「『この国は今、虚構(フィクション)に侵食されている』」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
『この国は今、虚構(フィクション)に侵食されている』
本当に偶然ですが、先月、京極夏彦さんの『虚実妖怪百物語 序破急』を読んだばかりだったのです。
(角川文庫版。約1400ページの大長編で、水木しげる大先生、荒俣宏先生他多数の実名登場でフィクションとリアルの戦いを描く壮大な妖怪大戦争。一人ひとりのキャラ設定が抜群に面白いのです)
妖怪も鬼ももともと〝ないもの〟だ。
実際には存在しない。現実ではない。
脳内にしかない。
つまり、フィクションなのだ。
その非存在が攻撃してくるなら、それは最大のリスクになる。
要するにフィクションがリアルを侵攻している。
プーチンの妄想もテロリストの理想もイスラエルの恐怖の拡大(による過剰な反撃)もすべては人間の脳内のフィクションから始まり、いつの間にか現実の地獄を産み出した。
水木先生の描く妖怪も、人間のフィクション(欲望、願望、野望…)がなければ、もともとは無害であったはずの非存在(質量もエネルギーも持たない)が、見えるようになると同時にリアルな害悪を為すものに姿を変える。
そんなことを思いながら見ると、とても深くて哀しくて切ない、奥行きのある作品でした。
「ルパン三世/カリオストロの城」の作画監督がTVシリーズ第一期のキャラクター・デザインを担当した大塚康生氏ですから、あの絵柄をルパンの初期値だと捉えても間違いじゃないですよね。
京極夏彦さんの著作は読んだことがないので、挑戦してみようと思います。
〉プーチンの妄想もテロリストの理想も……
なるほど、脳内のフィクションから始まったというのは説得力あります。
今、欧米でユダヤ人を批難する行動が勃発してますが、結局人間ってそういう性質なんだと悲しくなります。
中国人が日本の水産業者に嫌がらせの電話攻撃をしたり、日本人が在日朝鮮人へのヘイトスピーチを繰り返したり、皆んな自分の頭の中で勝手に作り上げた「誤った正義感」に基づいて行動してるのは同じですね。
マジで スタンディングオベーション如きの褒め方では足りな過ぎると思ってしまい笑笑笑
最後に声に出して褒めたくなるくらい見事だとおもいました。
ウェーん、29日まで仕事❗️
ですが、嘆くよりも感謝です。
なんとか元気だから働けるのだし、僅かながらも給料をいただくことができるのですから。
体調のご回復とあわせて、良いお年を‼️
コメントありがとうございます! そういっていただけますと励みになります。むしろここの常連の皆様のように映画館に足を運べていなくて、みなさんの熱意には頭が下がる思いです。グレシャムの法則さんのレビューは、ポイントをいつもガツッと捉えておられて素晴らしいと思います。ただあまりこまめによそさまの感想を巡回していなくてすみません。またよろしくお願い申し上げます。頭のおかしいダリオ教徒なので、ヴォルテックスで彼の演技を観るのは本当に楽しみです!
あはは。
刊行順に並べておくと、今回も登場した「狂骨」がタイトルの「狂骨の夢」が薄いなーと感じるのですが、それだって600頁あるんですよね。
普通のノベルスって大抵400頁くらいじゃないですか。
もし600頁の本を「薄いなー」って感じたら、きっと京極毒に侵されています(笑)
わぁ♪
『虚実妖怪百物語 序破急』
まだ未読でしたー。
これは読まねば!
ご紹介、ありがとうございます〜。
いやぁ、見事な
「鬼太郎×京極夏彦」映画でしたねー。
横溝ネタにすっかり騙されました。
京極さん本人の仕込みだったのか、スタッフに相当頭の良い人がいたのかはわかりませんが(笑)
今晩は。
お久しぶりですかね。コメント、ありがとうございます。
今作は、私の居住区では珍しき5割の入りで(私は、客電が落ちるギリギリに席に入る事が多いので)客層が良く分からなかったのですが、物語が進むうちに子供さんの声で”怖いよ”と聞こえて来て、後半は女性の方々の涕泣が聞こえて来た作品でした。
個人的には、とても哀しくも面白き映画でした。(多くの若き女性達の涕泣が後押しをしたことは間違いないです。)では。