「beautiful old man」マークスマン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
beautiful old man
リーアム・ニーソン主演作を劇場で鑑賞するのは3回目です(ファイナル・プラン、アイス・ロード、本作)。バチバチの銃撃戦な作品がやってくるのかなと思いましたが、予想を良い形で裏切ってくれる作品でした。
前半は緊張感が張り詰めており、麻薬カルテルに追いかけられた親子をリーアム・ニーソン演じるジムが見つけ、流れ弾に当たった母親が死の間際に息子を託してシカゴへ連れて行ってもらうという、展開がとても分かりやすかったです。
今作の魅力は何と言ってもジムとミゲルの祖父と孫のような2人のロードムービーが全編に渡って描かれているところです。しかもこれが冗長過ぎず面白いんです。最初は互いを分かり合えなていない、まぁ当然なんですが、2人が車で移動していくたびに思っていたことを話したり、一緒にご飯を食べたり、最終的にはミゲルが好きな子の話をし出すなど、思わずニヤけてしまうような展開がありました。緊張感はしっかり残しているのにほんわかしている、とてもいいバランスでした。
銃撃戦も少ないながらちゃんと楽しく、百発百中の腕利きのスナイプが滲み出ていました。麻薬カルテルの人間に正確に当てますし、追走してくる車に対しても正確に当ててぶっ飛ばす(なんか想像以上に飛んで笑ってしまいましたが)など、少ない見せ場で強さを見せるという歳を重ねたからこそ魅せる芸当に興奮しました。伏線の回収の仕方も捻っており、ミゲルが銃弾を敵に浴びせるのかと思いきや、装填の瞬間の方を回収してくるシーンが良かったです。
麻薬カルテルの人間たちとの勝負を制した後、ちゃんとシカゴの親戚の元に送り届け、バスの中で眠るように息を引き取るという、まさに映画の中での死に方が格好良かったです。
意外なまでにほっこりし、熱くなる、とても良い作品を観れました。リーアム・ニーソンは最高。
鑑賞日 1/11
鑑賞時間 18:00〜20:00
座席 H-9