クーリエ 最高機密の運び屋のレビュー・感想・評価
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主人公より魅力的なソ連将校
ソ連からの機密文書の受け取り役を任されたビジネスマンの苦悩を描く物語。
実話をもとにした映画のようですね。
冷戦真っただ中の60年代のイギリス。当時の書記長フルシチョフの人格に危機感を抱いた高級将校が西側と内通するが、その情報を回収する役回りとして素人のビジネスマンが選ばれるお話
スパイ行為の恐怖、ソ連将校との交流、ストレスから来る家族との軋轢。主人公の内面を描きながら、物語は進みます。
この作品。ソ連将校に対してよりシンパシーを感じてしまいます。銃殺の恐怖、自らの命よりも重い憂国の志、そして家族への想い。とても魅力的な人物です。もっと主人公と交流させ、エモーショナルな関係を描ければ、後半はより感動的な展開に出来たように思います。その点では、少し中途半端だったように思います。
少し失礼な書き方ですが、主人公に映画の主人公としての魅力に乏しいこともあり、将校との係りはとても大切だったように思います。
私的評価は普通です。
一言「いやー、知らんかった!」
1960年代・ソ連・フルシチョフ・KGB・MI6・JFK・キューバ・核開発。
ストーリーに沿って、これだけ並んだらわかりました。
キューバ危機。
どうして核戦争の危機を回避できたのか。
その前後の話が描かれています。
ただの英国・サラリーマンを、情報スパイに勧誘する。
その口説き文句が、ええーって。
「核の4分前警報」。
たった4分で、大切な家族が避難できると思うのか?
事前に知っていたら、守れるのでは?
いやいやいや〜、そんな言葉言われたらねえ。
ソ連・アメリカ(イギリス)、双方ともに「家族を思う気持ち」が溢れてたなあ。
スパイ同志の友情は、国境関係ないってところも。
終盤は結構暴力的シーンもあったけど。
ドンパチがない、スパイもの。シリアス感漂う、スリリングな話でした。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「我々のような人間から、世界は変わるのかも」
第3次世界大戦を止めた男たち
知られざる第3次世界大戦を止めたただのセールスマン。
その功績は今この世界があることに繋がっている。
いまのこの時代だから、なおこの功績の大きさを理解出来らるし、
いままたこのような人物たちの東條が望まれる。
入獄後のウィン役であるカンバーバッチの入魂の熱演が冴え渡っていました。
かつて世界が東西二つの陣営に分断され、しのぎを削った冷戦華やかなりしころのお話し。それはスパイの黄金時代に、史上最も成功したスパイ作戦と言われた西側の一大作戦に関わった諜報員の実話に基づいた作品が本作なのです。
こう書くと、そのスパイは007も凌ぐ、凄腕のスパイと思われるのかもしれません。しかし、キューバ危機で世界救ったのは、実にスパイとは縁のない平凡な男だったというから驚きです。そのどこにでもいる男が、第3次世界大戦の到来を食い止めたのかもしれないのです。
舞台はそのキューバ危機の直前の1960年。産業用機械の輸出業者グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)は、東欧へセールスマンとして頻?に東欧を訪れていることから、英国の諜報部(MI6)に目をつけられます。英米の諜報部は、ソ連政府内の内通者である、GRU(ソ連軍参謀本部情報総局)ペンコフスキー大佐(メラーブ・ニニッゼ)との連絡人を探していたのでした。
本作冒頭でペンコフスキーは、モスクワでアメリカ人の学生に小包を手渡し、これをアメリカ大使館へ届けてくれと依頼するところが描かれます。CIAがこの小包を入手しペンコフスキーのことを知ったのですが、ペンコフスキーの信頼性を疑い、またソ連当局の監視を恐れてすぐには連絡しようとしなかったのです。
そこでウィンならば怪しまれることなくペンコフスキーと連絡がとれるだろうと考え、彼にオファーしたのでした。
国際謀略の世界など何ひとつ知らないままに、情報の運び屋としての役割を引き受けることにしたウィン。それから彼は2年間、家族の反対に直面しつつも、ペンコフスキーからきわめて重要なソ連政府内の情報を英国に運搬し続けたのでした。
折しもソビエトは秘密裏に同盟国キューバに核ミサイル発射基地を建設しようとしていたのです。
ウィンが命がけでもたらした情報はキューバ危機を「危機」のまま終わらせることに寄与しました。
繰り返しますが、これは実話です。ウィンは酒を愛し、ユーモアを好む享楽主義者であり、もとより政治に興味などありませんでした。そんな彼が、単なる情報提供者と運び屋という関係だったペンコフスキーといつしか友情を結んでいきます。見ていてふたりの関係は熱いものを感じました。
後半ではそれが一転し、2人に思いもよらぬ運命がふりかかります。2年間にも及ぶウィンの過酷な収容所暮らしを支えたのは、世界平和に貢献したという強い信念と達成感があったからでしょう。それを覗いさせるのは、ペンコフスキーと一瞬再会するシーンです。ウィンは、祖国を裏切ってまで情報を流し続けたペンコフスキーがもたらした成果を、声を大にして讃えたのです。感動的なシーンでした。素人スパイながらも、ウィンは諜報活動にのめり込んでいく中で、使命感に浸っていたことを覗いさせて充分なやり取りでした。
それにしても入獄後のウィン役であるカンバーバッチの入魂の熱演が冴え渡っていました。体形も顔貌も変え、映画一本を支える重みのある演技に飄々としたイメージのあるカンバーバッチの本気が覗えます。世界的な危機に遭って、自分にできることを精一杯やりきった一市民の真骨頂を見事に演じきってくれました。
事実に基づいたスリリングなストーリーと主演のベネディクト・カンバーバッチによる神経質な演技によって、心躍らせる感動的な昔ながらのスパイアドベンチャーを盛り上げた作品としてお勧めします。(公開日:2021年9月23日 112分)
事実に基づいたお話。冷戦下、旧ソ連から機密情報を運ぶことを託された...
