劇場公開日 2021年12月3日

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「普通の幸せの「普通」を考える。」彼女が好きなものは はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0普通の幸せの「普通」を考える。

2021年12月11日
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鑑賞方法:映画館

現代を生きる若者達にとっては当然の価値観であり、性的マイノリティの問題はとっくに解決済みだと思っていた。でも蓋を開けてみるとそこには偏見が溢れていた。ただ、自分と違う思考や趣向を理解するのはやっぱり難しい。限界点だってある。そういう意味ではこれがリアルなのかもしれない。

ゲイである自分が嫌いな純。年上の彼氏と不倫中だが、将来普通の幸せを手に入れるため彼女を作ってみる。腐女子であることを隠す三浦さん。ファンタジーと思っていた「ホモ」が目の前に現れ彼を取り巻く現実を知る。

冒頭の過激なシーンでこれはただのLGBTQを題材にした青春映画ではないと分かった。クラスでの話し合い。どこかで聞いたようなキレイ事が飛び交う中「偽善者ぶるなよ」と言わんばかりに小野君が口を挟む。他人の秘密を知ることには覚悟がいる。そして知ってしまった以上は何か答えが欲しくなってしまう。マイクを握った三浦さんがその覚悟を問いかけてくる。キレイ事の裏側からファーレンハイトが投げかけてくる。どう生きるべきかと。なかなか深かったです。

それにしても小野君よかったな~。正直過ぎるけど。純は三浦さんより実は小野君に救われたような気がする。離れてもいい友達でいてほしいな。

はるたろう