逸なストーリー。が、絵が苦手かも
水木タッチに寄せるならもっと寄せてほしかった。寄せてこそのあの画質が生きたのに。昨今のアニメ事情からするともう少し高画質でも良かったかなあ。というか、あのストーリーなら、実写でもありかも。海外ホラー並みの映像画質なら、、、それともやはり、水木ワールドを効果的に示すための「あえて」あの絵柄なのか?水木風のキャラとそうでないタッチの差がねぇ、、、
人から勧められて、今さらながら、鑑賞。夜の回だったけど結構人がいて、、、リピーターなのかな?
ストーリーはアニメにしとくのは惜しいくらいの秀逸さ。戦後の日本の山村、ミステリータッチ、とくれば、金田一耕助でもお馴染みだし、おどろおどろしいのはピッタリ。そこに妖怪変化をプラスするんだから面白いよね。
「M」って存在がもう少し丁寧に演出してたらなあ。まあ、「お国のため」という大義名分が美徳だったからこその狂気だし、水木しげるの世界観からすると戦争は外せないから仕方ないけど。でも「M」の存在理由がもっと個人的というか狭い世界を守るためであっても良かったかなあ。ま、そうしたら「水木ワールド」でなくなるのかもだけど。
最初と最後が現代パートで鬼太郎とか猫娘出すためになんだろうけど、ちょっとわかりにくかったかな、特に最初。だから最後「取ってつけた」感じがしたのかも。
オーラスで鬼太郎誕生は良かったけどそこまでの展開をエンドロールでサイレントで進行させるのも少し凝りすぎというか、もう少し作り込んでも良かったなあ、、、
猫娘、背伸びたね笑
おもしろい
ゲゲゲの鬼太郎については鬼太郎などのキャラクターを知っている程度で、原作などは全て未視聴。公式サイトの予告編は全て視聴済み。
水木の戦時中の体験と今回のストーリーを重ね合わせて考えているところがとても興味深く、決して美化しないありのままの戦後日本を描いているところがとても好印象だった。戦後日本という時代背景に妖怪というフィクションの要素がうまく混ざりあっていて、とても引き込まれる内容だった。とてもおもしろかった。
全体のストーリーは分かりやすかったが、その分かりやすさが良くも悪くもな感じがした。予告編を見た際に得られた情報は「村」に「一族」が住んでいて、その村の謎を水木が解きに行く内容であることと目玉おやじになる前の鬼太郎の父が妻と思わしき女性を探すこと。今まで色々なアニメやドラマを見てきた経験から「村」と「一族」の2つの要素があったら考えられる展開は2つだけだと個人的には思っている。1つ目は一族全員が自分もしくは一族の繁栄しか考えていないクソ人間たちでそれが成敗されるストーリー、2つ目は一族全員がいい人たちだが悪役による被害に悩まされているから助けるというストーリーである。SNSを見た感じとても好評だったので、私のこれらの固定概念を打ち崩すような第3のストーリーが出てきてくれるかと期待したのだが、見事に1つ目のストーリー展開にピッタリはまっていて「またお決まりのパターンね」と残念に感じると同時に、ストーリー展開もある程度予想できるため大きく感情を揺さぶられることも無く余裕を持って楽しむことも出来た。
2回目を映画館で見たいかと問われると微妙だが、初回を映画館で見る分にはとても楽しめて素晴らしい作品だと感じた。
エピローグで再度泣かされました
水木しげる生誕100周年記念作品。
SNSで話題になっていてずっと気になっていました。
"ゲゲゲの鬼太郎"アニメ第6期の前日譚とのことですが、そちらは未視聴。
何も知らない状態で鑑賞しましたが、全く問題ありませんでした。
評判通り、とてもおもしろかったです。
まず昭和31年戦後の日本という時代設定が良い。
