彼女が好きなものはのレビュー・感想・評価
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編集とトリックも素晴らしい。
公開2週目で上映回数が減ってしまったようなので、興行的には厳しいのかもしれない。
ゲイとBL好きの女子高生のボーイ・ミーツ・ガール。映像センスが素晴らしく、遊園地での空中自転車やスマホ撮りを取り入れた観覧車、水槽の青いライトに照らされた男女、交互に進むセックス、主人公が観ていた公園の少年が幼い頃の自分になってしまう。
ゲイの男子高校生はそんなに家族を作ることに取り憑かれるだろうか、別にノンケでも寂しい人生を送る人はいくらでもいるはずだ。
啖呵を切って殴りかかるかと思いきやのあそこのシーンにも驚かされた。
山場でディアエバンハンセン的なスピーチシーンが出てくるが、映画はスペクタクルを好むがちょっと女優に無理をさせているような印象が強い。劇的な自分語りをさせてしまうのは、映画の都合過ぎやしないか。ゲイをバラされて、自殺未遂をした人とBL好きではあまりに重さ、苦しさが違う。そんなにBLが好きなことは特別に気持ち悪がられるだろうかと思ってしまうのは私がおじさんなのかな。それでも当事者の問題意識と同じではないはずだ。
この映画の最後は俺の墓場の上で踊ってくれな展開なのだけれど、そこは解放ではなく、苦しさ、それもこの映画で一番苦い事が明かされる。
このまま、苦いトーンで終わりかなと思ったら山田杏奈のカラッとした態度に救われる。彼の転校もあまりに苦しいがそれでも表現はそこに引き摺られないのは気持ちよかった。
担任の先生は、人数の町にでていた草野さんという方かと思う。山田杏奈はひらいてと立て続けに観たが、どちらも良い。今井翼がゲイを演じるのもなんだか、あのマッチョな雰囲気のゲイの方いるよなとナイスキャスティング。
まさか
何度目の青空か?
前知識なしに鑑賞。
山田杏奈さんの出演作品なので一筋縄ではいかないとは思ってましたが予想外に涙の溢れるシーンばかり。
自分だったら?ハブるほうに加担しないと言い切れるか?相手の側に寄り添って思いやれるか?
表彰式のシーンが。私はてっきり流れが変わって転校せずにやり直すとか一旦別れてもまた一からお付き合いしませんか?とかになると期待したんですが。思うようにならないのは現実社会も映画も同じ。
登場人物全員にドラマがある。本当に面白い青春映画。
重要なことですが
「スタッフロールの後に重要なシーンがあるかもしれないから劇場の照明が灯るまでは絶対席立ってはいけない」
皆さん、肝に銘じておきましょう。
正直、ポスターを見た時点で「キラキラ恋愛映画」の雰囲気を感じていて鑑賞する予定は無かったんですが、実際公開されてみるとめちゃくちゃ評判が良い。普段から映画を観ている映画レビュアーからもめちゃくちゃ評判が良い。評判の高さに背中を押されて鑑賞です。
結論ですが、本当に面白かった。細かな演出やキャラクターの心情描写などが光っていて、本当によかったですね。「良い映画は数日引き摺る」というのが私の持論なんですが、鑑賞から3日経過した今でも本作の素晴らしいシーンが脳内で流れている気分です。
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ゲイであることを隠して「普通の男子高校生」として生活をしていた安藤純(神尾楓珠)は、ある日クラスメイトの美術部員の三浦紗枝(山田杏奈)が本屋でBL漫画を購入しているところを目撃し、紗枝は自身が腐女子(BLが好きな女性)であることをカミングアウトする。共通の秘密ができたことで二人は急速に距離を縮め、友人グループで遊園地に遊びに行った際に紗枝は純に告白する。純は紗枝に対して恋愛感情は無かったのだが、ある理由からその告白をOKし、二人は付き合い始めることになった。
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とある映画レビュアーさんが「タイトルで損している」と言っていましたが、私は決してそんなことないと思います。原作のタイトルが『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』で、本作はそのタイトルを短くして『彼女が好きなものは』となっています。それによってタイトルから内容が分かりづらくなっていることは確かですが、私はこのタイトル変更は大成功だと感じています。
