劇場公開日 2022年10月21日

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アフター・ヤンのレビュー・感想・評価

全85件中、1~20件目を表示

4.0水や空気や光のように沁み込んでいく

2022年10月30日
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驚くべきことに、コゴナダと名乗るこの監督はたった2作の長編で唯一無二の作風を確立させてしまった。そこには穏やかでなだらかな空気が流れているものの、だかといって何もないわけではない。彼が敬愛する小津作品でちゃぶ台を捉えるカメラの高さまで緻密に計算されていたように、本作もまた、降り注ぐ光や人の動き、建築物の構造に至るまで、全てに意味があるように思える。メインの家族があのような人種構成になっているのにもきっと何かしら理由が付随するはず。その家族肖像の一角にAIの存在があり、それはよく見かけるダークSFのように暴走などすることなく、むしろ誰よりも深い内面世界を垣間見せてくれる。この映画の心地よさの根底には、こういった未来絵図やストーリーのナチュラルな構築と積み重ねがあり、我々は本作を理解するのではなく、ただそのままに浴びて、胸いっぱいに吸い込む。まるで大切な家族や友人のような未来がそこにはあった。

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牛津厚信

4.5西洋と東洋。哲学と詩情と映画。多様な要素の幸福な融合

2022年10月23日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

幸せ

“静謐”と評されることの多い、全編を貫く穏やかな様式美が心地よい。それは、すぐ隣にいる人から話しかけられるような、普通の会話とささやきの中間くらいの声量による台詞の発声や、スタイリッシュな建築のインテリアや庭を背景に人物を配する精妙にコントロールされた構図、映像に寄り添う劇中歌やBGMが醸し出す情感の組み合わせによって生み出されている。 そうした様式美はすでに、モダニズム建築の宝庫であるインディアナ州コロンバスを舞台に、韓国系建築学者の息子と図書館勤務の高卒女性(「アフター・ヤン」でもキーパーソンを演じるヘイリー・ルー・リチャードソン)の邂逅と再生を描いたコゴナダ監督の長編デビュー作「コロンバス」でほぼ確立されていた。タイプは少々異なるが、“映像詩”と称されるテレンス・マリック監督の諸作に近い、一貫したスタイルを感じさせる。 小津安二郎を敬愛し、小津監督との共同脚本を多数手がけた脚本家・野田高梧(のだ こうご)にちなんだ名を名乗るコゴナダは、韓国生まれの米国育ち、現在はロサンゼルスに暮らす映像作家。劇映画を手がける前は、委託されたビデオエッセイの形式で、小津や是枝裕和、ヒッチコックやキューブリック、ウェス・アンダーソンといった名匠たちの作品の分析と批評を行っていた。そうしたキャリアからも、映像スタイルと作家性にきわめて意識的であることがうかがえる。 湯の中を茶葉が浮遊するガラス容器の中と、AIヒューマノイド・ヤンのメモリに残されていた記憶の断片が整然と浮かぶ仮想空間のアナロジーが意味するのは何だろう。私たちが“世界”と“自己”を認識するのは記憶の蓄積によってであり、さらに言えば長い歴史の中で蓄積されてきた集合知によって、世界と自分は認識されている。そんな思索が込められているのだと、私は解釈した。

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高森 郁哉

2.0唯一

2024年10月17日
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ファミリーダンスバトルから始まる 「4人」家族用の 世の中にはいろんな形の家族がある 血のつながり、人種、アンドロイド 彼らはそれらを超えた家族 それを繋いでいたのはアンドロイドのヤン 彼らは確かにお互いが愛し愛され必要とされる家族だった。 父はヤンの時折会話の中で「その言葉はプログラムにはない」と答えていた彼の数秒の記憶を読み取って、そのプログラムにヤンの気持ちを最後に封印されていた底にある人間らしさの事実を知る ブレードランナーみたいな強いアンドロイドではなく、優しいアンドロイドのツヤツヤのヤンの髪型に光る輪が天使のようだった 優しいヤン 血のつながりについて接木の話を例えにゆったりミカに語るヤンが印象に残った 最後、静かに横たわるヤンにミカは中国語でなんと言ったのだろう。 別れの言葉か、感謝か愛か… 観ていて本当にタイトル通りビフォアの様子があまりなく「アフター」なのね…と思った こんなに不味そうなラーメンは初めて観た。

