彼女が好きなものはのレビュー・感想・評価
全75件中、21~40件目を表示
綺麗事で片づけられないからこその葛藤を丁寧に描いた映画
山田杏奈ちゃんの演技見たさで鑑賞。
思わぬ良作との出会いだった。
相変わらず、等身大の女子高生役がハマっている山田杏奈ちゃん筆頭に、主人公の神尾くんもその幼なじみの前田くんもみんなハマっていた。
神尾くんじゃカッコよ過ぎるのではと鑑賞前に思っていたが、容姿端麗具合が悪目立ちせずにかえって中性的な印象を与えていたのが良かった。
脚本も素晴らしかった。
当事者の苦しみ、周囲の戸惑い、理解のなさ、理解しようとするも上手く思考が追いつかない感じ。
人々の描きにくい感情を上手く描いているなと思った。
特に理解したいのに思考が追いつかない心情表現は見事だった。
山田杏奈ちゃんが演じていた三浦さんという女の子は、自分は同姓愛者に理解がある方だと思っていたけど、それが彼だとは想定していなかった。
だからこそ「そういう人もいる」とか、「誰を好きになってもいい」とか口ではいくらでも言える綺麗事を、安易に発することなく(発せられず)、「どうしたらいいのか」という率直な戸惑いを彼に伝えたシーンは物凄く現実味があるように思えた。
幼なじみの子だって、内心戸惑いはあったかもしれない。
でも、それを彼に見せることなく理解者として振る舞おうとした姿は、それはそれで容易なものではないと思う。
登場人物それぞれが思う感情がそれぞれあって、正解はない。
気持ち悪いという感情を思ってしまうのも、言葉を発した人の立場になると分かる気もしてしまったし。
だからこそ、少しでも人間関係の摩擦を減らすために「分かろうとする」姿勢が大事なのかもしれない。
他人のことを完全に理解することはできないことを日常生活で思い知ってる私たちは、周囲からしたらマイノリティの人たちに対しても同様の姿勢をとるべきなのだろう。
ただ、その過程で拒絶してしまったり、諦めてしまうから誰かが苦しまざるを得なくなる。
自分という人間だって完全に他人に分かってもらえるわけがないのだからもっと寛容にならなければいけないのかもしれない。
私はこの映画を見て、いろいろな感情が目まぐるしく行き来した。
自分が当事者だったら?
恋人だったら?
幼なじみだったら?
クラスメイトだったら?
全然違う感情になる気がする。
同性愛はもちろんだが人間関係を再考する機会も与えてくれた映画だった。
性的マイノリティであることの切実さ
高校生なのに性的交渉を持つのが当たり前のような描き方は昭和BBA的には多少抵抗があったけれど; ; 性的に普通でないということは、そういうことなのだ、と直感的に理解できたので、これでよかったのだと思う。
ホモという言い方が侮蔑的であることも知ったし、何より、誰だって本当は普通に生まれたいんだという当たり前のことに気付かされた。人と違う自分の性向を受け入れるのがどんなに大変か。自分が一番嫌なのに、友人から非難されることがどんなに辛いか。
主演の神尾君に大きな拍手を送りたい。
同性愛者です。 原作を読み、共感する気持ちが多く映画を見に行きまし...
山田杏奈に目を離すな!!
