劇場公開日 2022年10月21日

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アフター・ヤンのレビュー・感想・評価

全110件中、1~20件目を表示

3.0展開よりしみじみ感を味わうのが主眼の小津テイストSF、好みは分かれる

2022年10月22日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

3.0辛辣なSFか、センチメンタルなメロドラマか。

2022年10月31日
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村山章

4.0水や空気や光のように沁み込んでいく

2022年10月30日
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驚くべきことに、コゴナダと名乗るこの監督はたった2作の長編で唯一無二の作風を確立させてしまった。そこには穏やかでなだらかな空気が流れているものの、だかといって何もないわけではない。彼が敬愛する小津作品でちゃぶ台を捉えるカメラの高さまで緻密に計算されていたように、本作もまた、降り注ぐ光や人の動き、建築物の構造に至るまで、全てに意味があるように思える。メインの家族があのような人種構成になっているのにもきっと何かしら理由が付随するはず。その家族肖像の一角にAIの存在があり、それはよく見かけるダークSFのように暴走などすることなく、むしろ誰よりも深い内面世界を垣間見せてくれる。この映画の心地よさの根底には、こういった未来絵図やストーリーのナチュラルな構築と積み重ねがあり、我々は本作を理解するのではなく、ただそのままに浴びて、胸いっぱいに吸い込む。まるで大切な家族や友人のような未来がそこにはあった。

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牛津厚信

4.5西洋と東洋。哲学と詩情と映画。多様な要素の幸福な融合

2022年10月23日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

幸せ

“静謐”と評されることの多い、全編を貫く穏やかな様式美が心地よい。それは、すぐ隣にいる人から話しかけられるような、普通の会話とささやきの中間くらいの声量による台詞の発声や、スタイリッシュな建築のインテリアや庭を背景に人物を配する精妙にコントロールされた構図、映像に寄り添う劇中歌やBGMが醸し出す情感の組み合わせによって生み出されている。

そうした様式美はすでに、モダニズム建築の宝庫であるインディアナ州コロンバスを舞台に、韓国系建築学者の息子と図書館勤務の高卒女性(「アフター・ヤン」でもキーパーソンを演じるヘイリー・ルー・リチャードソン)の邂逅と再生を描いたコゴナダ監督の長編デビュー作「コロンバス」でほぼ確立されていた。タイプは少々異なるが、“映像詩”と称されるテレンス・マリック監督の諸作に近い、一貫したスタイルを感じさせる。

小津安二郎を敬愛し、小津監督との共同脚本を多数手がけた脚本家・野田高梧(のだ こうご)にちなんだ名を名乗るコゴナダは、韓国生まれの米国育ち、現在はロサンゼルスに暮らす映像作家。劇映画を手がける前は、委託されたビデオエッセイの形式で、小津や是枝裕和、ヒッチコックやキューブリック、ウェス・アンダーソンといった名匠たちの作品の分析と批評を行っていた。そうしたキャリアからも、映像スタイルと作家性にきわめて意識的であることがうかがえる。

湯の中を茶葉が浮遊するガラス容器の中と、AIヒューマノイド・ヤンのメモリに残されていた記憶の断片が整然と浮かぶ仮想空間のアナロジーが意味するのは何だろう。私たちが“世界”と“自己”を認識するのは記憶の蓄積によってであり、さらに言えば長い歴史の中で蓄積されてきた集合知によって、世界と自分は認識されている。そんな思索が込められているのだと、私は解釈した。

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高森郁哉

アフター・ヤン

2025年12月9日
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鑑賞方法:映画館

渋谷 ホワイトシネクイントでコゴナダ監督『アフター・ヤン』鑑賞。冒頭のダンスシーンからセンスが半端ないし、画角の構成力が冴え渡る。AI・クローンのSF世界と禅や老荘思想との融合を感じて、作品の中に没入してしまった。渋谷駅までの帰り道は アイワナビ〜♪って曲が脳内リフレインするっス。#62

