「2001年の9.11米国同時多発テロの後、ひとりのモーリタニア人が...」モーリタニアン 黒塗りの記録 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
2001年の9.11米国同時多発テロの後、ひとりのモーリタニア人が...
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2001年の9.11米国同時多発テロの後、ひとりのモーリタニア人が米国により逮捕・拘禁された。
彼の名前はモハメドゥ・ウルド・スラヒ(タハール・ラヒム)。
同時多発テロの首謀者のひとりとして疑われたのであった。
2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)は、キューバのグアンタナモ米軍基地に拘禁されているモハメドゥの弁護を引き受けることになった。
一方、なんとしてもテロ首謀者を死刑としたい米国政府は、軍の司法官スチュアート・カウチ中佐(ベネディクト・カンバ―バッチ)に対して早く起訴に持ち込むよう指示するが、カウチ中佐は有罪となる決定的証拠を発見することができない・・・
といったところからはじまる物語で、米国映画十八番の事実に基づく告発映画。
同時多発テロの直後だから、イスラム社会に対する偏見は凄まじく、映画後半で描かれる拷問ともいえる取り調べは人道を逸している。
というわけで告発すべき内容は素晴らしいが、映画としては一本調子な感があって、それほど面白くない。
特に、ベネディクト・カンバ―バッチ扮するカウチ中佐の立ち位置が、『アラバマ物語』のグレゴリー・ペックのそれと変わらない、いかにも米国の良心風なのはいかがなものかしらん。
対して、ホランダーを演じたジョディ・フォスター、芯が通っているというかプロフェショナルというか、こちらもこちら。
まぁ観ているわたしとしては、モハメドゥの告白文が出てきた際に、「やっぱり、やってたんだ・・・」と逃げ出してしまうホランダーの助手(シェイリーン・ウッドリー)の心情がいちばん近かったかしらん。
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