「AIの方が、人間よりアイデンティティを持っている」アフター・ヤン Masatoshi Matsumotoさんの映画レビュー(感想・評価)
AIの方が、人間よりアイデンティティを持っている
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いろんなところで、監督が小津安二郎監督の信奉者というのが、滲み出ていた。そして、これまでAIというとマーベルとかにあるような近未来の殺戮ものというイメージに囚われがちだが、ヤンが動かなくなったという点、そのヤンがほとんど人間と変わらない点をみれば、小津ドラマの21世紀版。
小津の映画がそうであるように、すごい非日常のドラマがあるわけではないのだが、ヤンの記憶媒体の中を探るうちに、彼の温かみのある思いが垣間見れたり、いまの人間が忘れているそういった温かみのある心根を教えてくれる。
それにしても、本作はミッドサマーでお馴染みのA24の配給だが、万人受けはしないかもしれないけど、いいものを見せてもらえた。
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