モーリタニアン 黒塗りの記録のレビュー・感想・評価
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役者3名の全員がいい
ジョディ・フォスターがとにかく良かった。タクシー・ドライバーのイメージ、それから羊なんとかあったけれどあまりわかってなかった(いまだに。今度ちゃんと見よう!)。「おとなのけんか」で自然体で上手い役者だなあとやっとわかったほどで、私は遅い。この映画で彼女の素晴らしさが身に沁みてわかりました。本当の話に基づいて、ということであったからとしても、彼女の黒と青・紺を基調とした服、赤のマニキュアにリップに白髪、すべてがかっこよかった。フォスターの演技、表情、頭の良さすべてに魅入られました。
Cumberbatch、アメリカ英語かな、声は低め?髪型いつもと違う?でも相変わらず素敵なうなじと思いながらいい役だなあと感動しました。命令であっても軍人であっても、その前に法律家でありクリスチャンであることを優先する。裏切り者と言われることは百も承知で自分の良心に従う。
そして何より素晴らしかったのがモハメドゥ役のタハール・ラヒムでした。キュートでチャーミングで聡明。母親を心から愛している息子。前向きでユーモアがあってよく頑張ったね。ナンシーという弁護士に出会えてよかったと思うしかなかった。
グアンタナモ。まだキューバにある。どこの国にも似たような場所はあるんだろう、日本にだって。最低だ。
モハメドゥが若い時にドイツに留学できたこと、家族が後押ししてくれたのはすごくよかったことだと思う。安心できる生活や法律が機能していることを身をもって体験できた。ドイツにも色々問題あるけれど、とにかく優秀な若い人に奨学金を出してドイツで学んでもらってる。それが巡り巡ってということをドイツはわかっている。尊敬され敬愛される国になるためにも、日本もどこの国もあらゆる国の若い人たちの留学支援をもっともっとして欲しい。
「裏切り者」は後ろめたさの証
9.11テロ実行犯のリクルーターとしてアメリカ政府から嫌疑をかけられキューバのグアンタナモ収容所に収監されたモーリタニア人の話。
本人の手記を基にした実話ベースの話とのことだけど、まるで知らずに観賞。
反政府のプロパガンダ作品ではないですよね?
収監から3年強、起訴されないまま拘禁され続ける彼を釈放すべく、人権活動家と称される弁護士が動き始めると共に、立件すべく軍の弁護士も動き始めるストーリー。
弁護士とのやり取りも監視や検閲により自分に不利に働くと恐れて、なかなか話さないモハメドゥや、開示請求で提示された黒塗りだらけの供述調書。
立件する側にも充分な証拠が示されず…ってムチャクチャだなアメリカ!
そして明らかになった真実ってどうなってるんだアメリカ!
+7年って何だそれ?当然ちゃんと補償されたんだよね?
どこまでリアルな話か知らないけれど、少なくともラストの字幕説明は真実な訳だし、この件に限らず、そういうことがあることは何となくは知っていたし…。
起こった出来事をそのまま見せて行くばかりの再現ドラマという面が強かったけれど、知らなかった自分にはかなり引き込まれる作品だった。
悲惨な実話
驚きでした。
このような事が表沙汰になっていたとは驚きでした。
てっきりしっかりと内部で証拠隠滅し闇の中へ とばかり思ってました。
ずっと大義名分の下に侵略戦争を続けているアメリカなので
そういう事があって当然だと言われるかもしれませんが、
現実にはこの何十倍、何百倍もの闇案件があるのでしょう。
自分が同じ境遇に陥ったら、一体何が出来るというのか?
まったく想像すら出来ません。
クーリエでは被疑者だったカンバーバッチが連続で法廷物
の登場となりましたね。次はスパイダーマンで会えるかな?
ジョディ・フォスターはさすがに年齢を感じさせられましたが
まだまだ頑張り続けてくれる事を期待します。
自由=許す
モーリタニアン人、モハメドゥ・ウルド・スラヒ(タハール ラヒム)の無実を証明する弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディー フォースター)とテリー・ダンカンの功績は偉大な実話だ。ナンシーには自分の生活すらなく思えるし、無実を証明して、人の命を助けるために書類から証拠を導き出すため何年もかかっている。
この映画自体は米国政府の悪の温床グアンタナモ収容所で、無実の人間の命の尊さを証明できる貴重な作品だし、多言語に訳された、モハメドゥ・ウルド・スラヒの手記により、もっと有名になった。でも、果たしてこの映画を2時間以上にする必要があったろうか?どこかを削った方がいいか考えてみたが? 私の心の中で迷いがあり結論付かなかった。
2つばかり感激したことを記しておく。
アメリカ同時多発テロ9.11に関与した疑いで逮捕されたモハメドゥ・ウルド・スラヒThe Mauritanian 。検事スチュアートコウチ(ベネディクト・カンバーバッチ)はモハメドゥ・ウルド・スラヒに対する軍の拷問や長期の隔離、極寒の気温やヘビーメタルを聴かせたり、母親の逮捕だけでなく死を脅かしたりなど、扱いが書かれていた書類を読んで、クリスチャンとして、人として、この場を立ち去し、同意できないから検事を降りるという正々堂々とした態度に好感が最ももてた。裏切り者と後ろ指を刺されながら、職場をさるが、そこには自分が何をしているのかわかっていて、自信が漲っていた。その後、彼は、この仕事を去っても、弁護士として、活躍していた様だ。
モハメドゥ・ウルド・スラヒは裁判すら受けられないまま、グアンタナモ米軍基地で地獄の日々を送っていたが、2009年12月、裁判で法廷へのビデオリンクを介して証言することができた。このシーンも好きだ。
2010年3月、モハメドゥは手紙を受け取り、訴訟が成功したと知ったが、アメリカ政府が訴えたので、釈放されるまでには実際にはさらに7年かかった。それに、お母さんは既になくなっていた。
9.11の後の冬、私は友達にあいにベルギーに行ったが、EU入国はスキポール空港だった。その時の入国管理局での中東系の人々の列は長く、一人ひとりは9.11に関係していなくても、民族でこれだけの不条理があったから、攻撃された米国での軍の取り調べは想像がつくね。
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