「犬神家の一族そっくりすぎ。ドラッグがうまく活かせていない。」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)
犬神家の一族そっくりすぎ。ドラッグがうまく活かせていない。
オマージュと模倣を考えさせられる映画作りです。1976年の市川崑監督「犬神家の一族」と舞台設定も雰囲気も演出もキャラクターそっくりです。私としては戦後の雰囲気を調査し演出し脚本に落とし込み考証し…という手間を省くために模倣した、という風に見えてしまいました。もちろん制作者の意図がそこにはないのかもしれませんが、受け取り手としてはそう見えてしまうくらいの類似性でした。
で、水木しげる氏というのは戦争で生死の境をさまよった結果、達観し生死を超越することであちらの世界と通信できるようになったシャーマンです。主人公の名前を水木と名づけることによって水木しげる像がちょっとゆがめられている気がしました。
また、Mとはヒロポンです。その意味するところは兵士から企業戦士へ。家族と権力利益。そういうテーマがあるようで話が妖怪大戦争と復讐譚になっているのでどうも戦後の復興と何かを重ねているように見えません。
作画は素晴らしいと思いますが、しかし全体として創作物か?と言われると、なんとなく名前も映像表現も他から借りてきた、水木しげる氏の鬼太郎とは似て非なるものに見えてしまいました。
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