「好きな人同士が情熱で作り上げた荒っぽい熱量」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 黒糖さんの映画レビュー(感想・評価)
好きな人同士が情熱で作り上げた荒っぽい熱量
クリックして本文を読む
まず始めに。
「好き同士がお金を出し合って物を作る」はチープな褒め言葉だし、最近のトレンドですが。
この映画はここに「昭和の泥臭さ」が加わることにより、クラウドファンディングや、好きな原作を制作するためだけに立ち上げたプロダクション。
……みたいな都会的なスマートさとか、優しい愛情がなくなります。
泥臭くて好き過ぎて情熱的……これすなわち、同人誌です。
しかも、有明でガリガリアナログで原稿を描いていた頃の。
好き過ぎて全ての作品や原作を隅から隅まで読み解いてから、その場面が頭の中でグルグル回って夢にまで見る所まで来てやっと書き出すような。
そんな熱量で書かれ、ここに描かれたことを読んだか読まないかで、原作の場面への感じ方が変わってしまう、そんな映画でした。
以降ネタバレ含む部分の感想:
・親父さんも水木氏も、右側を欠損したり隠したりしていてどちらも水木先生から生じた事の示唆なのだろう。
水木という名前、ゲゲというあだ名を二つに割ってできた本質が同じ生き物なのかもしれない。
・その上で実際の先生の暮らしの理想に近いのが親父さんの方、もしも地元が違えばあったかもしれない未来として描かれるのが水木氏の方というという書き分け
・姿や時系列をこのように回収するとは思わなかったし、その理由が、あの頃は子どもだった子ども達へのメッセージでもあって良かった。
・妖怪の呪いを受けたことで妖怪族になった親父さんってことなのだろうと。
コメントする