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なつ

4.0美しい

2024年5月31日
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鑑賞方法:VOD

水の滴るような美しい映画 アップダウンなし 平坦なストーリーだが映像美、静かで美しい哲学的な雰囲気

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kanae

4.0ヤンと家族のドラマ

2024年4月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

寝られる

近未来で、実際にいつかこんな日が来るのかな?って観てました。映画のストーリーとは関係ないけど、お家の中が超素敵でした。それにお茶。丁寧な暮らしって感じに憧れ。本題の機械人間のヤンは大事な家族でしたね。彼には感情は無かったかもしれないけど、周りには影響大でした。終始しずかな映画でしたが、ヒーリング映画みたいな、どこか癒されるものでした。

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ノブ様

3.0意外にもアート系

2024年3月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

寝られる

 茶葉店を営むジェイク、妻カイラ、養女ミカは、テクノのヤンと暮らしていた。しかし中古だったヤンが、動かなくなってしまう。ジェイクは、修理するためにあちこち奔走。そしてヤンの記憶バンクを見てみると。  カイラはアフリカ系、ミカとヤンはアジア系。西洋のアジア考と、ロボットのヤンとクローンの仄かな関係が織り込まれています。途中ずいぶん眠くなってきて、これはいわゆるアート系の作品。

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sironabe

3.5「4人家族ダンス」を見返そう

2024年1月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

新古車を買ったと思ったら、実は結構な中古車だった。走行距離を調べたら結構な道のりと場所を走ってた。 そんな風に、ふざけては観れない美しいメモリーと風景のもう一度観たい物語。 オリジナルテーマ:坂本龍一

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ナイン・わんわん

4.5SFだけどとても詩的

2024年1月15日
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鑑賞方法:VOD

こんなに綺麗な目線で生きれたらどんなに幸せか

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hoo

3.5家族の一員のような存在のロボットを失う。 ちょっと想像できないが、...

2023年10月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

家族の一員のような存在のロボットを失う。 ちょっと想像できないが、ペットを失うのに匹敵するのか、あるいはそれ以上か。 何とも物悲しく、かつほっこりする映像の連続だった。

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省二

4.0出自の良く分からない品物

2023年10月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

楽しい

知的

中級の夫婦が中国系養女(中華系なのになんでミカなんだろ?)のために買った再生品の青年テクノ・サピエンス(アンドロイド)「ヤン」。こいつが突然故障する。悲しむミカのために父は修理に奔走する。ところがヤンにはスパイウェアが潜んでいたりなど、何かいわくつきのアンドロイドであることがわかる。販売店のそっけない「新品を買った方が安いですよ」みたいなとことか、友人のハッカーとのヤンのあつかいめぐる違法だとかどうとかのやりとりや、テクノ博物館で判明する、実はヤンは貴重品ともいうべき古いモデルだったこととか、なかなか面白いネタが盛り込まれています。 スパイウェアとして動画が記録されており、苦労してこの記録を掘り出して観る父。そこで彼が見たものは.... なかなか秀逸な作品でした。 ミカ役の少女がとてもかわいい。インドネシア系らしい。

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arlecchino

3.5ハーモニー

2023年4月10日
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鑑賞方法:VOD

ジャケット写真で柔らかに微笑む家族。 父のジェイク(コリン・ファレル) ジェイクの妻で肌色の黒いカイラ。 そして養子のミカは中国人。 ミカの育児ロボットのヤン(ジャスティン・H・ミン) その4人が木立の緑の中で、満ち足りた表情で写真に収まっている。 バランスは突然崩れる。 ミカの大好きなヤンが故障したのだ。 かけがえのない兄(ヤン)がこの世からいなくなるかもしれない。 ミカは悲しむ。 しかしヤンの喪失は劇的なドラマとしては描かれない。 イギリス人のコリン・ファレル。 妻役の女優はジャマイカ人。 ヤンは韓国人の容姿。 そしてミカは中国人。 どうしてジェイクとカイラは実子を持たないのか? 持てないのか? その辺が気になるのは、私が世俗的だから? コゴナダ監督は韓国系アメリカ人。 テーマ音楽は監督が尊敬する坂本龍一。 そしてコゴナダ監督は小津安二郎の信奉者だと言う A24が手がけた作品とは思えないほど、穏やかで静謐。 新しい家族の形。 養子だったりAIだったり、 愛したAIが故障して治せなかった時。 家族を失った時と同じ痛みや悲しみを感じる。 そしてヤン。 「私に幸せは分かりません」 そう言っていたが、 ヤンも家族を深く愛していたのが、よく分かる。 遠くない将来、 人間とAIは限りなく《同じ》 そう言う存在に近づくのかも知れない。

