「一個人を徹底的に貶める」モーリタニアン 黒塗りの記録 うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)
一個人を徹底的に貶める
クリックして本文を読む
9.11がアメリカの受け入れがたい出来事だった事は間違いない。
ただ受け入れがたい理由が立場、人種、宗教等々によって相当な違いがある。
9.11を引き起こした犯人たちを絶対に許さないと言うスタンスから、怪しいものはまとめて勾留し証言を無理矢理に引き出す。
アメリカの安全を壊したものたちに鉄槌を落とす…その為には疑わしきも罰する勢いだ。
施設内での拷問は一昔前に聞いた事があるようなやり方だったが、やはりエグい。
光の明滅や轟音で眠らせないとか、速攻で参ってしまうだろう。
黒塗りを生み出した仕組みを考えると、その内何もかもぬりつぶされそうな恐さがある。
ジョディ・フォスターとカンバーバッチの二人の役どころが与えられた立場も目的も違うが、信義に基づいて行動できるのは希望を感じられる。特にカンバーバッチ演ずるスチュワート中佐は立場上拷問を隠す側に回ってもおかしくないのに公正な立場を貫いたのは驚きだ。
しかしもっと驚いたのはスラヒだ。
長期間の勾留、拷問に耐えて無罪を訴える…。
真似できそうにない。
彼の頑張りが超人的だった事とその後の体験談を書ける所が凄い。
ある意味、アメリカの懐の深さ、過去を検証できる証拠を残せる(黒塗りでも残す)やり方は「黒塗りで残してどうする?」とは思う。
だが残す事で異様さは伝わるし、時代が変われば特定のベクトルに支配されず公正な判断でモノを見ることが出来るようになるかもしれない。
コメントする