「狂骨の夢は、癒されるか?」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
狂骨の夢は、癒されるか?
1たす1は、2ですよね。
では、闇に光をたすと、どうなります?。
風に大地をたすと、何になります?。
悔しさに哀しみをたすと、何が現れます?。
水木サンが遺したもの
水木サンが遺そうとしたもの
水木サンの想いを宿したもの
総てが愛おしく思えるのは、何故かしら。水木サンは、ヒトが見えないものを、形にしました。何となく感じるものを映像化しました。元々、鳥山石燕が描いた物の怪を、今に伝える掛橋になってくれました。
水木サンは、南方で玉砕要員になりました。
生還した水木サンを、上層部は歓迎しません。
水木サンを迎え入れたのは、現地の森の人。
水木サン、彼らを土人と言いました。今なら一発退場、NGワードですが、大地の精霊と共に暮らすヒト達への、畏敬と憧憬の想いを込めて土人と言いました。この言葉に、侮蔑の念を抱くヒトのほうが、よっぽど野蛮なのでは?。
水木サン、色んなヒトに傷つけられたから、ヒトを傷つけることは、嫌いだったようです。
幽霊族が狂骨になったように、私達もまた、狂骨になるのかな。恨みを以て恨みを晴らすのが、今の世界。何も龍賀一族や、犬神家の一族だけの話ではない。それがヒトの原罪だとすれば、私達の未来は、小さな丸い玉の中かもね。
ヒトに興味はあれど、同情しない、墓場鬼太郎が好きな私ですが、そんな鬼太郎に、クールな父さんと、優しい母さんがいたとしたら、それは癒されるお話ですよね。
この映画観たら、取り急ぎ、アニメ版「墓場鬼太郎」と、水木サンの大作マンガ「劇画 昭和史」も、ご覧下さい。世界が360度変わります。え?、一周してる?。いいんです。見えないものが、見えるようになりますよ。(何が見えるかは、個人差があります。)