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琥珀糖

3.0アイデンティティ

2023年3月2日
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ルーツ探求のテーマからAI、ロボは離れることができるのか?

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filmpelonpa

4.0 コリン・ファレルが良かった。ヤン役の人も、女の子も。リリカル。

2023年2月24日
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 コリン・ファレルが良かった。ヤン役の人も、女の子も。リリカル。

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えみり

4.5どこか懐かしい、未来。

2023年2月4日
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鑑賞方法:映画館

イニシェリン島の精霊の流れでコリン・ファレルの作品を鑑賞。 アンドロイドの話としか知らずに鑑賞したが、とてもいい! # 世界観 未来と過去の伝統が共存した世界。 テクノロジーが進歩しているのにどこか温かく感じる世界。こんな未来になってたらいいなあ。 # 演出 明かりが暗い中でも、温かい雰囲気を醸し出しており、 その中で、明るい自然と家族のシーンがより一層際立って見えた。そして、最後の終わり方。あんな終わり方をする映画は初めて。 アンドロイドであるけど、そのような描写がほとんどないのも好印象。 # 脚本 哲学的な問いが多く難しい一方で、明らかになる秘密もあり、面白かった。中途半端ではあるが、全部を描かないあたりが余韻をさらに際立たせる。 # キャスト コリン・ファレルは自然な演技がうまい!昔、大作にひっぱりだこだった頃より今のほうがいい。 # 音楽 坂本龍一のベース音楽、シンプルなんだけど耳に残り、世界観を一気に作っている。戦場のメリークリスマスみたく、不思議な感覚に陥る。 派手さはなく、ドラマティックな展開もないんだけど、観たあとは心地よい気分になりました。 2023年劇場鑑賞19本目

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ひでぼー

2.5未来のAIロボット?

2023年1月16日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

人型ロボットが普及した未来、茶葉の販売店を営むジェイクと妻カイラ、幼い養女ミカとロボットのヤンが暮らしていた。ある日、ヤンが故障で動かなくなり、ヤンを兄のように慕っていたミカは落ち込んでしまった。ジェイクは修理方法をあたるが、直りそうにない。そのうちヤンの体内に毎日数秒間の動画が残されていて、そこには家族や謎の女性の姿が記録されていた、という話。 未来のAIロボットってヤンのようになってるのかも、って観てた。 で、これは何が伝えたかったのだろう?観終わって考えてもわからなかった。 養女のミカが生意気で可愛くなかったし。

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りあの

5.0そこはかとないブレードランナー感

2022年12月14日
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鑑賞方法:映画館

そこはかとないブレードランナー感を感じてしまった。 ハードボイルド要素を抜いた、かつドゥニ・ビルヌーブ風映像とでも言おうか。 リドリー・スコット監督のブレードランナー、その最後でレプリカントのロイが わたしの見たものを見せてやりたい、のような言葉を残して命尽きたように覚えている。 (勘違いなら陳謝) 長らくその景色がどんなものだったのか、何を経験してきたのか、 垣間見ることは恐ろしいようであり、だからこそ気になり続けていた。 もちろん重なる所はないが本作に、そんなロイの姿をだぶらせている。 記憶として残る、残す時、 心にいったい、そうせしめるだけの何が飛来しているというのか。 はっ、とする瞬間。セレンディピティ。 ヤンのそれが一日の数秒間だけと限られていたならなお、 それら印象的瞬間の積み重ねが「私」という時系列を、 「心」そのものを紡いでいるのかもしれない、と改めて本作に振り返る。 だからしてありふれた日常もヤンのメモリーの中 美しきアートとなって保存されている。 無意識にしろ意識的にしろ選び抜いた心と記憶の不思議。 わたしもすべてを覚えていないなら、 思い出せる断片を大事にしたいと思う。 何より記憶の美しさを際立たせるのは、 主を失ってもなお、というくだりだろう。 主観でありながら、もう二度と立ち返ることのできない完全無欠の客観視点は 生命の儚さを印象付けて止まない。 生の一回生。 もうヤンは起動しない。 事実がひたすら心に沁みる。 原作が読んでみたくなった。 想像以上に刺さる作品だった。

