モーリタニアン 黒塗りの記録のレビュー・感想・評価
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深い闇に見合う光
なんでもスケールが桁違いに大きいアメリカ。
闇の部分もどれだけ深いのか、と告発的な映画を見るたびに思います。これもそうです。
グアンタナモ基地の収容所…日本で言えば、国後島とか択捉島あたりに政府直轄の収容所があるようなものでしょうか。
カンバーバッチは、ついこないだ『クーリエ』でキューバ危機の話に出ていたと思ったら、今度はそのキューバにあるグアンタナモ基地にある収容所の話。
ややこしやー、と叫びたくなります。
1898年のアメリカスペイン戦争(米西戦争)で、勝ったアメリカがキューバとグァムとフィリピンを獲得した名残で、いま残る基地の場所はキューバから永久租借されているとのことです。
底知れない闇ではあるけれど、ルールに則ってやるべきことをやれば、最終的に情報公開はされるので、光だってあるということだと思います。
・良心に従ってやるべきことをやれる人材が、どちらかと言えば体制側に属す人の中にもいること
・そのような人たちが闘うことのできるルール(司法制度)があること
・官邸(アメリカなので、ホワイトハウス?)に忖度しない報道機関があること
・事案に関わる権力者が存命のうちに、実名で映画が作られ、公開もできること
そんなことを考えると、アメリカは日本よりもはるかに健全な気がします。
闇の深さに見合う光も、決して簡単には見えないけれど、ちゃんとある。
光を見出すことのできる社会的な制度が整っていなければ、そもそも闘う気力も起きないわけで、ここ10年ほどの政治状況はジワジワと国民をスポイルすることに成功しているようで、怖くなります。
国民の気力が衰えたことを確信できているから、だから大した反発も起きないはずだと確信できているから、平気な顔で、「国民の皆さん、まずは『自助』からですよ」なんて言えるのじゃないでしょうか。
真実は分からないが沈黙が答えか
長年に渡って不当に拘束されていたモーリタニア人の手記を基に作られたアメリカを告発した映画です。軍は彼をかなり確信を持ってテロリストだと判断しており、答えありきで禁じられた拷問をしていきます。
その内容は機密文書で、開示されても直接のコピーができなかったり、検閲されたりするので正確さに欠けるのですが、機密だから答えられないという以上反論しないということでもあり、それは肯定と受け取られる覚悟を持ってのことでしょうから、じゃあアルカイダとやってること変わんないじゃないのと思われても仕方ないかなと思いました。
しかし拷問の中に一つだけ「これやれって命じられた兵士にも拷問じゃないの」と思ったのがあって、それは衝撃でした。
アメリカがヤバい国だと改めて思う‼️❓
9.11の犯人がアメリカ政府である、自作自演であることは明白です。
具体的には、ブツシュが石油欲しさに仕組んだのです。
こうゆう冤罪事件とかアメリカ政府の暗部が明らかになるのは良いことです。
世界を知るために、是非。
【氷山の一角】
僕たち日本人からしたら、スラヒの、こんなケースが本当にあったのかと驚かされるが、恐らく、これは、米軍が戦地などで行った捕虜やテロ容疑者に対する虐待や、その結果、生じた冤罪の氷山の一角なのだと思う。
この事件はあまりにも有名で、アメリカのメディアも詳しく報じていたし、日本にも記事の要旨が伝わっていた。
僕は、この要旨を読んでいた。
スラヒやナンシーの忍耐力には頭が下がるが、同時にテロや戦争は、人に善悪の線引きを曖昧にさせる怖さもあるのだと思う。
ブッシュ政権は、あの大規模テロを未然に防ぐことが出来なかった事を、こうした人間を逮捕して、吊し上げて、拷問し、でっち上げた事実をベースに裁判して、罪を着せ、国民の目を自分たちの失政からそらせようとしたとしか考えられない。
だから、イラン戦争も、ありもしない事実をでっち上げて、始めたのだ。
そして、オバマ政権は、支持率をいたずらに下げないために、スラヒの解放を拒んだのだ。
確かに、米軍の行為は、中東やアフリカの一部の国々、東南アジアではカンボジアなどで行われているような監禁や拷問、処刑などと比べて、割合としては圧倒的に少ないのかもしれないが、民主主義国家であるからこそ許されないことはあるのだ。
日本でものり弁の資料は、記憶に新しい。
もし、刑事犯罪で、日本でも類似したようなことがあれば、それは許されない。
それに、日本の政治家には隠蔽が当たり前のような輩も多いのだから、国民の監視がいかに大切かと考えさせられる。
民主主義の基本は選挙だ。
選挙に行きましょう。
グアンタナモにいた人の話
なぜこの人が自分の国で逮捕され、アメリカ軍基地内の刑務所で尋問され拷問され長期に渡り勾留されなければならなかったのか?