事実に基づいたお話。冷戦下、旧ソ連から機密情報を運ぶことを託されたのはごく平凡な英国のセールスマン。
淡々と進んでいくが、緊張感があった。
キューバ危機から世界を救って彼ら。世界と家族の平和を願い行動したスパイ同士の友情は胸を打つものがありました。
カンバーバッチの役作りは見事です。
2020年にこの映画が作られたのが興味深い
実話をもとにしているストーリーはとても手堅くまとめられている作品だと思うが、今日のウクライナ情勢と核の脅威においてもこのような「情報戦」や「駆け引き」が行われているのかと思うと空恐ろしいとともに、なんだか滑稽な感じがする。米露の関係は60年経ってもあまり進歩していないのだから。
運び屋はセールスマン
1960年代の米ソ冷戦時代の【キューバ危機】の裏話の実話です。
(ケネディ&フルシチョフの名前の響きも懐かしいです。)
2020年(イギリス/アメリカ合作)監督:ドミニク・クック
なぜイギリス人セールスマンが世界危機を救ったのか?
それはアメリカCIAがマークされ過ぎていて身動きが取れなかったから・・です。
イギリスのMI6とCIAが眼をつけたのが、東欧に仕事で行き来していた一介のセールスマン、
グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)だった。
ソ連側の情報源はソ連情報局高官のベンコフスキー(メラーブ・ニニッゼ)
格調高くボリショイ・バレエやオーケストラなどの公演を挟みつつ、
息詰まるスパイ戦を、スリリングに描きます。
スパイから手を引くのを目前にグレヴィル・ウィンが、決断したこと!!
ここから緊張とスリルが急速に高まります。
ウィンに危険が迫る。
後半のカンバーバッチの9・5キロ減量した幽霊みたいな熱演も鬼気迫ります。
スパイがソ連とイギリスをわざわざ人間が航空機に乗り込み、
移動・往復して紙の情報を届ける!!
今では考えられないからこそ、とても新鮮でした。
グレヴィル・ウィンとソ連スパイの友情にも、熱いものを感じました。
スパイ映画の傑作です。
基本的に好みでない。
実話ものは大きく分けると成功譚と光と影のサバイバル譚に分かれる。いずれも実話物は最後に概ねハッピーエンドが用意されてるものが多いが、それに対する陰影をつける意味で、途中かなり視聴者に緊張を強いる局面を用意してあるケースが多い。この作品はまさにその陰影が極端である。全編を通じたストレスフルなストーリー展開は、見た後にぐったりする上、カタルシスも途中の落とし込みで相殺して最後には何も残らない。見てて辛いだけであった。
運び屋
前半はゆるいノリで普通のサラリーマンがスパイに?!みたいな軽さだったけど、ラストはやられた。後半は緊迫感あふれる。
最後の対面シーンは泣けた。
ロシアは毒盛るの好きだね…。
白鳥の湖は悲しいラストで悲劇を予感させた。
いざとなると組織は守ってくれないんだなーと改めて。
2人の友情が高まっていくのがよかった。結局は個人的な関係が大事なんだ。
最初から最後までドキドキ
政治、戦争映画は避けていたけど今のロシアの攻撃によることで興味あったので観ました。
これが実話なんですね。
独裁国家は恐ろしい。
家族にも内緒にしなければいけない孤独に戦わなくてはいけない
最後、核が使われなくなった安堵の表情が忘れられない。
スパイ映画ってなんでこんなにドキドキするんだろ(..)
