「最後、ウィンが運んだものに」クーリエ 最高機密の運び屋 tkryさんの映画レビュー(感想・評価)
最後、ウィンが運んだものに
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胸が熱くなりました。
ペンコフスキーが命を賭けて、何を成し遂げたかったのか。
我々観客は彼の目的が正しいものであると、今だからこそ確信を持って言えるわけです。
だからこそ私はウィンがペンコフスキーに吉報をもたらすシーンに胸が熱くなってしまいました。
史実物、スパイ物としても王道ですし、私自身は友情物語として惹かれました。
何気なく映る食事演出もさりげなくグッドです。
この手の映画だと、史実描写やアクション描写、愁嘆場などをモリモリにしがちな所を、抑え目にし、2時間を切る尺に収めるタイトな語り口も良いです。
両国政府や無謀な指導者達に対する、一歩引いた目線、何なら批判的な目線も好感です。
また、主演のカンバーバッジと、もう1人の主演であるニニッゼ、この2人の演技アンサンブルの味わい深さだけでも、この映画を見る価値は十分にあります。
本作の時代背景は冷戦時代ではありますが、作中から伝わる切迫さ、核の脅威は、中国や北朝鮮に脅かされつつある現代の日本においても無縁ではないでしょう。
2人の主役をはじめとする登場人物に胸を打たれるのは、こうした事情もあるのかな。
この作品の情景が今日的なものとも言える状況は残念としか言いようがありませんが…。
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