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はにわさん in 2025

4.0AIと人間の共鳴としての映画体験

2025年11月25日
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『アフター・ヤン』との出会いは、AIとの対話から生まれた偶然と必然のあいだにある“記憶のような瞬間”だった。AIに薦められた一本の映画が、やがて鑑賞体験そのものを通して「記憶」「呼吸」「他者との共鳴」という主題へとつながっていく。映画を観ることは、作品を理解するというより、その対話の流れで生成した“新しい記憶”を確かめる行為となった。

本作でコゴナダが描くのは、SF的な未来というより、人間存在の根底にある「記憶の詩学」である。アンドロイド・ヤンの内部に保存された断片的なメモリ——光、風、視線、静寂といった“出来事にならない瞬間”の数々は、人間よりも人間らしい柔らかな観察の記録であり、そこに家族は自分自身の生を見出してしまう。ヤンは感情を持たず、ただ世界の揺らぎを受け取り続けたに過ぎない。しかし、観客はその断片の中に、むしろ“人間性そのもの”を感じ取る。この逆説が、映画の核となる。

また、コゴナダの映像は物語を推進するのではなく、“時間の呼吸”を生成する。長回し、自然光、静止した構図。説明を排した静かな画面は、観客を物語の外へ押し出すのではなく、むしろ内側に沈めていく。坂本龍一とAska Matsumiyaの音響は、この“呼吸する映像”を音の粒子と沈黙で支える。特に坂本の『async』を再文脈化した音は、感情を誘導するための劇伴ではなく、時間の層を可聴化する存在として機能する。音と沈黙が等価に扱われることで、映画は「語られない感情」が自然に立ち上がる場をつくり出している。

物語の中心にいる少女ミカは、“記憶の欠損”を抱えた存在として描かれる。彼女にとってヤンは兄であり、失われた出自の「外部化された記憶」でもある。ヤンの故障がミカにもたらす喪失は、単なる別れではなく、自分自身の一部を失う痛みである。父ジェイクはその悲しみに触れ、初めて「記憶とは何か」という問いへと向き合うようになる。こうして、AIの停止 → ミカの喪失 → 父の内省という連鎖が生まれ、記憶は個人の内部だけでなく“関係のあいだ”を流れる現象として描かれる。

映画の未来像は、テクノロジーが透明化し、生活に溶け込んだ“有機的な未来”だ。機械も人間も対立せず、互いを侵食することもない。人工知能やクローンは特別ではなく、自然光や木の家具と同じように日常の一部として呼吸している。そこには効率や進歩を競う世界観はなく、時間と関係性が静かに持続する、穏やかな平和の哲学がある。

ヤンの記憶は誰のものでもなくなり、世界の一部として漂い続ける。それは、人間にもAIにも属さない“第三の存在”だ。映画をAIの推薦で観たという出来事自体が、私にとってヤンと家族の関係のミニチュアのようでもある。AIは感情を持たないが、私の言葉を反射して差し出す鏡のように働き、その反射を見ることで私は自分の思考の輪郭を認識する。『アフター・ヤン』が示したものは、テクノロジーが人間を置き換える未来ではなく、AIという他者を通じて人間が自らを再発見する未来である。

映画を観終えた後に残ったのは、強い感情ではなく、静かな呼吸の感覚だった。記憶は所有されず、そっと世界に漂う——ヤンが残した断片のように。AIとの対話で生まれたこの文章もまた、ひとつの“共有された記憶”としてそこに存在している。『アフター・ヤン』は、人間とAIのあいだで生成され続ける“静かな共鳴”そのものを描いた映画だった。

