「リアルと超自然のギャップ」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 Yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
リアルと超自然のギャップ
ここ最近のテレビシーリーズを見ていなかったせいなのか、冒頭の猫娘のビジュアルにびっくりしました。
本作は鬼太郎誕生の物語ということで、ゲゲゲの鬼太郎単行本第1巻に至るストーリー。しっかりと水木先生の描いた設定を踏襲して作られています。
それに加えて本作では水木先生の生々しい戦争体験が描かれており、理不尽な戦争を嫌悪するその心情が読み取れます。ただ妖怪が好きで描かれた漫画といったものではなく、そうしたメッセージが水木作品の中にはしっかり流れていると感じさせる作品です。
ただ、本作が面白いかどうかでいうと非常に難しいところです。冒頭は何だか金田一シリーズの作品を見ているような展開。そこに妖怪の要素が加わりますから、ある意味なんでもありなストーリーで、そんなスーパーナチュラルな内容は、主人公である水木のリアルな戦争体験とのあいだにギャップがありどうしても違和感があるようです。
とはいえ、丁寧に作られたアニメーションというのはわかりますし、鬼太郎が主人公ではない鬼太郎映画ということで、新鮮さもあります。少し童心に帰って楽しめると良いのかなと思います。
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