「マチューは信用できるのか?」ブラックボックス 音声分析捜査 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
マチューは信用できるのか?
一種の巻き込まれ型サスペンスといえるが、主人公マチューが音に取り憑かれたような人物で、自ら進んで巻き込まれていっている側面もある。
一応、真実を明らかにしたいと思う正義感からくる行動なのだろうが、少々狂人じみてもいる。
マチューがおかしいんじゃないかと感じるところがこの作品の肝だろう。
マチューが言うようなことは何も起きていなくてマチューが狂ってだけかもしれないという疑念がサスペンスを面白くする。
逆にマチューが正しいとしても彼の見付けた違和感はバラバラのパズルのピースでしかない。
中々全貌の見えない複雑さも面白さの一つだ。
マチューが聞いている音だけの情報が視覚化されていく演出は良かった。
ときに間違えたりするところもいい。
やはり、どこまで彼を信用できるのかが肝だったといえる。
荒事の少ないサスペンスで、目立たない作品ながら娯楽度は高い。
サスペンス好きならオススメできる。
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