劇場公開日 2021年9月23日

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「想いを同じにする二人の男」クーリエ 最高機密の運び屋 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5想いを同じにする二人の男

2023年12月5日
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鑑賞方法:VOD

キューバ危機を回避するためのスパイもの作品だったわけだけど、単なるサスペンスではなくて敵と味方の「心」が通じ合うドラマだ。
その敵とは内通者なので厳密な敵とは言えないけれど、想いを同じにすれば争いは回避できるのだというメッセージのようでもあった。

本作の二人は、家族を守りたい気持ちが危険な行動の後押しをする。もしバレたら、もし捕まれば、自らの命を危険に晒すことになることを充分に理解していた。
互いが互いを見て、家族を見て、同じ想いを抱えていると感覚的に知ったとき、友情という言葉が軽く感じるような深い繋がりを生む。
グレヴィルとアレックスが顔を合わせる最後のシーンはそれが露わになるクライマックスで、涙なくして観られなかった。

序盤は普通のスパイサスペンスだと思っていたので、やけに何度も出てくる家族のシーンに、テンポ悪いななどと考えたりもした。
しかし守りたい家族の描写なしにグレヴィルとアレックスの関係は語れない。

過度な改変が出来ないので、実話ベースの作品の多くは盛り上がりに欠けることが多いけれど、本作は起こった出来事以外のところに焦点を当てて実に見事に物語を組み立て、ドラマチックさを生み出した。
事前の想像とはかなり違って、面白く感動的なのである。

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つとみ