「原作通りだとしたら、今そうする必要はあったのだろうか」彼女が好きなものは tsubeさんの映画レビュー(感想・評価)
原作通りだとしたら、今そうする必要はあったのだろうか
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キャラクター造形がやや類型的。
この作品が扱いたい問題のありかはわかりやすくなったとは思うが、当事者以外の周囲の人間をあそこまで誰も彼も無神経に描くのは今となっては単純化しすぎでは。
小野の「理解者のふりしてキャラ扱いしてないか?」は重要な指摘だけど、主人公が周囲の無神経に削られていく状況を妙に丁寧に描写した挙句に小野自身が一番ひどいアウティングをしておいて、その結果自殺未遂をした主人公に「自分だけ辛いと思うな」と言い放つのはどうなの……。「謝罪したとてどの口が?」と思ったくらいには功と罪の比重がアンバランス。安全圏にいる人のエクスキューズとして和解させたのかな?とも感じてしまった。
ヒロインの体育館での腐女子カムアウトからの流れも、相当配慮があったドラマ編でも「アウディングをいい話風に描くのはどうなのか」という議論があったと記憶しているが、今回もその扱いに疑問を感じた。
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