ただ、この事をこれだけの素晴らしいキャスト、撮影で映画にして告発、問題提起できる事は素晴らしい。
翻って日本のグアンタナモは、入管の収容施設と私は思うが、誰か映画を作る人はいないかな?
なぜグアンタナモに収容所が出来たのか? そこで何が起きていたのか?
拷問の歴史は中世から始まる。
しかし、国家が主体となって、やり始めたのは近代ではKGBの前身のチョーカー
そしてそれを高めたのはナチスのゲシュタポだった。
騒音よる不眠 電気放流 水責め 果ては針金等の悪魔の所業は第二次世界大戦の後 根絶されたと認識されていた。
『This is true story』で始まる、この映画を見て、それはまだ続いていた史実を知る。
しかし この映画が問うのは 人々が憎悪の余り、法や正義を省みることなくなって行くトランス状態
皇室の女性の人生の選択を魔女裁判のように扱うのと、重みは違うが 本質は同じだと思うのだ。
その残酷な冤罪の映画に希望を与えているのは、人道派弁護士による法と正義の告発に依って、冤罪が晴れた事実だ。
しかし、、それには14年もの時間がかかった。
その実在の法律家をジョデイ・フォスターが演じていて圧巻の演技である。
大量破壊兵器など無いのにブッシュ政権は何故戦争を始めたのか それを何故 日本は追従したのか? そして米国の国外なら訴追されないからとラムズフェルド国防長官がどんな指示をしたのか?
その事を忘れない事こそ次の戦争を生まない と、この映画は語りかけて来る。
ひとりの命を助ける行動
これはまた何とも言えない
アメリカの闇の部分をさらけ出した映画です。
9.11のテロリストを許せないのはもちろんですが
これはあまりにも許しがたい内容でした。
弁護側だけではなく検察側の米軍中佐が
真実を探し出す行動を取ってくれたことで
ひとりの命が助かりました。
アメリカは国民に対するメンツを保ちたい一心で
常軌を逸した行動取ってしまう危ない面があります。
ラストのエンドロールでの映像は感動モノです。
テロに報復の気持ちもわかるけど…
これが事実と言うことと映画化して上映しちゃうってなかなか凄いな…と。あれだけのテロだから誰かを犯人に仕上げなきゃと言う気持ちもわかるけど司法制度を捻じ曲げてしまうのはやはり大問題。お話の面白さに俳優陣の見応えある演技も加わりぐいぐい見せられた。それにしてもジョディフォスターの口元のシワも美しくますます魅力的なアクターになってくなー。
主演二人の熱演が光る、全世界が見るべき佳作
全世界が見るべき佳作です。心臓を鷲掴みにされました。
ゼロダークサーティと比べ物になりませんね。
ジョディーフォスターにとにかく惹きつけられる。年取ったとか言っている人がいますが、当たり前です。
ニコールキッドマンみたいに、不自然に整形して気持ち悪い人より断然魅力あります。
さすが、頭のいい人は違います。そして、タヒールラヒムの抑えた演技が胸を打ちます。
予告編以外前情報なしで見ましたが、途中まではあまり残酷なシーンがないなという印象でした。
後半一気に追い上げますね。
思わず何度か目を逸らしましたが、真実を伝えるため、意味のあるシーンだと思いました。
米国政府のやっていることは人でなし、人間のやることではないです。
アメリカの暗部については、華氏911、その他書籍などで知っていましたし、グアンタナモについても知識はありましたが、まさかここまでとは。
ラストの彼の言葉には思わず涙しました。
実話としては結構長めの本人の映像が流れますが、非常に素晴らしい笑顔の方でそこに救われました。
帰り道、重々しい気分になった一方、今ある自分の人生を有難いと思えました。
バイデンはグアンタナモを閉鎖する意向らしいですが、早く実現してほしいです。
自由と許し モハメドゥの素敵な人柄
こんなことがあっていたのか、って思うが
今もきっと続いているのだろう…
森友学園もこんなふうに黒塗り改ざんが当たり前なんだろうなぁ
だからこそ、
この映画がきっかけで森友学園などの黒の部分が変わらないかなぁ変わってほしいなぁと思ったし、
たくさんの人に見てほしい。見てよかった心からそう思う。
この映画がアメリカでどのように評価されているのか気になる。
法廷でのオンラインでつないだシーンはすごく印象的だった。
聞こえてる?大丈夫?っていうのもリアルでおもしろい。
"自由と許しは同じ単語なんだ"
というモハメドゥ言葉がとても深く印象に残っている。
神を愛し神を信じ、友を愛し、親を愛す。
卑劣な環境にいながらも明るくて笑顔で常に前を向いているモハメドゥがすごく素敵で泣けてくる。
これからも平和に暮らしていけることを心から願います。受け入れ国を探してるんだと??日本おいでよ!!!!!と心の中で叫んだ笑
ナンシーに出会えて本当に良かった!!
