「狂気がイマイチ」RUN ラン ジュリエッタさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気がイマイチ
まあまあ面白かった。
いわゆるミュンヒハウゼン症候群とはちょっと違うが、
どっちにしろ自己中心的な愛情で娘を家に縛り付けるがために
独り立ちできない状態にしている母親の狂気の愛情の話。
意外と地味でもう少し母親の狂気が見られるかなと思ったけど
イマイチ怖くなかった。
多分ミュンヒハウゼンとは違い娘を愛しているのは本当なんだよね。
なので若干弱みがあるのかも。
何であれ体を弱らせ動けなくさせられている状態が
思いの外何もできなくてクロエ(主人公)のヤキモキがめちゃめちゃ伝わってくる。
なのに動けない体で屋根は伝うわ階段から転げ落ちるは、それはもうもどかしい。
なんだけど、登場人物が母とクロエだけなのでイマイチ大きな展開にならないんだよね。
だってクロエのできる行動は少ないし、母も意外と過激なことをやらないし。
しかもラストで病院から母がクロエを連れ出すシーンとかめっちゃあっけなかったもの。
警備員もすぐに発砲しすぎ!もう少し心理的なバトルがあっても良かったと思う。
特にクロエは全身動かなんくなるという超恐怖状態で見ている側は、ええ!どうなっちゃうの!?
って思っているところなのにあっさりだし。
そして最後の最後のオチはクロエが母親に同じことを。。ってオチだけどさ、
なんか微妙だよね。
本当の両親のところで幸せに暮らしているという、話を嫌味の如く話す方が
より精神的ダメージが大きいし罪にもならなくていいんじゃないかと思ったんだけどさ。
まあ面白かったけど、3日したら忘れそうな感じの話だったかなあ。
関係ないけど「私の中のあなた」という映画を思い出した。
あれは感動物語を装ってるけどホラーだよね。