本作では「彼女が好きなものは〇〇であって××でない」という構文が何度か登場し、毎回入る言葉が変わります。この「彼女が好きなもの」の変遷がキャラクターの心情や関係性の変化を如実に表していて、本当に素晴らしかった。
そして全キャラクターがとにかく魅力的。それが本当に凄い。
ヒロインの紗枝は言わずもがな、観た人全員が前田旺志郎演じる純の親友の亮平が好きになったと思います。後半にクラスに純がゲイバレしてしまう原因となった小野も終盤で彼なりの考えがあったことが分かりますし、純と不倫関係にあった今井翼さん演じる誠も彼なりの葛藤があることが示唆されます。
特に、妻子がありながら純と交際していた誠は、「もし純がゲイであることを隠し通して紗枝と結婚していた彼のようになっていただろう」というのが感じ取れる素晴らしいキャラクターでした。今井翼さんの演技力や雰囲気もあってか、「高校生に手を出している妻子持ちのオッサン」なのに嫌悪感をあまり感じないのが凄いですね。
語りたいシーンは数多くありますがキリがないので割愛。
しかしこれだけは語りたい。ラストシーンは感涙ものでした。
ファーレンハイトと名乗っていたSNS上での純の友人が自殺し、その彼の自宅へ赴いた後のシーン。純と紗枝が別れるシーンですね。好きだけど、好きだからこそ別れることを決めた二人は別れ話の直後とは思えない何だか清々しい雰囲気で「生身の男で初めて付き合った?」「うぬぼれるなバーカ」と軽口を叩き合います。これが今年1月に鑑賞した『花束みたいな恋をした』の、麦と絹が別れた後に付き合う前のような関係に戻ったのを想起させる素晴らしい展開です。そしてスタッフロールの後にある短いシーン。美術部の紗枝が賞を受賞した絵画のタイトルが……。これは本当に良かったですね。
今年も間もなく終わりそうな年末の時期ですが、ここにきて今年ベスト級の映画がきてしまいましたね。『花束みたいな恋をした』といい本作といい、今年は恋愛映画が豊作の年だったんじゃないでしょうか。素晴らしかった!!!オススメです!!!
泣けた!
友達カッコよすぎ
テーマが難しいものなので、浅はかに言えないが、 面白かった。SNS...
人間性まで深く切り込んでいる
62席シアターを独占鑑賞。ゲイとBL漫画好き腐女子の甘く切ないラブストーリーで軽い恋愛ものかと思いましたが予想に反して見応えある内容でした。
BLを通じて人間性まで深く切り込んでいるメッセージ性の高い作品であり、主演二人の演技も素晴らしく男女の振れ動く感情がヒシヒシと伝わってきて感情移入しました。
2021-196
普通の幸せの「普通」を考える。
現代を生きる若者達にとっては当然の価値観であり、性的マイノリティの問題はとっくに解決済みだと思っていた。でも蓋を開けてみるとそこには偏見が溢れていた。ただ、自分と違う思考や趣向を理解するのはやっぱり難しい。限界点だってある。そういう意味ではこれがリアルなのかもしれない。
ゲイである自分が嫌いな純。年上の彼氏と不倫中だが、将来普通の幸せを手に入れるため彼女を作ってみる。腐女子であることを隠す三浦さん。ファンタジーと思っていた「ホモ」が目の前に現れ彼を取り巻く現実を知る。
冒頭の過激なシーンでこれはただのLGBTQを題材にした青春映画ではないと分かった。クラスでの話し合い。どこかで聞いたようなキレイ事が飛び交う中「偽善者ぶるなよ」と言わんばかりに小野君が口を挟む。他人の秘密を知ることには覚悟がいる。そして知ってしまった以上は何か答えが欲しくなってしまう。マイクを握った三浦さんがその覚悟を問いかけてくる。キレイ事の裏側からファーレンハイトが投げかけてくる。どう生きるべきかと。なかなか深かったです。
それにしても小野君よかったな~。正直過ぎるけど。純は三浦さんより実は小野君に救われたような気がする。離れてもいい友達でいてほしいな。
【摩擦】
「ひらいて」のような作者の個性のような物は感じられなくて、ちょっと、状況設定重視のステレオタイプを積み重ねたようなストーリーだなと思う。
俳優人はかわいそうかな。
ごめんなさいね。
BL、腐女子、ゆり、LGBT。
摩擦を考慮しないんだったら、こうしたカテゴライズは本当は要らないはずだ。
摩擦がないということは、本来そうではないのか。
多様性を求めるあまり、逆に、窮屈になっていないかと思う。
僕は、だから、最近は、ノン・バイナリーとしか表現しないことにしている。
