「実話をドラマティックに作り上げた傑作」モーリタニアン 黒塗りの記録 tackさんの映画レビュー(感想・評価)
実話をドラマティックに作り上げた傑作
グアンタナモに収容されていたモーリタニア出身の男性の手記を映画化した作品。
本作は、実話を基に、と言うよりそのまま実話のような感じであった。
時間軸を色々使い分けて、かなりドラマチックに展開しており、2時間越えの作品であるが、
全く飽きを感じさせない力作。裁判に関する作品であるため、言葉が難しく、結構理解するのに大変かと思ったが、本編の芯はしっかりしてあり、なかなか見ごたえのある作品だった。
原告側と被告側の弁護人が真実を追求していく上で、とんでもない事実を知っていく様は、これまでの裁判系の映画ではあまり見られないような内容だったし、名優たちの熱演も素晴らしい。
裁判でのモハメドゥを演じたタハール・ラヒムのスピーチは感動ものだった。
「ゼロ・ダーク・サーティ」を思い出させる拷問シーンは、本当に常軌を逸したものだし、看守側の心理もかなり異常だったことがわかる。しかし、あれが本当なら米国は人権侵害で訴えられてもおかしくない。そして、今作ももしアメリカ人監督ならこういった描き方は出来なかったかもしれない。
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