山田杏奈を愛してやまない者として、ずっと見よう見ようと思っていたがタイミングが合わずに鑑賞できていなかった本作。
今日で上映終了とのことだったが、かなりギリギリまで見るか迷った。これを見ればその後が割と大変なスケジュールになる。ここは逃して配信を待とうとも思ったが、ここで見なくて山田杏奈ファンと言えるのか!と我に返り、急いで支度して鑑賞することに。
この決断をした自分を盛大に褒め讃えたい。
本当に素晴らし過ぎる映画だった。
映画納めにこれはヤバイ。今年見た恋愛映画の中でダントツトップの映画でした。
山田杏奈さんよ、最高すぎるぜ全く。
今年はなんと5本もの映画に出演していた山田杏奈。思い返せば、2年前の「屍人荘の殺人」から可愛い女優だなぁと気になっていて、「ジオラマボーイ・パノラマガール」でドハマリして以来、ずーっと彼女の出演作品は追いかけている。つい最近見た「ひらいて」でも魅力爆発だったが、今作でも大爆発。毎度毎度彼女の出演作映画のレビューで書いているが、より一層好きになった。
今までの山田杏奈出演作の中で群を抜いて可愛い。制服、センスのある服装、Tシャツ姿に、あんなのやこんなのまで。見て可愛さを知っていただきたいのでここではあえて書きませんが(何こいつ)、温泉でのあの姿がもう可愛すぎてやられました。え、え、え、え、何この美少女、可愛いとか次元超えてるんですけど。ちょっと神尾楓珠くん、そこ変わってくれるかな。お願い。変われよ!!!と心の中はお祭り騒ぎ。全宇宙の山田杏奈ファンの皆さん、必見です。
そして、本作でもまた演技が上手すぎる。
この三浦というキャラクターが山田杏奈にハマりすぎている。少しわがままで泣き虫で、結構グイグイきて一途な心優しい少女。こんなに性格も顔も美人な少女が居たら誰でも好きになりますよ。あぁ、やられた()
どのシーンも最高で挙げればキリがないのだが、特に体育館のシーン。もう衝撃的な上手さ。演技であんな唇の震えが生まれるの!?あんな全身で泣くことある!?驚きと同時に胸がうたれ、ぶわ〜っと泣けてしまいました。たまらなく良かった。本年度日本アカデミー賞で山田杏奈が新人賞取らなかったら、日本アカデミー賞一生信用出来ない。そんくらいスゴい。こんな繊細な演技ができる若手女優を未だかつて見たことがない。
あら、山田杏奈について語ってたらいつの間にかこんなにも長文になってた。失礼しました。これでも、まだまだ魅力が伝えれてないんですよ。抑えてる方なんですよ。山田杏奈の素晴らしさをもっと多くの人に知って欲しい。もっと多くの人にこの作品を見てほしい。上映拡大を願います。
という訳で、ようやく映画の評価に移ります。
BL映画といえば「窮鼠はチーズの夢を見る」が1番に思いつくのだが、本作はあの作品以上にリアリティで心をえぐる傑作。リアルな悩み、リアルな言葉、リアルな状況。みんなで話し合いをしたり、お母さんが一言も言えなかったり、現実的だなぁとしんみり。全部綺麗事じゃないのがこの映画の素晴らしいところ。映画なのに映画って感じがしないのよ。
ストーリーの構成も、展開も、脚本も、どれも無駄なく緻密で、恋愛映画であっという間と感じたのは久々。このテーマでこれ以上の映画を作ることが出来るのだろうか。ひとつの恋愛模様を描いているのではなく、主人公を軸にBLに関して様々な視点から描いている。個人的本年度日本映画脚本賞をあげます。
山田杏奈以外の役者も本当にいい。
前田旺志郎の明るさも、ラストになるにつれて感動につながりとてもいい演技をしている。まえだまえだの時とどことなく似ていて、このキャラも当て書きされたの?ってぐらいハマっている。
神尾楓珠もとてつもなく上手い。お母さんと抱き合うあのシーンはとんでもなく染みた。これまで、樹海村やうちの執事の言うことには、裏アカなどの作品に出演していた神尾楓珠だが、どれもハマらずパッとしなかったのが正直な感想。だが、本作は違った。超良かった。これからも期待できる役者ですね。
ただ、音楽が欲しかった。