閉鎖的な山奥の村が舞台なのですが、まぁかなり陰惨な物語でした。
横溝正史や犬神家などと言われているのは知っていましたが、鑑賞して納得。
これを典型的と言ってしまえばそうなのですが、今作はそこに上手く妖怪あれこれを絡めているので、あまり違和感も感じずに楽しめました。
主人公の一人である水木の、時代背景に絡んだバックボーンがしっかり描かれている点も良かったです。ただの上昇志向の野心家というだけでないのだなと。明かされる前後ではキャラクターへの印象も変わりますからね。
ゲゲ郎がようやく愛する妻に会えたシーンが感動的で…。
ずっと妻を探していたゲゲ郎も、愛する夫の子を何年も身篭って守り続けてきた岩子も、二人の夫婦愛がとても深くて愛おしい。お腹の中の鬼太郎が泣き叫ぶ事で結果的に父を手助けするシーンも、めちゃくちゃ良い演出でさらに涙が…。
それにしても、鬼太郎の黒黄色のちゃんちゃんこにあんな秘密があったとは。
単に鬼太郎の服装としてしか認識していなかったので、今作を鑑賞してあのちゃんちゃんこに対する意識が全く変わりました。笑
エピローグ。
水木のバックボーンがあるからこそ、より感動的なものになっていると感じました。一人の孤独な男が、この新たな命との出会いによって良い意味で変化し、愛を知って生きていくのだろうなと思わせてくれました。なので個人的にはハッピーエンドですね。
それにしても、生まれたばかりの鬼太郎が可愛くて…。
そして水木が鬼太郎を抱きしめるまでを眺めている、目玉おやじの姿となったゲゲ郎。
いや、もうこんなの泣いちゃうよ〜。
それにしても、沙代と時弥は可哀想でしたね。
憧れの東京の喫茶店でクリームソーダを飲んで、野球観戦もしたかったよね。
現代で、鬼太郎が最後に会った狂骨がまさかの時弥だと分かってからも泣かされました。
劇場ではあちこちからすすり泣きが聞こえていました。
まさかレビューがこんなに長くなるとは…!笑
一人で鑑賞したので、誰とも気持ちを共有できずに長くなってしまいました。
機会があったら原作やアニメも観てみたいと思います。
でもその前にもう一度、劇場へ足を運ぶかもしれません。
醜悪
「ゲゲゲの鬼太郎」は子供の頃にテレビアニメを見ていたものの、最近の作品は見ていません。
この映画もさほど興味はなかったのですが、評判を聞いて観てみようと思ったものです。
戦争の影が色濃く残る時代、異様な因習のある村、陰惨な殺人事件、横溝正史のようなテイストで予想以上に暗く不穏な空気。
戦時中の人体実験を連想させるような場面もあり、戦争の残酷さ、大義名分をかざして命を蔑ろにする権力者の醜悪さ、そういったものをきちんと突き付けてくるストーリーはとても良かったです。
興味本位の軽い感じかと思っていた記者が、報道魂を持っていたのも好感が持てます。
現代日本の姿、子供の未来に対する真摯な想いも伝わりました。
子供たちが理不尽な目に遭うのはやはりやるせないです。
アニメーションの面では、昔のテレビシリーズを見ていた者としては、猫娘の、今風というか萌えというか、このデザインはちょっと苦手な感じで、絵柄も全体的に子供向けのキャッチーなものであまり好みではないのですが。
テラスでの鬼面集団とのバトルシーンなどは見応えがありましたが、急に線のタッチが変わったな…とも思いました。
この絵柄なので、逆にシュールで醜悪さやグロテスクさが際立ったのかも、という気もしますが。
惨殺場面なども予想以上に陰惨な描写で、鉄パイプの描写など、かなり悪趣味(誉め言葉)だなと。
とは言え、こういう物理的なグロ描写よりも、権力者や集団の理不尽な抑圧がよっぽど醜悪でグロテスクだと感じさせられました。
期待しすぎた…?