あと、モハメドゥは本当に頭がいいんだなぁと…
この環境下でも、人の言葉から本から言語を学び成長している姿がとっても印象的。
最初文法ごちゃごちゃで話してるけど自分の想い一語一句自分の言葉で伝えるために勉強したんだろうなぁ。
ナンシーの白髪に赤リップ、青い服が強い女性と正義を表している気がして、とてもこの映画にマッチしていると思った
画面ピカピカしてるシーンは目がチカチカしすぎて閉じてました!笑笑あのシーンはもうちょっと短くてもいいんじゃないかなぁ
あと、その手記を書いてるときの表情が知りたかった!
外敵を作り続けなければならないアメリカ
国威発揚のためなのか、常に自国を狙う敵を作り、その驚異から国民を守るという姿勢を崩さないアメリカ。
そのメンツが悪い方向に出てしまう典型のようなできことではないかと感じました(我が国でも犯人を誘導するような捜査もありますが)。
ともあれ、時の経過に合わせ緊張感が募ります。
出演作を絞り込むジョディ・フォスターは流石の演技、カンバーバッチも静かに燃える炎のような演技でアメリカの良心を演じたと思います。
良い作品でした。
グァンタナモ
相変わらずのジョディ・フォスターの存在感
こんな収容所はイヤだ!!の究極版
エンディングは涙なくして観ることできないが、複雑な感情が入り交じる
テリー役の人、ビッグ・リトル・ライズのシングルマザーの人だよね
凄い人生です
“正義・自由”を全面に強調する輩は信用出来ない
よくある法廷ドラマのような盛り上がりもなければ、
正義・人情がまかり通り、涙腺を刺激する作品でもない。
ただただ淡々と描いている。
だから力強く残るのだろう。
法の下の平等
平和が脅かされ社会不安が増大した時その解消の為 集団の意志と個の権利が対立する
感情を極力排し理性と根気で闘った20余年の記録
ヒロイックな演出も目立つが概ね誠実な造り 却ってそれが作品全体をやや退屈にしている
証拠がなければ、希望もない。
日本では、人気のない裁判映画ですが、実話です。
裁判では、証拠の裏付けで必要不可欠です。
映倫区分は、「G」なので、誰でも鑑賞することはできます。
上映時間は、2時間9分ですが、中身が濃く、ずっしりと来る傑作です。
2019年12月3日、安倍晋三首相は、「桜を見る会」の招待者名簿を、野党議員が資料要求した直後に、内閣府が障害者雇用職員に廃棄させていました。
2021年5月8日、黒塗りされた「赤木ファイル」を提出されました。
2021年8月17日、黒塗りされた「ウィシュマ・サンダマリ」に関する1万5千枚を超える資料が提出されました。
日本には、証拠は破棄され、黒塗りされ証拠しかなく、希望はありません。
日本では、証拠と法律に則って容疑者を裁くことはできません。
過去を忘れる者は必ず同じ過ちを繰り返すので、今になっても、同じようなことが繰り返されている今、映画として制作され、公開され、鑑賞するべき映画です。
原題は「THE MAURITANIAN」で、モーリタニア人ということで、モハメドゥ・ウルド・スラヒのことです。
邦題は「モーリタニアン 黒塗りの記録」で、モハメドゥ・ウルド・スラヒに関する黒塗りされた証拠ということです。
邦題の方が、映画をよく表しています。
モーリタニアは、アフリカ北西部にあり、大西洋に面した、イスラム教国家です。
グアンタナモ収容所は、米国と国交がないキューバにある米国軍事施設です。
ソ連がアフガニスタンに侵攻し、米国は反ソ連勢力のオサマ・ビン・ラディンを含むタリバンを支援していました。
2001年9月11日、米国同時多発テロから、20年も経過しました。
若い人は、米国同時多発テロ等を知らない人も多いです。
米国同時多発テロ等については説明はありません。
米国同時多発テロ等については知っていることが前提でストーリーが進みます。
米国同時多発テロ等が理解できないと、この映画を鑑賞しても、理解できません。
米国同時多発テロに関する映画「ユナイテッド93」、映画「ワールド・トレード・センター」、映画「華氏911」やアフガニスタン戦争に関する映画「アウトポスト」、映画「キル・チーム」、映画「ホース・ソルジャー」やイラク戦争に関する映画「フェア・ゲーム」、映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」、映画「バイス」、映画「バグダッド・スキャンダル」を鑑賞して、理解しているとこの映画も理解できます。
特にグアンタナモ収容所での出来事が描かれ、この映画と合わせ鏡のような映画「ゼロ・ダーク・サーティ」を事前に鑑賞することをお勧めします。