ちょっと味気ない感じだし、ドラマ感があった。エンドロールも物足りず、しんみりするにはいいのかもしれないけど、やっぱり物足りなさを感じた。映画には音楽が必要だよ。
でも、最高でした。
最高の映画納めでした。
わざわざ時間を作って見てよかった。本当に良かった。ありがとう、最高の映画をありがとう。
2021年、合計137本の映画を見ました。
昨年は104本だったので、33本も多く見た事になります。それでも、逃した映画は70本あったんですが笑
今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします。みなさん、良いお年を〜
タイトルから受けた印象とは別物
最初にタイトルを知った時はもう少しライトな青春ものをイメージしていたが他と違うことに悩む青年の苦悩を描いた作品だった
始まって数分で『えっ!?』と思った
軽い気持ちで観てはいけない感じだと思ったのだ
本作は同性愛者の苦悩、異性との関係、周囲との関係も描かれている。
三浦さんは他人に言えない趣味を持っていたけど安藤くんは他人言えない苦しみを抱えていた
だけど真実を知った三浦さんも亮平もおのっちもお母さんも周りの人も正解の出ない悩みをかかえるようになるのだと思う
キャラクターとしては理想的友人亮平が好きだけど正論や理想論を否定しながらも罪悪感を抱えたおのっちにリアリティを感じました。
本作は色々な悩みをオープンにしながらも最後を爽やかにまとめてくれた
なんかいろいろ描きたいけど考えがまとまらないからこの辺にしておきます。でも観てよかったです
同性愛を正面から描いた秀作
ファンタジーと現実 体の距離と心の距離
ゲイの安藤純は妻子持ちのマコトを彼氏に持ちながら、周りには本当の自分を隠していた。
ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝と衝突し、彼女が手にしていたBLマンガが床に落ちてしまう。
紗枝は、「腐女子」だという秘密を守るようにと純と距離を縮めたことで、自分の好きを否定しない純に次第に惹かれていく。
原作、ドラマは未見。
近年よくあるテーマだが、改めて胸に問いかけてくる、素晴らしい新感覚青春映画だった。
「好き」という感情を周りに合わせてねじ曲げることなんてできない。
それは恋愛対象に限らず、全てにおいて言えること。
そういう意味では、BLを通して自分自身の「好き」を見つめ直す映画なのかもしれない。
自分の「好き」や「嫌い」はそのまま信じ続けて欲しいし、それが他者から批判されるようなことがあってはならない。
しかし、
そう上手くいかないのが現実。
そんな現実の厳しさと、きっと目指せる理想の優しさを描いたのが本作だった。
本来ならば、初々しくてキュンキュンしてしまう告白やデートシーンも、背景の現実が分かっているとこんなに辛いものはない。
彼女が可愛ければ可愛いほど、純粋であれば純粋であるほど、胸が締め付けられて何度もうるっときてしまった。
彼はイヤホンを付け、真顔で刺してきそうな雰囲気を纏って、自分と周りの摩擦を避けてきた。
しかし、秘密はバレるもの。
中盤の事件をきっかけに溜め込んでいた思いをぶち撒ける純に号泣。
そして、全校集会の表彰で突如スピーチを始めた紗枝でさらに号泣。
その後も良い奴たちの優しい世界が続き、涙が止まらない。
小野の「みんな他人事」発言はまさにそうだと思う。
LGBTには理解がありますとか言って、結局は自分とは違うと。私だってきっとそうだ。
純も紗枝も亮平も小野も、それぞれの事情や価値観は違うからこそ、それらをまずは自分の中で大切にすることから始めるべきなのかなとも思った。
タイトルの『彼女が好きなものは』。
個人的には秀逸だと思う。
彼女が好きなものは⬜︎
⬜︎の中の言葉はこちらの想像力を掻き立てる上、一つに定まらない。
原作からの改編は悩ましいところだっただろうが、どこか物悲しいようなスッキリしているようなラストにぴったりだ。