SNSで大盛り上がりしていて気になり、ワクワクでほぼ満席のなか座席をゲットし見に行ってきました。
テンポはいいし、バトルシーンもかっこいい、鬼太郎ってこう生まれたのか〜ってのがわかる。けど、私にはそれだけでした…
映画の時間の中で説明するのは無理でしょうが、あの一族の成り立ちや、それぞれの人物の心情を掘り下げてくれたらもっと面白かったなと。
パンフレットは買えてないのでそこに解説とかあったらいいな…
乙女様の亡くなり方、狂骨に村人が殺されるシーンもただ人を殺してるだけというか。そりゃ恨みもあるかもしれないけど人殺しシーンをエンターテイメントにしてるのかなぁ捻くれてるかもしれませんが感じてしまいました。
紗代さんも救われはしなかったけど最期くらい少し救いがあっても…
水木とゲゲ郎のアツい絆というか、そういうのは良いですが…うーん…物語の作りは子供向け、表現は大人向け(グロテスクさ、近親相姦など)と感じました。
私は考察厨なので、登場人物ひとりひとりにどんな人生があったか考えるのが好きですがそれを考えるにも情報量が少ない(次女、三女とかはモブ扱い?)のと、殺し方が雑すぎる、意味のないグロテスクさを出しているところにうーんといった感情を抱いてしまいました。
難しいかもしれませんが当主がなくなるまでの一族の生い立ちを書いたスピンオフ小説とか出ませんかね。そしたらもっと奥行きが出ると思います。
人間の所業
鬼太郎誕生までの経緯を人間のもつ恐ろしさを絡め描く。
上昇志向の強いサラリーマンの目を通して、閉鎖的な村で起こる人間の欲望のとてつもない深い闇に触れることで観てる観客にその恐ろしさと底知れぬ欲望を、目を逸らすことなく描き切る。
そしてゲゲゲという語源もさらりと語られる点も心をくすぐられる。
アニメホラー😨
見ようか迷ったけど見て正解👍面白かった〜😁。
鬼太郎の世界感によううまく金田一耕助の犬神家を混ぜ込んだな〜っと感心して➕見入ってしまいました😶。あのドロドロの家系に世界感のマッチッング良かったわ〜。
ちょうど最近、石坂浩二の犬神家の一族見てたからなんとなく家系図の事がすんなり入りました、最後のあたりはすごく党首に悪い気分😡になりますが、しっかりと物語として終わって、鬼太郎の誕生につながるので良かったー。
予備知識で鑑賞前に見ておいてもよいですね、「金田一耕助の犬神家の一族」を👍
23年の冬映画は戦争時代の物が多くてなんかみんな同じ時間軸の出来事で繋がってたら面白いかな(笑)、ゴジラと鬼太郎、トットちゃんとあの花みたいな、なんてね😉
731部隊を彷彿とさせる秘話
おどろ、おどろしい。戦争中の731部隊やナチの人体実験などの犯罪を彷彿とさせる。そこに、鬼太郎の誕生秘話をリンクさせて大人も納得の作品に仕上がっている。
村の少年と少女の運命が悲しくて、救われない。
個人的には、彼女が猫娘に転生するのかなと勘違いしてましたが、悲しくて救いがないのがたまらない。
人気がでてロングランになるのも納得です。
好みの要素が満載
『ゲゲゲの鬼太郎』は、アニメ4期と5期を昔に観ていたかもしれないごく薄い記憶がある程度。
漫画『鬼太郎の誕生』のみ読んでから映画を観ました。
分かりやすくテンポ良く進むストーリー。
細かい動作含めずっと素晴らしい画。
(推しは)死なない血みどろアクション。
悪は滅ぼす。
切ないながらも希望のある最後。
めちゃくちゃに好みでした。
目玉が飛び出たり首が飛んだり血がたくさん出ますが、画に下品さはありません。グロさはあります。
怖くはなかったですが、戦中戦後の時代だからこその描写や、閉鎖的な村独自の倫理観を感じる場面は多々あるので、その辺りの気持ち悪さがあります。
『鬼太郎の誕生』を読んだ後に観たので、EDから心拍数が跳ね上がりました。
ラストで水木が鬼太郎を抱きしめたとき、この世界の3人の未来には希望があると感じられたので、気持ちの良い余韻に浸ることができました。
個人的に、やれることは十分やりきっての結末だと納得できたので、全ての要素でお気に入りの映画です。
(蛇足)
レビュー時点で4回観ていますが、見るたびに、野心のある仕事ができる村に染まらない(染まらせてもらえない)普通の人では?と克典社長が気になります。