最後まで落ち着かなかった…
キューバ危機の裏側。
ストーリーの主軸がキューバ危機、MI6とCIAが
協力してソ連の高官から情報を得るため、
一介のセールスマンのカンバーバッチ演じるウィンを
スパイに勧誘する。
カンバーバッチの演技も重厚で役柄に説得力を
持たすのに充分すぎるほど。
ソ連の高官のペンコフスキーを演じるニニッゼも
とてもいい演技でカンバーバッチに引けを取らないほど。
ストーリー後半のカンバーバッチの変化には驚くが、
作品全体にスパイ映画特有の緊張感はそれほど感じなかった。
これが実話だということで十分。作品自体の出来はいい。
事実は小説を凌駕する
単なる商談と思ったら、違った。
スパイになって欲しい。
もし、そう言われたら…?
映画のような話だが、これもまた“事実は小説より奇なり”。
CIAとMI6から依頼を受け、スパイ任務を行い、キューバ危機回避に貢献したイギリス人セールスマンの実話。
スパイ経験が一切無いどころか、スパイでも何でもない一般人がスパイに…!
驚きもさることながら、リアル“ミッション:インポッシブル”!?
さすがに実話だけあって、面白味や緊迫感あり。
派手なアクションは無いが、じっくりシリアスに魅せていく。何度も言うが、これが本当のスパイの世界。世界を股に駆け、アクションを展開するのはあくまで映画の中のスパイだけ。
一般人にスパイが務まるのか…?
そこは、セールスマンとしての手腕。話術や商戦法などで相手の懐に入っていく。
セールスマンはスパイに向いていた…?
実話とは言え、この手のスパイ物あるある。
ターゲットにシンパシーを感じていく。やがてそれは国やお互いの立場を超えた友情を育んでいく。
接触したのは、GRU=ソ連参謀本部情報総局の高官。
国家に背いた裏切り者。
彼の信念。
共に家族ある身。守らなければならないもの。必ずその元へ帰る。
二人で観劇したバレエのシーンが印象的。同じ感動を分かち合い、美しさを感じた。
信じた者に何を託せるか。
信じた者の為に何が出来るか。
二人の男のドラマが非常に胸を打つ。
スパイ役は『裏切りのサーカス』以来。
その時はエリート・スパイだったが、今回はスパイはスパイでもまた別。一般人スパイ。
スマートで“エリート・セールスマン”としての顔は十八番の天才雰囲気を感じさせ、その一方人間味も滲ませる。
絶対的名演のベネディクト・カンバーバッチ。
圧巻なのは終盤。スパイ容疑を掛けられ、冷戦下のソ連の収容所に監禁。
劣悪な環境。食事は反吐が出そうなもの。みるみる痩せこけ、肉体的にも精神的にも追い詰められていく。
それを表す為に、丸刈り&大幅減量。
序盤とは見た目も雰囲気も別人のよう。
丸刈り&減量は終盤のこのシーンのみだが、その為に文字通り身体を張って体現し、カンバーバッチの熱演が本作の価値をさらに高めたと言って過言ではない。
本作では叶わなかったが、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でいよいよオスカー王手。
受賞しても何ら違和感ない、当然の名優。本作を見て、改めてそう思った。
あまりにも数奇で、あまりにもドラマチックな話に、一瞬これが実話である事を忘れてしまったほど。
だって、一般人がスパイとなり、キューバ危機…つまりは第三次世界大戦を回避。友情や信念、家族への愛のドラマもある。
本当に映画そのものではないか!
EDで、本人の実録映像。
事実(ノンフィクション)は小説(フィクション)を大きく凌駕する。
彼は何故スパイでもなかったのに、この任務に命を懸けたのか。
いちいち言う必要も無い。
たった一人の行動が、世界を救う。
それを地で行き、決して不可能ではない。
6ヶ月後
それは凄いことであるが、そこに焦点がいくのもどうかと思ってしまう。序盤の思わずニヤけてしまう薄っぺらさがたまらない。奥さん役のジェシーが良かったな。
実話ベースということで、作られたスパイものよりは単純で説得力もある。ただ、危機回避に寄与したとしてしまっていいのかな?2人の関係の高まりをあまり感じれなかった所。共有しているのは核戦争への危機意識ということか。当時の危機感が現代では薄れているので、印象がぼやけたかもしれない。
スパイ映画の真骨頂
先日観た007よりも、(スパイの実態を知らないから、イメージとしてのスパイだが)スパイ映画らしかった。
スパイ容疑で、ソビエトに囚われたカンバーバッチが、みるみる痩せ細っていく姿は、収容所生活の苛烈さをいやが上にも痛感させる。そんなにカット数はなかったが、この作品に大きな説得力を与えたし、カンバーバッチの役者根性に感服した。アクションはなくとも、スパイ映画の真骨頂を見た気がした。
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