「喘息持ちにはお約束の恐怖」RUN ラン kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
喘息持ちにはお約束の恐怖
ホラー映画ではたまに喘息の発作を使った恐怖表現が行われる。個人的に印象に残っているのが「ゆりかごを揺らす手」だ。自分も未だに軽い発作を起こすことがあるので、あの息苦しそうな呼吸で吸入器を探す姿にヒッ!となってしまう。
本作はそんな喘息に加え心疾患や下半身麻痺なども持っている少女クロエが主人公。吸入器を探して苦しむシーンがあるんでしょ!と想像してはいたが、目のあたりにするとやはりヒッ!となってしまった。
母親との関係の異常性が徐々に明らかになっていく過程はうまい。「search」のときもだが、スリルを演出する場面の絵面がなかなか独特で完全に引き込まれてしまった。最後のオチも最高。思わずニヤッとしてしまった。
「あなたのため」という言葉は怪しさしかない。しかも言ってる本人は大真面目だからたちが悪い。親子関係だろうが、男女関係や師弟関係だろうがそんな言葉を聞いたときにはまずは怪しまないと!そんなことを考えてしまった。
あまり広範囲で劇場公開しているわけではないからあまり評判にはなっていないが、サブスクで視聴されるようになってからさらに評価が上がる映画だと思う。
コメントする