(2024/01/13 タイトル変更。内容微修正)
カランコロン
水木しげるさん生誕100年かぁ。
昭和31年、龍賀一族の謎を解くべく水木がとある
村に入村し、ゲゲ郞と出会い共同してその闇とゲゲ郞の妻を探して行くお話。
水木は戦争体験者で目の辺りには傷がある。
自分が感じていた感覚が一般の人々と違う何かを
持っていたのかもしれない。
12歳以上からの鑑賞可能映画。昔からの名家、各地に残した悪しき習慣を原作者へのオマージュとして提示されていた。
人間のおぞましさを感じつつ、かなり憎んでいたゲゲ郞が水木と手を組んでいくのが良い。
ゲゲ郞が『何を見ても逃げるでないぞ』と水木に伝えた約束。
これは人間が起こした証拠。その本質から逃げずに向き合って欲しいとの願いだろう。
その怨念が狂骨と化けるのだから。
原作者水木しげるさんの実体験が多々反映されて
いるのが分かる。人間の恐ろしさが。
ちゃんちゃんこが幽霊族の愛と憎悪が練り込んであるとは……。知らなかった。
村の結末、水木とゲゲ郞の関係、ゲゲ郞夫婦の壮絶な形が悲惨であったが墓場から産まれてくる鬼太郎でこんなに救われるとは。
水木が鬼太郎を抱き上げるシーンはジーンとくる。鬼太郎の親父の格好良さと性格、母親の優しさと人間に対する思いにより、何故鬼太郎が人間を救い愛するのかを理解した。
カランコロンの歌を聞きながら家族愛が
詰まった映画だなぁとしみじみ感じました。
終盤の水木へ
余韻が残る映画。
私が観に行った映画館は基本ガラ空きなので、話題のゲゲゲといえど10人いくか、いかないかくらいの観客数。
そしてその全員が、映画が終わってもすぐに席を立たなかった。私自身、終わったときはすぐに立てなかった。
圧巻された…という派手さではなく、ただ呆然としてしまった。
もしかするとみんなそうだったのかもしれない。
とにかく、誰もすぐに席を立たなかった。10人いくかいかないかの少人数とはいえ、すごいことだと思う。
本編の話。
映像は個性を出しすぎず、潔さを感じるほど万人が観やすいという印象。妖怪たちもオドロオドロしさよりキャッチーさが目立つ。子供も怖がらず見れる妖怪だと思う。(話の凄惨さは別として)
話自体の凄惨さや残虐さも映像と演出でかなり緩和してると思った。
ストーリーはシンプルだし飽きない。ただ説明シーンが少ないため、キャラクターの強さや背景がよくわからず、結果的にご都合主義にみえるところもあった。とはいえ考察できる方や、モチーフ・背景を知ってる方にはご都合主義ではなくスマートな進み方なのかもしれない。そこらへんは妖怪にも鬼太郎にも物語のセオリーにも詳しくない私にはわからなかった。
終盤の水木が、泣きながら沙代に謝るシーンは何に対しての謝罪だったのだろう。
鑑賞中は沙代の思いをバカにして真面目に受け取らず、利用しようとしたことへの謝罪かと思った。
しかし鑑賞後、あまりにもうまく行き過ぎる展開について考えた時、水木は何に対して沙代に謝ったのか?という疑問がでてきた。
沙代が暴走する最後のトリガーは水木のセリフだった。
「お前らのせいで(沙代さんは)妖怪に憑かれた」(要約)という水木のセリフ。
知られたくなかった自分を、水木に知られていたという絶望?をトリガーに暴走した沙代は、水木とゲゲ郎の敵を一掃。そして自身も死ぬ。
これは、水木が考えたシナリオだったのではないだろうか。沙代を最後まで利用するシナリオ。だからあの時泣きながら謝ったのか?と思えてきた。
もしそうなら、というかそうですよね?考えすぎか?でも、さすがにそうじゃないと水木が無謀すぎるしご都合主義すぎる。いや、まあ知らんけど。
それはそれとして、沙代の搾取され続けた人生はあまりにも…。村に囲われ、尊厳を踏みにじられ、なにもできない沙代には、東京からきた水木がさぞかし魅力的に映っただろう。運命の人だという極端な発想になるのも、あの状況下なら理解できる。むしろわかりやすく狂ってない沙代はかなり強い人間だったと思う。
個人的にはゲゲ郎の奥様が、沙代との比較対象に見えた。2人は同じく搾取された側でありながらも明確に違う。
奥様にはゲゲ郎との絆という確かな愛があったし、鬼太郎という愛をのこすこともできた。