庵野秀明さんとウェブで対談した際のインスタライブで、宇多田ヒカルさんが、男女(つまり、バイナリー)に対して、ノン・バイナリーで良いんじゃないかと言っていたが、その通りだと思う。
L、G、B、T、Q。
多様性は分かるけど、そこまでの詳細は余計なお世話な気がする。
よくクィアを使う人を見かけるが、クィアには元々侮蔑的な意味があったことから、これもどうかと思うという意見があることは知ってほしい気がする。
(以下ネタバレ)
さて、映画は、
ノン・バイナリーだが、バイナリーでありたいと願う気持ちのはざまで苦しむ安藤と、ノン・バイナリーに興味津々だがバイナリーの三浦を中心にした物語で、性自認と性的志向が交錯し、絡み合うのだが、盗み聞きとか、ついしゃべっちゃうとか、中傷とか、自殺行為とか、やっぱり、ステレオタイプだなと思う。あと、転校するのも。
こんな状況設定にしないとダメだったのだろうか。
これ、ノン・バイナリーの人が観たらどう思うのだろうか。
山田杏奈さんも、神尾さんも、前田さんも良い感じなんだけどね。
でも、山田杏奈さんは、「ひらいて」のドロドロした感じの演技の方が、表現力も難しかっただろうし、もっと良かった気がする。
テーマはいいけど演技がいまいち
感動しました。
ゲイの苦悩を描きつつ、いい感じに青春映画に収まった快作
今絶世の美少年との声が高い神尾楓珠がゲイの安藤役に
そして若手女優で一番評価の高い山田杏奈が相手役のBL好きの三浦に挑んだ本作
中盤、ホモバレした教室内で小野の吐く正論に親友の高岡も言い返せない
このシーンは「はっ」っとさせられた。
そりゃいくら親友であっても身構えてしまうものは身構えてしまう
そして投身自殺未遂をした安藤が吐露したホモの苦悩は分かりきっていたことだけど
本人にとっては切実すぎる苦悩に変わりない
終盤、美術部の三浦が描いた画が表彰される事になり
壇上に上がった三浦がBL好きである事と安藤どんな思いでいたのかを告白するシーンにちょっとうるっときたり・・・
やめさせようとする教師を真っ先に壇上に上がり阻止する高岡(このあたりで高岡の好感度が振り切れる)
そして正論マン小野の意趣返しと動かない安藤を動かす発言は流石
物語ラストに安藤がSNSで長らく親交のあった亡くなってしまったゲイの友人の元へ
こういうラストもあるのだよという見せ方
まだまだゲイへの理解度が低い昨今の日本
序盤のベッドシーンに一種の嫌悪感を抱いてしまった自分が言うのもなんであるが
理解せずとも許容できればいいのではないかと勝手に思ったり
あと物語的には前田旺志郎演じる高岡の存在が安藤と映画を見ている者の救いになっていたなぁと
評価 4.4
自分に気付いた時その先どう生きたいか
2021年劇場鑑賞37本目 秀作 67点
若い子の恋愛映画は苦手ですが、今作はみたかった。
当方ベタベタの恋愛映画は体が受け付けないタチで、昨今の邦画だと盲目の君の瞳が問いかけている、長い月日をかけて描かれる糸や弥生三月やアイネクライネナハムトジーク、どこかほろ苦い窮鼠や愛がなんだ、サスペンス感がある先生私の隣に座っていただけませんか?やイニシエーションラブなど全体としてどこか少し捻ったものを好いていますが、今作も例に漏れず劇場予告で拝見してから楽しみにしていました。
主演の男の子すごく綺麗な顔していたし、役にのめり込んでいて良かった。
女の子はなんかここ1年でよく拝見していたので顔と名前は存じていましたが作品を拝見したのは今作が初めてで、なんか演技が下手なのかあえてのぎこちなさなのか分かりませんが、ちょっといまいちに感じた。けどどちらにしてもまだ荒削りという印象で、若いのでこれからも頑張ってほしいです。
内容は昨今やっと躊躇せずに取り扱えるようになったという印象の同性愛についてで、かくいうわたくしはこのテーマの作品はそれなりに見てきましたが、今作はどちらかというとより若年層向けで、タッチも柔らかい印象を受けました。
高評価なのも頷ける出来になっていると思います。
是非。
教育映画?
身内にいるせいかLGBTでも家庭は築けるよ、って言ってあげたい。
別にカミングアウトせんでもいいし。
でも1人くらい気づいてもいいんじゃないかと思う。親友はてっきり気づいてるんだと思ってた。結局どの恋愛も上手く行かなかったし、内容も現役(?)の学生さんがディスカッションしたり冷めちゃう。
一つくらいハッピーエンドください。
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