「外国映画では珍しい「侘び寂び」」アフター・ヤン たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
外国映画では珍しい「侘び寂び」
キノフィルムズ試写室にて鑑賞。
近未来でAIロボットが家族と共に暮らす世界で、AIロボットが故障してしまう。
今まで4人家族だったのが3人家族になる感覚が、閑寂と共に奥深く敬愛を見せる家族の姿として描かれる。こうした姿は美しく、なかなか外国映画では見られない「侘び寂び」が描かれた稀有な映画ではなかろうか。
本作のコゴナダ監督は、小津安二郎監督を敬愛しているとのことにも納得してしまう綺麗な映像、登場人物の心のひだを描くような展開が素晴らしい。
ちなみに、コゴナダ監督の名前の由来は、小津安二郎監督作品で多くの脚本を手掛けた野田高梧さんのお名前から。
故障したAIロボットの記憶を辿るシーンは、いかにもSF映画っぽくて美しく、AIロボットが恋することなど無いとは思うのだが彼の記憶に出てくる女性は美しい。
また、序盤でのダンスシーンは、本作の見どころかも知れない。
……と書いてきたが、個人的にはデジャヴ感たっぷりの作品に見えてしまったことから、さほどのめり込めず、微妙な映画に見えてしまったのは惜しい。
<映倫No.49380>
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