対して沙代は、利用価値のある物として扱われるか、同情や哀れみを受けるかのみ。そして愛どころか、亡骸すら残らない。ただ、ときちゃんだけは例外で純粋に沙代を慕っていたように見えた。
でも、地獄からの希望に見えた憧れの人からも利用され、あげく憐れまれるというのは、従弟との絆すら断ち切るほどの絶望だろう。そんなの大人だって耐えきれない。
沙代が「東京もここと同じだと知っている」と言ったのは、水木を通して見えたものだったと思う。
かける言葉がない。
最初の水木の回想で兵士たちがバタバタと死んでいくシーンを観て、なんて無意味な死なんだろうと。兵士たちは何を言われたら救われるのだろう、という気持ちになった。なにもわからない。でも、そのシーンだけで作品への信頼度がものすごく上がったし、実際に最後まで手に汗握りながら観れた。
すごい映画でした。
もう一回観たい。
噂通り、面白かった。以下、難点
主人公のトラウマの重厚感やサンスペンス調の展開の面白さは他の方の言うとおり、最後まで惹き込まれた。
1日経って、ん〜?ってところが出てきたので、メモっとく。(重箱の隅)
リアルと虚構のバランスも良かったと思えたが、各キャラの強さの格付けが、チグハグ。
ラスボス爺さん>狂骨操り孫娘>陰陽師>ゲゲ郎>会社員(人間)
シンプルに上記だと思うのだが、ラスボスは人間に簡単に武具を壊され、あっけなくやられる。途中の、狂骨孫娘vs陰陽師も同様な幕切れだった。(術対術のあとのブスリ)また、あれだけの妖術を使えるのだったら、爺さんvs孫娘どっちが強いのか?
確か、陰陽師も孫娘も爺さんも似たようなガイコツの意匠の妖術のため、もうちょっとデザインが違えば、良かったかな〜。
それと群像劇あるあるだけど同族で似たような名前が分かりづらかった。
と、孫娘だけど、会社員に連れられ逃げたいっての、惚れてる描写が再三描かれていたが無理を感じた。それはそれで利己的な印象が拭えなかった。
予備知識なしでも楽しめる映画
鬼太郎世代ではなく、なんとなーく目玉親父は死体から落ちてきた目玉…というのは知っていたのでそこへどう繋がるのかが凄く気になって観賞。
エンドロールで漫画として一コマずつ描かれているのが何か新鮮でとても良かった。気になっていた部分もそこで分かったし。
それまでの本編も面白かったけど、何となーく誰が悪いのかが分かってしまうような作り方。わざとなのかな?
今の日本の状況を鬼太郎が伝えるところは皮肉ってて良かった。
会社の同僚に『みんな何回も観に行ってるくらい面白い!』と聞いてたので、期待値が上がりまくってしまっていたので逆に『何回も観に行くほどか?』と思ってしまい星は一つ減で。
何も聞いてなく観に行ってたら星4.5だったかな?
大人向けなのか子ども向けなのかよく分からなかった
序盤〜中盤は大人向け。
村の因習、殺人事件の謎、立ち入ってはいけない島…
謎の薬「M」はなんなのか?ドキドキ。
村社会を描いた作品は何度か触れているので、あの少女はきっと村の因習で爺さんとの子作りを強制されてるんだろう…というのは予想がついた。
殺人犯はオーソドックスにこの少女か?それともまだ見えてない村の秘密があるのか?
さて、ここからこの少女をしがないサラリーマンがどう救うのか?展開に期待した。
そんな期待があったが、後半の回収は急に雑。
想いを寄せた水木に事実を知られた時の少女の絶望には同情するが、そこまで彼女の苦しみを描きながら、よく分からない陰陽師に刺されて終わり。
ラスボス的な爺さんはあまりに分かりやすい悪役キャラ。
急に子ども向けにしてきた?これまでの大人向けな世界観から急に小学校低学年向けの、あまりにわざとらしい悪役キャラとのバトルになって困惑した。
逃げ切った水木が記憶喪失になっているのもがっかり。
そこで経験して変化した水木の想いは何だったのか?水木に想いを寄せた少女のことは?相棒との絆は?
エンドロール後に少し思い出したようなシーンがあるが、記憶喪失エンドを挟んだのには裏切られたようながっかり感はあった。
「テンポ感が良くて、退屈しない、面白い映画」と知人は評価していたので、普段映画が長くて苦痛な人には良いのかもしれない。
自分は後半ももっと丁寧に描いて欲しかったかな……
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