「【摩擦】」彼女が好きなものは ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【摩擦】
「ひらいて」のような作者の個性のような物は感じられなくて、ちょっと、状況設定重視のステレオタイプを積み重ねたようなストーリーだなと思う。
俳優人はかわいそうかな。
ごめんなさいね。
BL、腐女子、ゆり、LGBT。
摩擦を考慮しないんだったら、こうしたカテゴライズは本当は要らないはずだ。
摩擦がないということは、本来そうではないのか。
多様性を求めるあまり、逆に、窮屈になっていないかと思う。
僕は、だから、最近は、ノン・バイナリーとしか表現しないことにしている。
庵野秀明さんとウェブで対談した際のインスタライブで、宇多田ヒカルさんが、男女(つまり、バイナリー)に対して、ノン・バイナリーで良いんじゃないかと言っていたが、その通りだと思う。
L、G、B、T、Q。
多様性は分かるけど、そこまでの詳細は余計なお世話な気がする。
よくクィアを使う人を見かけるが、クィアには元々侮蔑的な意味があったことから、これもどうかと思うという意見があることは知ってほしい気がする。
(以下ネタバレ)
さて、映画は、
ノン・バイナリーだが、バイナリーでありたいと願う気持ちのはざまで苦しむ安藤と、ノン・バイナリーに興味津々だがバイナリーの三浦を中心にした物語で、性自認と性的志向が交錯し、絡み合うのだが、盗み聞きとか、ついしゃべっちゃうとか、中傷とか、自殺行為とか、やっぱり、ステレオタイプだなと思う。あと、転校するのも。
こんな状況設定にしないとダメだったのだろうか。
これ、ノン・バイナリーの人が観たらどう思うのだろうか。
山田杏奈さんも、神尾さんも、前田さんも良い感じなんだけどね。
でも、山田杏奈さんは、「ひらいて」のドロドロした感じの演技の方が、表現力も難しかっただろうし、もっと良かった気がする。