劇場公開日 2022年10月21日 PROMOTION

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アフター・ヤン : 特集

2022年10月17日更新

もしも小津安二郎が現代ハリウッドで映画を撮ったら?
世界最注目A24新作は【観るサウナ】【整う】極楽体験
最高級の癒やし×意外性…秋にピッタリの良作お届け!

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静謐にして刺激的――「ミッドサマー」などで知られるスタジオ「A24」が、また映画ファンを新たな境地へと連れ出してくれる魅力的な作品を生み出した。

10月21日より公開となる映画「アフター・ヤン」。近未来を舞台に、ある家族とAIロボットの記憶を通して紡がれる、切なくも美しい物語である。

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キャスト・スタッフはまさに映画ファン垂涎の布陣。長編デビュー作「コロンバス」が絶賛された気鋭の映像作家・コゴナダを監督に迎え、先日閉幕した第79回ベネチア国際映画祭で男優賞(「イニシェリン島の精霊」)に輝いたコリン・ファレルが主演。さらに坂本龍一がオリジナルテーマを手がけるなど、映画界の才能を結集して製作された1本である。

観れば整う――まるでサウナと水風呂のあと、外気浴をキメているときのような“極上の心地よさ”が味わえる「アフター・ヤン」。こちらの特集では、まさに芸術の秋にふさわしい本作の見どころを、余すところなく解説していく。


【予告編】動かなくなったヤンが残したのは、家族への愛おしい眼差しと“秘密”――

【あらすじ】

“テクノ”と呼ばれる人型ロボットが普及した近未来。茶葉の販売店を営むジェイク(コリン・ファレル)と妻のカイラ(ジョディ・ターナー=スミス)、中国系の養女ミカ(マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ)の一家で、大切な家族の一員として共に暮らしてきたAIロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン)がある日突然、動かなくなる。

修理を模索する中で、ジェイクはヤンの体内に、一日ごとに数秒間の動画が撮影された“記憶装置”を発見する。そこには家族を見つめるヤンの優しい眼差し、そして素性不明のひとりの若い女性(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の姿が映っていた。ヤンが残した記憶は何を物語るのか――?


【作品解説】まるで小津安二郎が憑依したような…
A24新作はさらなる“斬新映画”、かつてない映像体験

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[注目①]待望! 「ミッドサマー」などのスタジオ“A24”最新作

「エクス・マキナ」「ルーム」「ムーンライト」「ヘレディタリー 継承」「X エックス」などなど……ヒューマンドラマからコメディ、サスペンス、ホラー、SFまで、芸術性と娯楽性が高い次元で両立した良質作を世に送り出し、映画ファンの絶大な支持を集める「A24」。

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2012年の設立からわずか10年にして、すでにアカデミー賞の常連であり、「A24の新作ならば!」とスタジオの名前で映画館に足を運ばせることができる、現在の映画界における稀有な存在である。同スタジオが最新作ではどんな斬新かつエッジの効いた意匠を凝らしているのか? 映画館で目撃すべし。


[注目②]監督はセンス抜群のコゴナダ! 小津の影響色濃い、やすらかな映像美
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A24が誰と組むのかも重要なポイント。過去にはアリ・アスター監督(「へレディタリー 継承」、「ミッドサマー」)の衝撃を世界中に広げ、「ミナリ」ではブラッド・ピット率いる「PLAN B」とのタッグで賞レースを席巻した。

「アフター・ヤン」の監督を務めるのは、長編デビュー作「コロンバス」が称賛を浴びたコゴナダ。日本が世界に誇る名匠・小津安二郎の信奉者として知られており、「コロンバス」も小津へのオマージュを散りばめている。

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そもそもコゴナダという名前は、「晩春」や「東京物語」などの小津作品の脚本を手がけた野田高梧(のだこうご)に由来する。本作「アフター・ヤン」でも随所に小津の影響が見受けられるので、映画ファンであればあるほど要注目だ。

また、コゴナダ監督と日本との関わりはそれだけにとどまらない。本作の劇中で、岩井俊二監督の「リリイ・シュシュのすべて」で多くの観客の胸に刻まれた名曲「グライド」(作詞・作曲:小林武史)が使用されている。


[注目③]音楽に坂本龍一、主演はコリン・ファレル! 映画ファン垂涎の布陣
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メインテーマ楽曲「Memory Bank」を手がけているのは、こちらもコゴナダ監督が以前から大ファンだったという坂本龍一。また、テーマ曲以外の音楽をAska Matsumiya(アスカ・マツミヤ)が担当しており、先述の「グライド」もAskaがアレンジを加え、Mitski(ミツキ)が歌う新バージョンとしてよみがえらせている。