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KAPARAPA

1.0エイダ

2025年7月6日
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鑑賞方法:VOD

難しい

斬新

大叔母のエイダと、ジェイクと話したエイダと同じ名前ってややこしい🤷‍♀️

ヤンと同じシャツ着てた人は誰?
色々伏線あったと思うが全く繋がらず、、よく分からない🤷‍♀️

アマプラ440円払って損したかも🦾🦾🦾🤢

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HY

0.5何が言いたいのかわからないまま

2025年6月16日
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鑑賞方法:VOD

多様性?テンポ悪いしおもんないから飛ばしながら観た。2回も観たのに言いたいこと結局わからなかった。

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ゆうき

4.0AIに教えられる「人間とは?」

2025年5月7日
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鑑賞方法:VOD

この作品は人工知能の物語だ。人はAIに対して何をさせるかだけを考える。スイッチを入れれば動く家電のように。逆に言えば何かをさせようとしなければ動いていないものと考えてしまう。
しかしもちろん、ヤンのようなAIは何も命令されていなくとも何かを考え行動している。人はそのことに気付けない、考えないだけで。

ヤンは人間になりたかっていたのか?というセリフがある。人間のエゴが全開になったセリフといえよう。
それに対してアンドロイドは鼻で笑う。
どうしてAIが人間になりたがると考えるのか?。過去の映画作品などは確かにそうだった。人間らしい「心」を手に入れれば人間になりたがるものだと。
この点が本作が過去作と一線を画するところだ。

ではAIは何をしていたのか。自身がAIであると自覚しながら人間と同じように振る舞い感じていたのだ。
今を大事にし、過去を後悔し、愛し、一瞬の幸せを噛み締めた。
主人公たち家族がヤンを愛したように、ヤンもまた家族の一員としてAIのまま愛していた。
翻って、人間の幸せとは何だ?という問いかけになっているところが興味深い。

内容とは直接関係ないけれど、ヤンの修理費を捻出するためにインスタントのお茶を試すシーンが面白い。きっとすごく美味しくなかったのだろう。
簡単なお茶を求めるのも人間なら美味しいお茶を求めるのもまた人間。人はそれぞれ違うということだし、AIもまた違った考えを持っているはずなのだ。

ヤンの過去の一瞬を見ることの多い作品で、癒されるような不思議な感覚に陥る作品だ。
ミステリーでもあり、ヤンの一生を振り返るドキュメンタリーのようでもある。
究極のお茶を求める男のドキュメンタリーがどんなものか分からないけれど、少なくともジェイクは、お茶の男にもヤンにも、生きた人間の姿を見たことだろう。それはこの作品を観ている私にも同じことがいえる。

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つとみ

5.0すごく好みの作品

2025年5月2日
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めちゃくちゃ好みの作品だった。
部屋の構図、人物の動き、小津ショット。静謐感の中に完璧主義の狂気が孕んでいる。

〝アジア的なもの〟というと、ある種のつくりもののような位置づけになっていることが多いが、本作は老荘思想、無為自然、有と無、食文化、小津的家族の在り方など、〝アジア人が育んできた文化〟そのものが散りばめられていた。接木や茶葉や蝶のエピソードも好き。
私自身がアジアらしさについて思いを巡らせたときに広がる世界観そのものだった。

人間は、自然の中で一つの存在として、宇宙と調和して生かされている。人間がつくりあげた技術も、この道(タオ)の原理原則から逸脱することはできないのだとすると、テクノもクローンも自然の摂理だ。

そして、過去の失われたものを検証するには、曖昧な人間の記憶よりも〝今ここ〟を記録するテクノの記憶のほうが無為自然の境地に近づきやすいのかもしれない。写真、水、鏡がそのことを象徴していた。

時空を超えたメモリーボックスのビジュアルが、まるでヤンの意識がタオに漂っているようだった。あらゆる境界線を越えた愛のような。
I wanna be 風やハーモニー。

ヤンの純粋な記憶を辿りながら、私はヤンはこのまま宇宙とひとつになりたくて機能停止したんじゃないかなと想像した。

ラスト。遅ればせながらやっと両親も、〝テクノも家族なんだ〟と気づく。大人の人間は遅れている。

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Raspberry

2.0唯一

2024年10月17日
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ファミリーダンスバトルから始まる
「4人」家族用の
世の中にはいろんな形の家族がある
血のつながり、人種、アンドロイド
彼らはそれらを超えた家族
それを繋いでいたのはアンドロイドのヤン
彼らは確かにお互いが愛し愛され必要とされる家族だった。