『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』と現実を嘆くところに留まらず、紗枝や亮平や母親といった寄り添ってくれる人もいるよという希望の物語。
もしも性を固定されることのない、カクレクマノミの水槽のような世界があったなら。
いつかBL星に連れてってよ。
まさか泣くとは思いませんでした。
共生の可能性を問う。
山田杏奈推し
編集とトリックも素晴らしい。
公開2週目で上映回数が減ってしまったようなので、興行的には厳しいのかもしれない。
ゲイとBL好きの女子高生のボーイ・ミーツ・ガール。映像センスが素晴らしく、遊園地での空中自転車やスマホ撮りを取り入れた観覧車、水槽の青いライトに照らされた男女、交互に進むセックス、主人公が観ていた公園の少年が幼い頃の自分になってしまう。
ゲイの男子高校生はそんなに家族を作ることに取り憑かれるだろうか、別にノンケでも寂しい人生を送る人はいくらでもいるはずだ。
啖呵を切って殴りかかるかと思いきやのあそこのシーンにも驚かされた。
山場でディアエバンハンセン的なスピーチシーンが出てくるが、映画はスペクタクルを好むがちょっと女優に無理をさせているような印象が強い。劇的な自分語りをさせてしまうのは、映画の都合過ぎやしないか。ゲイをバラされて、自殺未遂をした人とBL好きではあまりに重さ、苦しさが違う。そんなにBLが好きなことは特別に気持ち悪がられるだろうかと思ってしまうのは私がおじさんなのかな。それでも当事者の問題意識と同じではないはずだ。
この映画の最後は俺の墓場の上で踊ってくれな展開なのだけれど、そこは解放ではなく、苦しさ、それもこの映画で一番苦い事が明かされる。
このまま、苦いトーンで終わりかなと思ったら山田杏奈のカラッとした態度に救われる。彼の転校もあまりに苦しいがそれでも表現はそこに引き摺られないのは気持ちよかった。
担任の先生は、人数の町にでていた草野さんという方かと思う。山田杏奈はひらいてと立て続けに観たが、どちらも良い。今井翼がゲイを演じるのもなんだか、あのマッチョな雰囲気のゲイの方いるよなとナイスキャスティング。
まさか
泣けた!
友達カッコよすぎ
テーマが難しいものなので、浅はかに言えないが、 面白かった。SNS...
人間性まで深く切り込んでいる
62席シアターを独占鑑賞。ゲイとBL漫画好き腐女子の甘く切ないラブストーリーで軽い恋愛ものかと思いましたが予想に反して見応えある内容でした。
BLを通じて人間性まで深く切り込んでいるメッセージ性の高い作品であり、主演二人の演技も素晴らしく男女の振れ動く感情がヒシヒシと伝わってきて感情移入しました。
2021-196
普通の幸せの「普通」を考える。
現代を生きる若者達にとっては当然の価値観であり、性的マイノリティの問題はとっくに解決済みだと思っていた。でも蓋を開けてみるとそこには偏見が溢れていた。ただ、自分と違う思考や趣向を理解するのはやっぱり難しい。限界点だってある。そういう意味ではこれがリアルなのかもしれない。
ゲイである自分が嫌いな純。年上の彼氏と不倫中だが、将来普通の幸せを手に入れるため彼女を作ってみる。腐女子であることを隠す三浦さん。ファンタジーと思っていた「ホモ」が目の前に現れ彼を取り巻く現実を知る。
冒頭の過激なシーンでこれはただのLGBTQを題材にした青春映画ではないと分かった。クラスでの話し合い。どこかで聞いたようなキレイ事が飛び交う中「偽善者ぶるなよ」と言わんばかりに小野君が口を挟む。他人の秘密を知ることには覚悟がいる。そして知ってしまった以上は何か答えが欲しくなってしまう。マイクを握った三浦さんがその覚悟を問いかけてくる。キレイ事の裏側からファーレンハイトが投げかけてくる。どう生きるべきかと。なかなか深かったです。
それにしても小野君よかったな~。正直過ぎるけど。純は三浦さんより実は小野君に救われたような気がする。離れてもいい友達でいてほしいな。
全75件中、21~40件目を表示