「母親の行き過ぎた愛情はもはやストーカー並」RUN ラン 015🎬6/21RUN/Greedさんの映画レビュー(感想・評価)
母親の行き過ぎた愛情はもはやストーカー並
正直下手な男女間の愛憎劇よか圧倒的に怖いです。喘息、糖尿などなど、一人で5つか6つくらいの病気を抱え込む娘のために、恋人も友人もつくらず、毎日勉強を教えたり家庭菜園をつくったり。挙句の果てには自分の元から逃げ出さないよう、薬を盛ってみたり筋弛緩剤を打ってみたりなんてこともします。かなりヤバい母親です。
そんなヤバい母親に育てられた主人公。やたらと理工系に強い女子です。でも確か第一志望の大学は理工系じゃなかった。なんでや。
この女子が映画の冒頭から何となく(うちの母ちゃんヤバい奴かもしれん)と勘づき始めるのですが、正直何がきっかけで母ちゃんを疑うようになったのかがあんまりわかりません。発端となった原因が『見たこともない薬ナニコレ』にあるのは百も承知なのですが、そもそもなんで突然処方薬を疑うようになったのか。私が見落としてるだけかもですが、そもそもここ母子家庭なので。あんま母親を疑うような出来事って起こりにくいかと思うんすよね。
そんな感じで徐々に母ちゃんを疑い始める主人公。
なお、この映画の一番のキモは母ちゃんに監禁された主人公がいろんな道具を使って脱出する場面です。日本なら、たぶん入学試験免除で工学部に入学できます。たぶん。
それで、最終的には母ちゃんがなんでそんなに娘に執着しているのか。その理由が明かされるのですが、これがなんとまあお粗末な種明かしで。
…いやさ。インターネットすら断絶させるような人が紙ベースの情報管理すら出来ないってのは、どうなのよ???
最後の場面でうへえと思うところはありましたが、全体的には一本道。
まあでもここまで子どもに執着する親の像もそんなに見たことがなかったので、ホラー・サスペンスよりもサイコパスな人物像を見たいという人には楽しめる作品なのかもしれません。