「ママ恐ろし」RUN ラン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
ママ恐ろし
愛情というものは時に狂気に変わる事があるが、本作はそれを真っ当に描いているサイコホラーだ。サクッと観れる尺だが、こんなにも背筋が寒くなる作品は久しぶりだった。人は幽霊なんかよりも怖いものである。
主人公が身体的なハンデを複数負っている時点でハラハラさせられるだろうと予想はしていたが、観ていてじっとしていられない程のハラハラ感を味わえた。監督のデビュー作、「search/サーチ」もそうだったが、登場人物らの動線は少ないが、その限られた場所にしか無い特有の雰囲気が本作でも体感できる。そこでの様々な攻防こそが本作の見所のため、深く書くことはしないが、変に予備知識だけ増やしてしまうと楽しさの半減は間違いないため、基本まっさらな状態からの鑑賞をおすすめする。
キャッチコピーにもこれは記載されているから書くが、結局のところ母の異常な愛情から娘が逃れる物語だ。タイトルの「RUN」は逃げる意味でのRUNで良いのだろう。
序盤であっさりと片鱗が伺える母が買ってきた緑のカプセルの飲薬。これに娘が疑問を抱いたところから一気に母が恐怖の対象になる。そこから先は優しさすらも狂気に見えるほどのサイコっぷりを全開で発揮する。こういう作品をサイコホラーと呼ぶのだろう。
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