この映画が理解できないようであるならば、上記の映画の鑑賞をお勧めします。
最後は、宗教が救いをもたらします。
宗教を理解できないと、この映画も理解できません。
日本で、宗教を信じる人はいません。
ほぼ時系列に沿ってストーリーは進みますが、所々でモハメドゥ・ウルド・スラヒの過去についてのストーリーが挿入されています。
実話映画ですが、登場人物が絞り込まれているので、ストーリーを把握しやすいです。
無罪を主張する困難さと本物のプロフェッショナルを感じました。
スタッフとキャストには、感心させられました。
パンフレットには、スタッフとキャストがこの映画に込める気持ちが書いてあるので、
購入して、読む価値はあります。
熱演 vs 国家の闇!表現の責務と可能性を今一度
これはジリジリと時間をかけてゆっくりと燃え上がる告発の炎、人間の尊厳をかけた闘い。ケヴィン・マクドナルド監督の演出・語り口は時に過多、幾分かヘビーウェイトすぎる気もしたけど、そんなことも気にならなくなるほどなタハール・ラヒムの嘘偽りのない存在感!弁護人ナンシー役ジョディ・フォスターも素晴らしい。二人が有無を言わさず引っ張る。そして本作の映画化を熱望し製作も務めた仕掛人ベネディクト・カンバーバッチもまた主人公と相対する立場ながら、一本軸の通った己の正義を貫く姿勢。
これが実話だということがものすごく怖く憤りを覚える一方で、そうした実際の登場人物たちのおかげで、なにより希望も持つことができる。自分の正しいと信じた道を曲げずに、いざとなったときに手を差し伸べてくれる人がいるのだと思える、信じられる。
権力の暴走!PROTECTED
隠蔽体質に腐敗した国家の根深く巣食った闇。こういう自白強要系実話を見る度ものすごく腹立たしく思うのはもちろん、そうやって付きっきりで犯人に仕立てている間に本当の犯人はシメシメと逃げおおせているぞ。なんなら次の犯行=この場合テロの準備をしているかもしれないぞ!…と思う。人権完璧無視・度外視な「そりゃ実際やってもないことでも自白するよ…」という余りにひどく目を覆いたくなるような所業の末に、"お前は有罪だ"ともはや洗脳としか言いようのない"犯人"と"真実"をでっち上げる。国として公式に謝罪して多額の賠償金を払うのは当然ながら、そんなこともできないようじゃそうした国家ぐるみの過ち・隠蔽体質からまた怒り、憎しみの火種という負の連鎖となり、そうした被害者から新たなテロリストさえ生み出しかねない。"世界の警察"アメリカ、恐ろしすぎる……。こんなふざけたことまかり通る世の中でいいんですか?
someone, not just anyone
今こそ
無実なのにグアンタナモに16年も拘束され、結局起訴もされなかった男性とその弁護士、そして軍側で彼を起訴することを強いられた軍属の弁護士の実話。
わざわざ米国の法も国連の目も届かないキューバに収容所を作っていることからも、確信犯的に違法な捜査(拷問)をしていた訳で、それはまさに米国の闇であり、弁護士達に対する反感は「愛国の闇」と言える。
一方で文書の開示を請求しても真っ黒に塗ったものが出てくるのはどこかのお国と同じだが、それを覆すだけの法の力がちゃんと守られており、報道がそれなりに機能している辺りは流石と言えますね。
ま、無罪の判決が出てからもオバマ政権に(!)更に7年も拘束されていた、というのは闇の深さを感じさせられますが…
せっかく衆院選の前に公開されたのですから、今こそ法の支配と報道の自由が如何に大切なものかはちゃんと学んでおけると良いですね…
国家の横暴を告発した勇気を伝える
9.11の後のアメリカの法治国家であることを忘れたヒステリー的対応が、アラブやイスラム系の無実の人々を迫害した事実を忘れないために、この時点で映画化されたことは大きい。この社会派映画に取り組んだジョディ・フォスターはさすがの名優である。モーリタニア人を助けた弁護士の根気も素晴らしいが、政府の不正を知った後に任を離れた軍の検察官の倫理感にも敬服する。もちろん、アメリカ政府の過失は大変なことだが、こうして法を武器に無実の外国人のためにカネにならない仕事を担う人がいるところはアメリカの素晴らしいところである。この十年間に数々の政府与党の疑惑が証拠不十分で不起訴になった私たちの国は、むしろこの国の法の支配が大丈夫か襟を正すべきだろう。わが国でも政府の都合の悪いことに黒塗り文書の公開は行われている。
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