そして、ロボットが普及した近未来において茶葉の専門店を営み、ヤンが遺した記憶の謎を解明していく主人公・ジェイクを演じるのは、今年度のベネチア国際映画祭の男優賞に輝くなど、今ハリウッドで最も脂ののった俳優と言えるコリン・ファレル。

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映像表現、音楽、そしてキャストとすべての面において、映画的好奇心をくすぐる布陣が整っている。


【レビュー】編集部が実際に観てみたら…
これは“観るサウナ”…精神が整う唯一無二の極楽体験

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映画.com編集部によるレビューを掲載。先に断言しておこう。「アフター・ヤン」は映画館での鑑賞料金と時間を費やして観る価値は大いにある、唯一無二の作品である。


[とてつもなく好きな映画]
新しい、でもどこか懐かしい…意外な演出も多数、グイグイ観られる
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小津安二郎という巨匠の名と、近未来のロボットという意外な組み合わせに「どんな映画?」と腑に落ちないかもしれない。だが、本作を観ながら終始感じられるのは、不思議な懐かしさをともなう心地よさである。

美しい陶器のような感触とでも言うべきか。スタイリッシュな映像表現で描き出される近未来の世界、AIロボットの物語は一見、ひんやりとしているようで、なんとも言えない温かみがある。登場人物たちの紡ぎ出す言葉や表情から、静かにジワリと愛情や哀しみが伝わってくる。

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また、意外にもコミカルな演出も随所にちりばめられており、冒頭の“ファミリーダンス”は衝撃的の一言。ジェイク、カイラ、ミカ、そしてヤンの家族4人が、激しいビートに合わせて、振りをそえながら真顔で踊る、踊る、踊る!

次いで、コリン・ファレル演じるジェイクが、茶葉に魅せられた理由をヤンに明かすシーンも見逃せない。感銘を受けたドキュメンタリー映画として、2007年の「All in This Tea」(日本未公開)を挙げる。そして劇中の一節を引用するが、なんとファレルが同作に登場するベルナー・ヘルツォークのモノマネを披露するのだ(これが意外にも激似で、観る人が観れば爆笑必至)。


[観て、整う]
まるでサウナ後の外気浴みたいな“極楽体験” この秋、おすすめの一本!
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物語自体はミステリーの要素もはらんでおり、穏やかで静謐な作風とは裏腹なスリルも印象に残る。ヤンの記憶にたたずむ謎めいた女性の“正体”、そこから浮かび上がる、AIロボットでありながらヤンが抱える“秘密”……観る者を飽きさせることなく、終盤までグイグイと引っ張っていく。

そしてもうひとつ、本作を鑑賞する“効能”として伝えたいのが、身も心も軽くなるという点だ。まるでサウナ→水風呂→外気浴をたっぷり3セット堪能したみたいに、観ればきっと精神が整う。

というのも、“記憶”がテーマのひとつとなっている点が重要。ヤンが残した記憶をのぞき見するなかで、美しい風景や環境音、そしてヤンの家族への温かい感情が、断片的に、エモーショナルに押し寄せてくる。これにより映画鑑賞自体が“観るサウナ”とも言うべき極楽体験となるのだ。

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この感覚は言葉で伝えるよりも、実際に体感してほしいと切に願う。映画館のスクリーンの映像と、良質な音響から流れるBGMに全身を浸せば、最高効率で心と身体が“整う”――唯一無二ともいえる魅力に満ちた本作は、過ごしやすい秋にピッタリの作品である。


【海外の評判】大手メディアも絶賛噴出!
「忘れられない映画」A24渾身作はやっぱりすごかった

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東洋的な哲学が散りばめられ、ヤンの存在や記憶を通じて、生と死、命のつながりについても問いかける本作。欧米のメディアや批評家たちは本作をどのように評価したのだろうか? いくつかの大手メディアの声を紹介しよう。


「とにかく愛おしい」――ENTERTAINMENT WEEKLY

「静謐で華麗」――HUFFINGTON POST

「まるで小津安二郎監督がアメリカの SF 映画を作ったかのような味わい」――THE HOLLYWOOD REPORTER

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「人間とは何かを問いかける」――COLLIDER

「忘れられない映画」――THE WRAP

「こんなコリン・ファレルは見たことがない」――THE LOS ANGELES TIMES

「爽快で、大胆で、美しい」――ROLLING STONE


この秋、映画館で静謐で美しくもドラマチックな世界に浸りつつ、すっきりと心を整えてみてはいかがだろうか?

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