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N.river

4.0誰にでも合わないかも…… でも、優しい優しい作品

2022年12月13日
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「こんなAIになら介護してもらいたい。」と思うくらいやさしくて思いやり深い。 途中、クローンがでてくるのは唐突な感じがするが、最後「あ~それでクローンね」と納得させられる。 ヤンのメモリーがフラッシュのように暴かれていく中で真相がわかっていく過程は胸が熱くなる。観る側に想像力と読み取る力がないと退屈でなんのこっちゃとなりそうだが、理解できればとても良い作品。

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エンドラ

3.0なんか思ってたのと違う

2022年12月2日
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2022年劇場鑑賞277本目。 人間と見分けがつかない家政婦アンドロイドが壊れたけど直せなそうなので困ったなぁという話。 なんだろう、もうちょっと情に訴えてくる感じなのを想像していたのですが、ミステリー要素も多く泣きにいったつもりがうーんという感じでした。コリン・ファレルが主演の時点でちょっと嫌な予感していたんですが。別に下手とかじゃなくて、彼の出演作はなんかドライなイメージがありますもので。 ただ、一つだけ、オープニングの家族4人のダンスバトルだけはめっちゃ良かったです。

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ガゾーサ

4.0アジア人とは何なのか

2022年11月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

アジア系の女の子を養子に持った一家で家族のように過ごしていた人型ロボットヤンがある日突然故障し、ヤンの中に残った記録と共にヤンと過ごした日々を思い返す家族の話。 恐らくヤンがこの一家に来たのは単に家政婦的な役割と中国人(系?)のミンが家族の中で疎外感を感じないようにするため。でもヤンは中国に住んだこともないから、求められている役割と自分の見た目とルーツの乖離に多少の葛藤はあったっぽい。 中国文化に傾倒しているように見える一家も、ミンがコチュジャンを作ったと嬉しそうに言っていたり、ラーメンを一緒に食べる夫妻だったり、どことなくアジアの文化が混在している。この、アジアという大きな括りに傾倒しているのかピンポイントで中国が良いのか不明な、リベラルで裕福な家の"異文化理解しています感"がリアル。 4人全員が写っている写真を飾っているけど、ヤンのメモリには自分のいない3人の姿が記録されているように、一家は良好な関係を築いていて家族の一員のように受け入れていたと思っていても、ヤンの視点では夫妻についてはどこか1歩離れて見ていたのが少し切ない。 「アジアとは何なのか」、アジアの文化について深く語るジェイクや老子の言葉に少し感銘を受けるカイラを見て、ヤンと同じように自分もそう思った。アジアの文化を褒めながら「人間になりたかったかな」と少し上から目線なジェイクが、「西洋人になりたかったかな」に置き換えれるような気がする。やっぱ西洋人になりたいもんな私は。そもそも1歩引いて少しはにかんだような顔でいつもそばにいるヤン自体が、いかにも西洋人がアジア人を模して作った感があるしなぁ。 過去のシーン、なんか同じこと2回言ったり結構反復されてて変だなと思ったのだけど、私はあれ、やんの記録を見返すように自分の記憶でも同じところを何度か思い返したりしてるからなのかなと思った。ただ、中国の文化ごちゃごちゃ話してる時にそれやられると何も話が入ってこんです。

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せつこん

3.0不思議な世界観

2022年11月24日
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鑑賞方法:映画館

終始、静かで不思議な世界観の作品だった。 ヤンの家族が 異なる人種のカップルで、さらに娘は養子。 養子の娘のためのAI……と、盛り込まれている要素が多く主題をとらえるのがやや難しいかもしれない。 ただ、純粋にヤンの目を通してみる世界は悪くないなと思ったし 家族がヤンを失った悲しみは伝わる作品だった。 近い将来、このような世界が訪れるのだろうか。

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nana