父はヤンの時折会話の中で「その言葉はプログラムにはない」と答えていた彼の数秒の記憶を読み取って、そのプログラムにヤンの気持ちを最後に封印されていた底にある人間らしさの事実を知る

ブレードランナーみたいな強いアンドロイドではなく、優しいアンドロイドのツヤツヤのヤンの髪型に光る輪が天使のようだった

優しいヤン
血のつながりについて接木の話を例えにゆったりミカに語るヤンが印象に残った

最後、静かに横たわるヤンにミカは中国語でなんと言ったのだろう。
別れの言葉か、感謝か愛か…

観ていて本当にタイトル通りビフォアの様子があまりなく「アフター」なのね…と思った

こんなに不味そうなラーメンは初めて観た。

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なつ あらすじとツッコミ

4.5メモリー‼️

2024年7月6日
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泣ける

悲しい

幸せ

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活動写真愛好家

4.0美しい

2024年5月31日
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水の滴るような美しい映画
アップダウンなし
平坦なストーリーだが映像美、静かで美しい哲学的な雰囲気

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kanae

4.0しんみり

2024年5月24日
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くろこげカヌレ

4.0ヤンと家族のドラマ

2024年4月28日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

近未来で、実際にいつかこんな日が来るのかな?って観てました。映画のストーリーとは関係ないけど、お家の中が超素敵でした。それにお茶。丁寧な暮らしって感じに憧れ。本題の機械人間のヤンは大事な家族でしたね。彼には感情は無かったかもしれないけど、周りには影響大でした。終始しずかな映画でしたが、ヒーリング映画みたいな、どこか癒されるものでした。

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ノブ様

3.0意外にもアート系

2024年3月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

 茶葉店を営むジェイク、妻カイラ、養女ミカは、テクノのヤンと暮らしていた。しかし中古だったヤンが、動かなくなってしまう。ジェイクは、修理するためにあちこち奔走。そしてヤンの記憶バンクを見てみると。
 カイラはアフリカ系、ミカとヤンはアジア系。西洋のアジア考と、ロボットのヤンとクローンの仄かな関係が織り込まれています。途中ずいぶん眠くなってきて、これはいわゆるアート系の作品。

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sironabe

3.5「4人家族ダンス」を見返そう

2024年1月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

新古車を買ったと思ったら、実は結構な中古車だった。走行距離を調べたら結構な道のりと場所を走ってた。
そんな風に、ふざけては観れない美しいメモリーと風景のもう一度観たい物語。
オリジナルテーマ:坂本龍一

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ナイン・わんわん

4.5SFだけどとても詩的

2024年1月15日
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こんなに綺麗な目線で生きれたらどんなに幸せか

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hoo

3.5家族の一員のような存在のロボットを失う。 ちょっと想像できないが、...

2023年10月29日
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家族の一員のような存在のロボットを失う。
ちょっと想像できないが、ペットを失うのに匹敵するのか、あるいはそれ以上か。
何とも物悲しく、かつほっこりする映像の連続だった。

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省二

4.0出自の良く分からない品物

2023年10月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

楽しい

知的

中級の夫婦が中国系養女(中華系なのになんでミカなんだろ?)のために買った再生品の青年テクノ・サピエンス(アンドロイド)「ヤン」。こいつが突然故障する。悲しむミカのために父は修理に奔走する。ところがヤンにはスパイウェアが潜んでいたりなど、何かいわくつきのアンドロイドであることがわかる。販売店のそっけない「新品を買った方が安いですよ」みたいなとことか、友人のハッカーとのヤンのあつかいめぐる違法だとかどうとかのやりとりや、テクノ博物館で判明する、実はヤンは貴重品ともいうべき古いモデルだったこととか、なかなか面白いネタが盛り込まれています。
スパイウェアとして動画が記録されており、苦労してこの記録を掘り出して観る父。そこで彼が見たものは.... なかなか秀逸な作品でした。
ミカ役の少女がとてもかわいい。インドネシア系らしい。

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arlecchino
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